今月開催されたベネチア国際映画祭で高い評価を受けた北野武監督の新作映画「アウトレイジ 最終章」のプレミア上映会が9月25日に開かれました。
暴力団の内部抗争や権力闘争を描いた映画ですが、この構図は意外にも現在の日本企業にも通じるものがあるという北野武監督に単独インタビューをしました。
アウトレイジ 最終章
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北野武監督の最新作「アウトレイジ 最終章」、10月7日からの全国公開を前に9月25日にプレミア上映会が開かれ、13人の豪華ゲストが顔を揃えました。
北野武監督は、
これが区切りとなっていますが、また何年か経ったら、日本の役者オールスターズでとんでもない映画を撮ってみせようと思っている。
アウトレイジシリーズは裏社会の男たちの抗争を描いたバイオレンスエンターテイメント。
最新作は些細な揉め事をきっかけに関西のある暴力団と国際的フィクサーが緊張関係に陥る所から始まります。
関西の暴力団を率いるのは前会長の娘婿で金さえ稼げれば何でもありという元証券マン。
そのやり方に反発する古参の幹部たち。
卑劣な権力争いの真っ只中に飛び込んでいく昔気質の男、大友を北野監督自らが演じました。
映画に込められたメッセージについて大江キャスターが北野監督に直接話を聞きました。
単独インタビュー
「今回、組織の中で生きる難しさみたいなものを見ていて感じました。武さんが演じる大友は組織の型にはまらずに自分の美学を貫くようなタイプの人ですね。」
社会がデジタル化していくとアナログ的な男の生き方という感じがする。この映画を拳銃と暴力、やくざを外せば単なる社会派の映画が撮れる。実際の会社で会長が新しい会長になって社長が来て、下のやつが裏切ったり、競合している会社を潰しにかかったり、ヘッドハンティングしたり。
北野監督は映画の中で描いた世界は現在の日本的企業の構造に通じるものがあるといいます。
自信が演じた大友という役も古いタイプの勤め人、サラリーマンでそれが今の世の中では犠牲になりやすいという話に置き換えられるといいます。
「題材になりそうな話が現実世界で多いですよね。」
9.11以降、現実のほうがすごくなった。暴力映画やヤクザ映画、テロの話にしても実際のほうがすごい。ここまで考えるかっていうテロがあるじゃない。後追いになっている。
実際のエンターテイメントの方が現実に抜かれている。だから本当にモノを作るのは難しくなる。
加えてあらゆるものがステレオタイプになっている時代。大衆に支持されるものを作らないといけないこの時代に北野監督は、
せめて自分くらいはそれに反発して生きていこうと思うが、生きていこうと思うだけであって生きられるわけがない。社会に迎香しない、そんな偉そうなこと絶対に言わない。迎合しまくってやるって思い、徹底的にヨイショで暮らしてやる。