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[WBS] 世界で高評価「日本ワイン」!最大手に人気ゆえの悩み!?

2017年9月1日

ワールドビジネスサテライト(WBS)

国産ワインは2種類あり、ひとつは「輸入ぶどう果汁・輸入ワイン使用」と書かれている原料を輸入して日本で作られたワイン。

もうひとつは原料から国産で醸造も日本で行われたもの。これを国産ワインの中でも分けて「日本ワイン」と呼びます。

いま酒市場全体が伸び悩むなかで、こうした日本ワインの人気が高まっています。

各メーカーがそのチャンスを生かそうと様々な動きを見せています。

メルシャン株式会社(Chateau Mercian)

[blogcard url="http://www.chateaumercian.com/"]

山梨県甲州市、緑に囲まれたこの土地で節目の年を迎えた企業があります。

国内最大手のワインメーカー「メルシャン」。

日本ワインを作り続けて今年で140年です。

8月31日、報道陣に向けてワインの仕込みが披露されました。

明治の初期から他社に先駆けて国内で作ってきたメルシャンの日本ワインは世界的にも高い評価を受け、数々のコンクールで賞を獲得しています。

特に日本固有の品種で作った「シャトー・メルシャン山梨甲州2015年」は海外でも人気だといいます。

日本のワイン市場の拡大も追い風です。国産ワインの出荷量は10年前に比べ3割の拡大。

なかでも伸びが目立つのが原料から国産の日本ワインです。

代野照幸社長は、

日本の酒市場が少子高齢化の中で量から質へ変わる大きな流れがある。シャトー・メルシャンは市場に出すとあっという間に買ってもらえる。

嬉しい悲鳴が上がっていますが同時にある悩みを生み出しています。

ブドウ農園

松尾弘則工場長は、

ここで原料のブドウを栽培している。これからの日本ワインづくりで原料のブドウのことを考えると、自分たちである程度の数を確保しないとお客様の需要に応えられないのでは。

原料のぶどうづくりが追いつかないのです。

現在、メルシャンは農家との契約のほか自社でも山梨県や長野県内でブドウ畑を管理していますが、現在40ヘクタールある畑を10年後の2027年には倍の80ヘクタールに拡大し需要に応えていくといいます。

ブドウ栽培に適した土地があれば、すぐに手をつけてブドウ農園にする。20~30年後にはシャトー・メルシャンが名実共に支えてくれる。屋台骨商品になっていることを願う。

三和酒類株式会社

[blogcard url="https://www.iichiko.co.jp/"]

サントリーやアサヒなどほかの大手メーカでも日本ワインの増産を進めるために自社農場の確保を進めています。

九州でも動きがあります。

大分県宇佐市にある三和酒類。主力は1979年に発売した全国的なヒット商品、麦焼酎の「いいちこ」です。

実はこの「いいちこ」が誕生する5年も前からワインづくりを手掛けています。

現在もブドウ産地、宇佐市の安心院で醸造しています。

三和酒類 安心院葡萄酒工房、古谷浩二工場長、

こちらがワインの醸造所。たくさんタンクが並んでいるが年間を通じ、ワインはタンクの中に入ってきている。

いま仕込んでいるのは「ピノタージュ」。日本では珍しい品種で安心院で栽培されたものです。

その年に採れたブドウを、その場所で醸造することで安心院の特性、風土をワインにしっかり伝えることができる。

安心院で採れたブドウ100%でワインづくりをしている。

三和酒類のワインへのこだわりはすべての原料に地元で採れたブドウを使うこと。

それによってワインの個性が際立ち、ブランド力につながっていくといわれています。

日本ワインコンクールで2年連続受賞するなど品質にも定評があります。

安心院ならではのワインづくり、ブドウづくりをして、安心院ワインだと、しっかり表現しないと日本ワインが伸び続ける理由につながらない。安心院ワインというブランドをしっかりと築き上げることが会社のイメージアップにもなる。

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