シリーズ企画「常識をくつがえす起業家たち」。
新しい発想で世界に挑む若手起業家の姿に迫ります。
日本を代表する実業家から受けた教えを胸にセキュリティー業界で世界1位をを目指す若手社長です。
ココン株式会社
[blogcard url="https://cocon-corporation.com/"]
車の窓が勝手に閉まったり開いたり…
その車を覗き込むスーツの男性。
この人が今回の主役です。
東京・渋谷区のオフィスに大勢の人が集まってきました。
ここにいるほとんどが僕より年上。92年生まれの25歳の若造社長。
サイバーセキュリティー企業、ココンの倉富佑也社長(25歳)。
この若さでおよそ170人の従業員のトップです。
ココンは6社を統括する持株会社。うち5社は倉富さんが5年間で買収、提携した企業です。
その一画にはなにやら囲われたエリアが…
こちらがセキュリティー診断などを行うイエラエセキュリティ会社。
株式会社イエラエセキュリティ
[blogcard url="https://ierae.co.jp/"]
企業向けにコンピューターの脆弱性を年間400件以上チェックするサイバーセキュリティー会社。
グループの中核企業です。
強みは世界有数のホワイトハッカーを抱えていること。
2017年に東京で開かれた世界トップクラスのハッカーが集まる大会ではアメリカなどを下して見事優勝しました。
サイバー犯罪の急増を受け、売上高は傘下に入る前と比べておよそ7倍になる見込み。
セキュリティー事業への期待からグループで18億円の資金調達をしました。
倉富佑也社長
倉富さんが経営者を目指したのは高校生の頃。
親にねだった誕生日プレゼントは、
何買う?と父に言われて高2のときに日経トップリーダーという雑誌。年間の購読料が2万5,000円か3万円くらい。それを買ってもらった。
そして早稲田大学1年生のとき、中国・上海に渡り自分の好物だったベーグルのお店をオープンさせました。
これはたった3ヶ月で撤退。
開店して半日で気付いた。
現地の人はパンはあまり食べない。
あらゆるものを自分でやっていて現場に入り込みすぎてやっていることが正しいか、ふかんで見られてなかった。
その後、再起を掛けて大学を中退。
中国と日本を結ぶクラウドソーシング事業を起こし成功させました。
そんな倉富さんが大切にしているある宝物を見せてくれました。
孫社長から頂いたサイン。一緒に食事したときに本にサインをもらった。
時々、孫社長からのアドバイスを思い出しながら経営している。
「世の中のためになることを本気で考えて事業をする。」、それが孫社長のアドバイス。
その教えを胸に日本のために自らセキュリティー業界に参入し世界を目指すことを決めました。
グローバル市場で国内のセキュリティーの会社はほぼ存在感がないのが現状。
エンジニアがなかなか定着しないなど強みを持てていないような会社が国内はほとんどだと考えている。
牧田誠社長
グループの中核、イエラエセキュリティの創業者、牧田誠社長。
誘いからわずか1ヶ月で倉富さんと手を組むことを決めたといいます。
倉富氏は孫社長を必ず超えると語っていた。
骨があると見込み、10歳年下の社長の傘下に入りました。
ただ、困ったことも…
取締役会で役員全員反対っていうのもある。
反省しかない。
全員反対したあげく6時間会議をして押し通すみたいな。
サイバーセキュリティーの研究開発
一方、埼玉県内のガレージではいまココンが最も注力しているサイバーセキュリティーの研究開発が行われていました。
車を調べているのは大会で優勝したイエラエセキュリティのホワイトハッカーたちです。
ウインカーつけて。
勝手にウインカーがつきました。
走っていないのにスピードメーターが220キロを指しています。
イエラエセキュリティの佐藤勝彦副社長、
ウインカー、ライト、鍵、窓の開け締めが遠隔操作できるということが分かっている。
車の自動運転やIT化が本格化すればハッキングは命にかかわる脅威です。
先行して研究することで自動車メーカーなどにさまざまな対応策を他社よりも早く提案できるといいます。
若き経営者、倉富さんが描く10年後とは?
セキュリティー領域ではマーケットを変えるという志で参入している。
10年のスパンでは世の中になくてはならない存在になりたい。