デジタルカメラ、パソコン、オーディオプレーヤーなどはこれまで別々に持つ必要がありました。
しかし、こうしたものがスマートフォンの登場でほぼ一つに集約されました。
手の平サイズの端末で何でもできる時代です。
さらに地図アプリを使えばカーナビゲーションシステムもいまや簡単に利用することができます。
シリーズ「日本の電機再び翔べるか」。
生き残りをかけたカーナビメーカーの新たな戦略を取材しました。
ヤフー株式会社
[blogcard url="https://www.yahoo.co.jp/"]
ヤフーが無料で提供しているカーナビアプリ「Yahoo!カーナビ」。
早速、出発地を赤坂エリアに、目的地を豊洲市場に設定し、走りながらその実力を試しました。
走り始めて間もなく、
およそ700メートル先、斜め左方向です。
車に搭載したカーナビと同じように交差点の手前から音声案内をしてくれます。
続いて虎ノ門ヒルズに差し掛かると…
ヤフーのカーナビサービスマネジャーの齋藤聖隆さん、
車載器の地図には道路がまだないですね。
地図やルートはアプリを更新しなくてもサーバー側で更新するので、常に最新状態を保てる。
またトンネルに差し掛かると車載のカーナビと同じように画面が夜間モードに自動で切り替わる機能も備えています。
そして築地に近づいた頃、道路が渋滞し始めました。
ヤフーのカーナビにも渋滞を示す赤マークが。
一方、車載のカーナビには渋滞表示は出ていません。
少し先には確かに工事現場があり、渋滞のもとになっていました。
ヤフーのカーナビでは日本道路交通情報センターからの渋滞情報に加え、これまで1,400万回ダウンロードされたアプリのユーザーの膨大な走行データを活用しています。
たくさんのユーザーが走って渋滞か渋滞していないか分かるので地図上に反映させている。
利用者の声
実際、スマホのカーナビの使い勝手を道の駅で聞いてみると、
無料で使えるのでほとんどスマホを使う。
最新の交通状況も早いのですごく重宝している。
グーグルマップ知らないの?
スマホのナビで十分だから車載機を買い換える気はしない。高いしね。
カーナビ大手はどう対抗するのでしょうか?
クラリオン株式会社
[blogcard url="https://www.clarion.com/jp/ja/top.html"]
クラリオンはスマホとの共存を目指します。
クラリオンの川端敦社長は、
リビングでドライブに行こうとスマホを取り出して調べる。
ここへ行こうと決めて目標に設定すると情報がこの車に転送される。
スマホと連動したカーナビの開発に力を入れています。
予め行き先を設定したスマホを車内に置くと、カーナビには自動的に情報が反映されます。
車内では、
この先のコーヒーショップの割引クーポンが配信されている。立ち寄りましょう。
近隣にある店のクーポンが配信されました。
さらに車を下りた後もスマホのナビで目的地までのルートを案内します。
川端社長、カーナビの未来をどう考えるのでしょうか?
スマートフォンは敵ではない、協力すべき仲間。
互いに機能を補完しあいながら新しい生活の提案をやっていけるツール。
クラリオンは日立製作所の小会社ですが、去年10月に車のシートなどを手掛けるフランスの自動車部品大手「フォルシア」への傘下入りを決めました。
フォルシアとの協業でどのような未来を目指すのでしょうか?
フォルシアの内装品の中にクラリオンのユニットを入れるとか。
特に内装系の技術に関して、そこに電子部品を入れる観点から見るとクラリオンとフォルシア、非常に親和性が高い。
アルプスアルパイン株式会社
[blogcard url="https://www.alpine.co.jp/"]
クラリオンに限らずカーナビ各社は激動の時代を迎えています。
パイオニアは去年12月、香港の投資ファンドから出資受け入れを決め、経営再建を進める考えです。
またアルパインも今年1月にアルプス電気と経営統合しました。
そのアルプスアルパインが今週末にオープンする直営店が「アルパインスタイル横浜246」。
店の前はもちろん、店の中でも存在感を見せるのは車。
主力商品のカーナビは店の一部にあるだけ。
その理由は…
アルプスアルパインの米谷信彦副社長は、
われわれがやるのは今までのナビゲーションだけでなく、シートからエアロパーツまで全部含めてやる。
ここにあるのは全て市販している車をカスタマイズしたものです。
アルパインのブランド力を生かし、カスタムパーツの販売を強化します。
アルパインマーケティングの新規事業開発部の西田敬部長は、
かっこよさにプラスしてコーナーカメラを仕込んでいる。
デザインだけでなく、機能にもこだわりました。
カスタムパーツに組み込まれたカメラはカーナビに連動。
音声認識で切り替えることができます。
これまでついていなかったカメラを付けて、もっと便利にすることもできる。
機能もデザインもお客様の要望に応えるようにしていきたい。
今後は経営統合による効果を発揮し、カーナビを中心により進化させていくといいます。
今回の統合はわれわれの車ビジネスにおいて必要不可欠。
アルプス電気が持つセンサーを使い、トータルのシステムとしてサービスの質を上げていく。