国連が掲げるSDGs(持続可能な開発目標)の17の項目。国連加盟国は2030年までにこうした目標の達成を目指していきましょうというものです。
WBSでは経済の力で目標を達成しようという取り組みを今後取り上げていきます。
今回はこちらです。「働きがいも 経済成長も」に関してです。
誰もが働きがいを持って仕事をすることができる世界をコーヒーを通じて実現する新たな取り組みを追いました。
一般社団法人ビーンズ
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東京・神保町駅の近くに本格的なコーヒーが味わえるカフェがあります。
ソーシャルグッドロースターズ千代田。
店内からは豆を焙煎する音が。
看板商品はハンドドリップで入れたコーヒーです。値段は1杯500円から。
苦みとか渋みを感じずにすごく素直に飲める。
香りがすごくいい。
コロナの影響で店頭での販売は減ったものの、その味が評判を呼び、ネットでの売上げはコロナ前のおよそ20倍に増えたといいます。
そしてこの店が注目される理由はほかにも。
実は働いている人たちには障がいがあります。
はじめます。
スタッフのほとんどは発達障害などがあり、ここで働きながらコーヒーの知識や技術を学んでいます。
彼らが作るコーヒーは1杯500円と安くはありませんが、そこには隠れた技術が。
仕入れたコーヒー豆には虫に食われた豆や欠けた豆などが混在しています。
そんな豆を丁寧に取り除いていくのがハンドソーティングという工程です。
1つ1つ手に取りしっかり確認。見た目だけでなく感触も確かめて取り除いていきます。
あった。
1つの物事に集中できるのが彼らの強みです。
こちらは作業の前後を比較したものです。作業前はかたちの悪い豆がありますが、作業後はきれいに選別されていることが分かります。
お客様もその技術に、
生豆の選別をすごく集中してやっていた。
途中で投げ出してしまうようなこともすごく集中してやっている。
施設を運営する坂野拓海さんは、
1杯500円で売っているがお客様はどんどん来てくれるので、ちゃんとそれに見合う価値を提供できているということ。
この店ではより多くの価値を提供できるスタッフを評価し、スキルに応じて時給を上げています。
ここで2年以上働く川田康之さん、一人前のバリスタを目指し日々腕を磨いています。
やりがいもあるし、皆平等で働けるのですごく楽しい。
働くことの楽しさも教わった。
そして今月、日本で初めて障がいのあるバリスタの競技会「第1回チャレンジコーヒーバリスタ」が開催されました。
さらなるスキルアップを目指し、川田さんたちコーヒーショップのスタッフも参加を決めました。
この大会には10チームが参加。
いま障がいがある人が選択する仕事の一つとしてバリスタが注目されているのです。
お待たせしました。
主催したのは世界中でコーヒー豆の栽培技術を指導している日本サステイナブルコーヒー協会の川島良彰さんです。
障がい者が作っているコーヒーではなく、おいしいから飲みに行くようなコーヒーショップが増えれば日本発のサステイナブル(持続可能)なコーヒーの活動としていろいろな国でこういう大会がおきればいい。
はじめます。
川田さんのコーヒーショップのチームもいよいよ実技審査。日々培った抽出の技術を披露します。
淹れたコーヒーの味も確認。
ちょっと濃い。
みんなで淹れたコーヒーを審査員のもとへ。
一流のバリスタを目指し、一歩一歩前に進んでいきます。
手が震えました。
それを乗り越えてちゃんと成長できた。
チャレンジできたことがとても恵まれている。
今後もぜひコーヒーの仕事に関わっていきたい。