シリーズ「緊急事態宣言下で…」。
新型コロナウイルスで大きな打撃を受けているのが世界中の航空会社です。
日本でも9割以上の便がストップするという状況で現場の乗員やスタッフ、航空会社の社員たちはどのような日々を送っているのでしょうか…
密着取材しました。
全日本空輸株式会社
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新型コロナの感染拡大でいま苦境に立たされているのが航空業界。
今回、大手航空会社の現役客室乗務員がテレビ東京の取材に応じました。
1ヶ月に2~3回国内線でフライトがあるかないか。
ほとんど自宅にいる。
客室乗務員は乗務しないと手当が付かない歩合制です。そのため収入に影響が…
フライト時間が短いので月5~6万円は減ってきている。
生活費とかがかかってくるのでやりくりが大変。
国内の航空業界の年間減収額は2兆円になると試算。
海外では経営破綻や人員削減の波も…
大半の航空会社が危機的状況です。
私達の解雇があるないか、そういった不安はある。
公共交通機関といえども解雇は免れないのかな。
羽田空港
緊急事態宣言下、ゴールデンウィークの羽田空港。
そこにはかつてない光景が…
離陸待ちの列ではありません、所狭しと止まったままで動いている機体は確認できませんでした。
ゴールデンウィーク中の国内航空会社の予約数は国内線で93%、国際線で98%も減少。航空需要が蒸発。
その一方で、この日も動き続けている現場がありました。
全日空の整備士、長岡貴之さん。かつてない環境の中、通常通り念入りに作業を行っています。
飛ばない状態が長く続くと飛行機の機械によくない部分がある。
時に電源を入れたり、油圧をいれたり、エンジンを回したり。
外に駐機している機体も放って置けばいいという機体ではない。
飛ぶ飛ばないに関わらずANAでは人件費や整備費などで毎月1,000億円がかかっています。
私も羽田に20年以上勤めているが、これだけの飛行機が地上にいるのは初めての経験。
率直に非常にさみしい。
いまは整備士として我慢の時。
そんな中、行われたのがこちら。
スタッフが運んでいたのはいま医療現場で最も求められているマスクや防護服などです。
稼働していない旅客機を使っての物資の輸送。公共交通機関として今できる役割です。
空港内では…
お客さんの状況はどうですか?
お客様も結構まばら…
羽田空港内の旅客サービスの責任者、久沢弘太郎さん。
欠航が並ぶ中、10時15分札幌行の便。
搭乗手続きが始まりました。
ここに感染リスクを減らす取り組みが。
従業員とお客様、両方の安全をしっかり守ろうという観点で付けた。
乗客と接するカウンターにはすべて飛沫感染を防ぐビニールシートを設置。
さらにカウンターの外では、マスクの上にフェイスシールドを着用して業務にあたっています。
今回、WBSのカメラが羽田空港内のバックオフィスに入ることを許されました。
そこで行われたいのは先程のフェイスシールド作りです。
現場のグランドスタッフたちが1つずつ手作りしていたのです。
発案者の佐伯麻帆さん、込める思いがありました。
早く収まればいいなという思いと、現場で働いている係員のひとりとして今できることを。
久沢さんに現場スタッフから新たな提案が。
いろんなお客さまの手荷物を触ってしまう。
そういうときに手袋の着用はとてもいいのかな。
手袋の着用はもっとエリアを広げたほうがいい。
カウンターとかでパスポートを触ったりもする。
消毒をしっかりした方がいいという話をしているが、手袋の方が安心できる?
ANAでは一時帰休者をグループ35社、4万2,000人までに拡大。
それだけにいま現場からの声を広く共有できるよう努めています。
いままで体験したことがないような環境。
まさに現場でどう感じているのか、しっかり話を聞いて取り上げていくのは非常に大切。
早速、久沢さん国際線のスタッフの下へ。
しっかりフェイスシールドをして、手袋もして手荷物の対応をよろしくお願いします。
国際線の手荷物を扱うスタッフには手袋の着用をさらに徹底してもらうことにしたのです。
新型コロナで一変した空の翼。
マニュアルを超える安全対策がいま求められています。
本当にいま、こうい状況は想像もできなかった。
日々見ていても信じがたい状況。
いま考えられることを一つずつやるしか空港のスタッフとしてはない。