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[WBS]追跡!物価高で打撃!"自治体独自"の生活支援策とは

ワールドビジネスサテライト(WBS)

政府は10月28日に物価の高騰に苦しむ家計への支援策などを盛り込んだ総合経済対策を決定する見通しです。こうした中、各地の自治体は工夫をこらして独自の生活支援策を打ち出しています。その現場を取材しました。

町の知恵"リュックの無料配布"

北アルプスの麓、富山県立山町。10月25日に町の小学校「立山北部小学校」を訪れると…

集まっていたのは来年春に入学する子どもたち。視力検査や耳鼻科検診、入学前の健康診断を受けに来ていました。

帰り際に手渡されたのは…

小学校教諭

立山町からのリュックサックです。

来年の入学予定の子ども

見た目がいい。

もらうやいなやその場で背負ってみる子も。

来年の入学予定の子ども

待ちきれない。

独自開発の通学用リュック。無料で配る狙いとは…

リュック無料配布のワケ

通学用リュックの無料配布を始めた富山県立山町。

保護者

うれしい。すごく助かる

背景にあったのはランドセルの高額化です。平均の購入額は今年5万6,000円に。

富山県立山町
舟橋貴之町長

おじいちゃんおばあちゃんからもらえない子どももいる。
5万~6万円はかなりの出費になる。その分他のものに使ってもらえれば。

町は通学用リュックに700万円の予算を確保。3年間で540個を配布する計画です。

実はこのリュック、開発したのはアウトドア用品大手「モンベル」です。

モンベル
辰野勇会長

子どものころから格差をつくるのもどうかと思った。

町からの条件は開発・制作費1つ1万円。

6年間使える丈夫さとランドセルより軽いおよそ900gを実現しました。

教科書、タブレットに水筒、何かと荷物が多い小学生に使ってみてもらうと…

小学生

ランドセルより軽いし、いっぱい入って使いやすそう。

小学生

みんな一緒なのもいい。

モンベル
辰野勇会長

いろいろな自治体から問い合わせをもらい導入の検討を進めている自治体もある。
これからどんどん広がっていくことを期待。

値上がりしているのはランドセルだけではありません。

町の大型スーパー「スーパーセンター シマヤ立山店」では…

お客さん

以前は1回の買い物が3,000円だったが、今は同じ量を買っても3,600円くらい。

ノートやペンも今年10~30円値上がりしています。

さらに影響が大きいとされるのが自転車です。

シマヤ立山店
瀬戸尾叔規店長

今まで1万9,000円台の自転車が2万3,000~2万4,000円まで高騰している。
来年、入学する子どもの家庭は自転車を新しくする、負担になるので危惧。

厳しさを増す家計。町長は行政として支援したいと話します。

富山県立山町
舟橋貴之町長

富山は車社会なのでガソリン代、冬になると灯油代が必要になる。
リュックを配るだけではなく、しっかりと手当てをしていかなくては。

燃料高も「上げられず」銭湯を支援

一方、独自の支援策はほかにも。

千葉市が打ち出したのは一般公衆浴場、いわゆる銭湯への支援です。

創業67年の銭湯「ビバークランド」、露天風呂も備え、1日平均100人ほどが訪れます。

大量の湯を沸かすのに欠かせないのがガスです。

先月1ヵ月分のガス料金を見せてもらうと…

中垣正太郎キャスター

76万円。

ビバークランド
佐藤裕之オーナー

このままいけば経営が成り立たない。

2年前と比べ、ガス代だけで年間200万円の負担増。しかも銭湯にはある事情が…

ビバークランド
佐藤裕之オーナー

燃料が上がることでお客様の単価を上げることができないのが銭湯。

銭湯の入浴料は物価統制令により都道府県ごとに上限が決まっています。燃料代が上がっても簡単に価格転嫁はできないのです。

そのため、この銭湯ではサウナの燃料をガスから薪に変更。ガスの使用を抑えていますが、それでも赤字の状態が続いているといいます。

市民生活に必要な銭湯を守ろうと千葉市は支援金の給付を決定。ガスや重油を使う銭湯に60万円を支給したのです。

ビバークランド
佐藤裕之オーナー

非常に助かる。
学は少ないが援助してくれたことは感謝している。

こうした物価高騰対策、財源のほとんどは国からの交付金ですが、支援の内容は原則自治体に任されています。

中垣正太郎キャスター

今後、支援策をさらに拡充するプランはありますか?

千葉市
財政課
大畑晃課長

物価高騰は千葉市だけでなく全国的に起こっていること。
国の支援も見ながら市として必要な部分は施策の検討をする。

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