寒い日に食べたくなるのが焼き芋です。
美しい黄金色、ホクホクして甘くてたまりません。
実はこのサツマイモに国も熱い期待を寄せています。
一体なぜなのでしょうか?
いも子の焼き芋 阿佐美や
[blogcard url="https://www.asamiya.org/"]
埼玉県戸田市。
昔ながらの移動販売の焼きいも店があります。
1日およそ100本を売り上げる人気ぶり。
子どもが「食べたい」と言って飛んできた。
石焼でじっくり焼き上げたこだわりのイモは1本300~400円。
そこで…
「利益率は?」
阿佐美やの村田洋子さん、
うちは良いイモを使っているので売価の半分くらい。
一般的なイモだと50円くらいのイモを焼いて300円くらいで売る。
1日100本売れれば儲けは2万5,000円。
燃料費を差し引いても月50万円程度稼げる計算になります。
株式会社イトーヨーカ堂
[blogcard url="https://www.itoyokado.co.jp/"]
そんな利益率の高さもあってか最近スーパーではこぞって焼きいも機を置いています。
イトーヨーカ堂の青果部、篠原雅代さん、
焼きあがったときに甘くて香ばしい匂いが立ち込める。
入ってすぐの目立つところかレジの近くで手に取りやすいところに。
新たな品種の登場でいま焼きいもブームが起きています。
株式会社ドン・キホーテ
[blogcard url="https://www.donki.com/"]
その火付け役ともいわれるのがディスカウントストアのドン・キホーテです。
2009年頃から焼きいもを売り出し、いまや全国展開。
シンガポール
そして海を渡り、赤道直下のシンガポールにまで進出しています。
ドン・キホーテは先週、シンガポールで8店舗目をオープン。
行列の先には、
ヤキイモー!
甘くておいしい。日本のサツマイモは素晴らしい。
ヤミー!
1時間に1回焼き上がる焼きいもを求めて大行列。
この店舗だけで1日に2,000本を売り上げるといいます。
価格は日本円で1本150円ほど。物価の高いシンガポールでは安い印象。
そこに秘密が…
ドンドンドンキの桧山健一さん、
海外だとこれくらいの2Sサイズとか、それ以下が一番人気。
小さくないと売れない。
実は日本では規格外となってしまいそうな小さなサイズです。
ドン・キホーテではこうしたサツマイモを大量に仕入れることで安さを実現。
さらに、
日本の焼きいもの販売より海外の方が利益を取りやすい。
日本で売りづらい規格をあえて持ってきている。
あまり原価が高くないので利益を乗せても一定の販売数を保てる。
取材していると店内にスーツ姿の集団が…
農林水産省の幹部でした。
農林水産省の天羽隆政策統括官、
シンガポールのドン・キホーテは日本とは違う事業展開で日本の食品を大きく輸出していると聞いた。期待して見せてもらいにきた。
安倍総理も期待!
今週から始まった通常国会。
その冒頭で安倍総理自ら語ったのが、
甘い「紅はるか」はシンガポールやタイで大人気。
サツマイモの輸出は去年4割以上増加した。
世界への挑戦を力強く後押しする。
国として農林水産品の輸出1兆円を目指すためにサツマイモに注目しているのです。
実はいまシンガポールでは街中の至る所で焼きいもが売られています。
アジアを中心としてサツマイモの輸出額はこの10年で12倍と急拡大。
そんな日本産が好物だというリチャード・タンさん。
リチャード・タンさん
どうやって食べているか見せてもらいました。
日本のイモは皮がきれいで洗わなくてもいい。
日本の農業のやり方を見たが安全で信頼している。
サツマイモは蒸しておやつ代わりに毎日食べるといいます。
いろいろな国のものを試した。インドネシア、シンガポール…
でも口に合わなかった。
スーパーで日本産のサツマイモがあると買う。
中でもタンさんがお気に入りだというのがイラストの入ったこの日本ブランド。
株式会社くしまアオイファーム
[blogcard url="https://aoifarm-gr.com/"]
一方こちらはサツマイモの生産地として知られる宮崎県串間市。
その町にあるくしまアオイファームは日本のサツマイモ輸出量のおよそ3割を占めています。
くしまアオイファームの池田誠社長、
この貯蔵庫には1,200トン。
ここは13度で湿度は85パーセント。
倉庫にはシンガポールで売られていた手の平サイズのサツマイモが。
実は元々捨てていたものだといいます。
小さいサイズのサツマイモは値段が安いから農家はもうからないので、やりたくないから捨てていた。
海外のスーパーでは700~800円で売られていた。
そこであえて小さなサツマイモを生産することに。
苗を植える間隔を狭くすることで小さなサイズを多く作ることに成功しました。
しかし海外への輸出には大きな課題も…
サツマイモは冷蔵して輸出するため気温が高い地域では結露が発生し、商品が劣化してしまうのです。
そこで開発したのがあのイラストの袋でした。
目に見えない穴がたくさんあり、中の湿度を外に放出する機能を持っている。
その結果、大量に輸出できるようになりました。
日本のサツマイモ輸出の今後については、
日本のサツマイモのポテンシャルの高さは実証されている。
そういうサツマイモを全世界に輸出していきたい。