イルカやラッコ、ペンギンなどの定番アイドルがいないのになぜか大人気の水族館があります。
行列のヒミツはユニークな仕掛けにありました。
竹島水族館
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灼熱の太陽のもと、家族連れを中心に長い行列が出来ていました。
温かみがある。
小さいけど面白い水族館。
館内で出会えるのは個性的な海の生き物となんともゆる~い手作りの展示の数々。
ここはいま最も注目を集めている水族館です。
愛知県蒲郡市にある竹島水族館。
入場料は大人500円、子供200円と破格です。
ただ水族館としてはかなり狭く、ラッコなど定番アイドルもいません。
でっかいよ。
ここの目玉は深海に住む巨大なタカアシガニやうごめくウツボなど正直地味で不気味です…
なのになぜ人気なのか?
人気の理由
答えはお客様の視線の先に。
それはウツボへの感謝状。
あなたがたは、その特異まれなるキモチワルサを逆手に取った捨て身の展示方法で見る人の注目を集め…
と、そのキモチワルサを讃えるユニークな内容です。
本当に面白い。
全部読んでいたら時間がかかるから、またすいている時に来なくては。
手作りの解説展示
実は館内のいたるところにこうした手作りの解説展示があります。
外来種で悪者扱いされがちなアリゲーターガーは、その苦労を訴えかける。
よく食べられる種類の魚の上には、率直すぎる言葉が…
こうした展示が一味違う水族館だと評判を呼びました。
水族館側からお客様に分かってもらおうという意思が伝わって来る。
それがまた魅力。
珍しい生き物に触れる
一方、子供たちが夢中なのは珍しい生き物に触ることができる体験コーナーです。
少年が愛おしそうに撫でているのは深海生物のオオグソクムシ。
まさに巨大なダンゴムシですが、ここではアイドルです。
かわいい!
しかもそのアイドルを食べることもできます。
オリジナルのお土産
オオグソクムシの粉末が入った煎餅はここでしか買えない土産として品切れすることもある人気商品です。
小林龍二館長
こうした個性的な展示を始めたのは若き館長の小林龍二さん(37歳)。
飼育員を経て3年前に就任しました。
大きなところと同じことをやっていてもかなわないので、ここでしかできないもの、ここでしかはやらないものを追求した。
実は竹島水族館、数年前までお客様が少ない冴えない施設でした。
建物の老朽化もあり一時は閉館の話も…
しかし小林さんの独自路線が功を奏し、年間12万人ほどだった入場者はおよそ40万人まで急増。
現在も増え続けています。
そんな竹島水族館の象徴ともいえるのが、
イチオシの生き物、魚じゃないですけど。
カピバラです。
新たな水槽をつくるより安く買えるという大人の事情でやって来ました。
せっかくなのでショーを開いてみるとこの大盛況。
アシカショーならもう2個3個技が決まっているよ。
無視しないで!
ショーとはいえ、特に何もしないカピバラ。
こうした開き直った演出で生き物を最大限輝かせるのが竹島水族館の流儀なのです。
お金が十分にあっていろいろなことができればそれに越したことはないけれどなかなか難しいので、その分いかに知恵を使って工夫してやるか。
もっと改善してよりよいものにしていきたい。