
アメリカの6月の消費者物価指数は1年前と比べて9.1%上昇しました。これはおよそ40年半ぶりの高い伸びとなっています。詳しくニューヨーク支局の手塚明日香記者に伝えてもらいます。
アメリカ消費者物価 上昇が加速!40年半ぶり伸び率
ニューヨーク支局
手塚明日香記者

アメリカの6月の消費者物価指数は1年前と比べて9.1%のプラスと大きく市場予想を上回りました。そして前の月の8.6%からもさらに加速しています。
家賃などの住居費は1年前と比べて5.6%上昇しました。そしてエネルギーは41.6%上昇、食品価格も10.4%上昇するなど多くの項目が依然として高い水準です。
ニューヨーク支局
手塚明日香記者

私が今いるのはニューヨーク州の隣、ニュージャージー州です。
こちらのお店のショーウィンドウにはさまざまな時計が売られていますが実はこのお店は質屋です。
こちらの質屋を取材してみると物価の上昇でアメリカが景気減速に向かっていく予兆が見えてきました。
アメリカ ガソリン高で質屋に異変!質入れ急増 コロナ前水準に
ニュージャージー州にある質屋「ウィリアム・S・リッチ・アンド・サン」。創業130年のこの店、オーナーのサブロスキーさんは最近、ある異変が起きているといいます。
質屋オーナー
サブロスキーさん

質入れして借金をする人が急速に増えている。
短期間で約20~25%増えている。
新型コロナの感染が拡大して以降、バイデン政権による経済支援の影響で借金の申込みは減り、質入れの在庫も半分に減っていました。しかし、この3ヵ月で質入れが急増。在庫が一気にコロナ前の水準に戻ったといいます。
どんなものが借金の担保となっているのか、金庫の中を案内してもらいました。
質屋オーナー
サブロスキーさん

ここが金庫。ほぼ全てここにある。
引き出しの中にある封筒を開けてみると金色のアクセサリーが出てきました。なかには婚約指輪も。
質屋オーナー
サブロスキーさん

これは6月1日に質に入った。全部で1,300ドル分だ。
チェーン、ブレスレット、ネックレスやイヤリング、ほぼアクセサリーだね。
この日、生活に困ったお客さんが金のネックレスを質に入れに来ました。借りた金額は100ドル。およそ1万3,600円でした。
お客さん

私にとって思い出の品だ。質入れしなければならないことが悔しい。
ネックレスには亡くなった母親の写真が。一体なぜ質に入れるのでしょうか。
お客さん

ガソリン価格が高すぎて厳しい状況だ。こんなにひどかったことは今までない。
全米のガソリンの販売価格は1ガロンあたり4ドル台後半と1年前と比べて50%近く上昇。このガソリン価格の上昇がお客さんの生活に打撃を与えているとサブロスキーさんはいいます。
質屋オーナー
サブロスキーさん

ガソリン価格が急に1ガロン5ドルになって一度に100ドル払うことも。
収入が週に300~500ドルの場合、大きな出費だ。
しかも、食費、光熱費、全てのコストが急騰しているんだ。
アメリカ 消費者物価 上昇が加速!利上げペースへの影響は?
佐々木明子キャスター
質屋に来るお客さんが3ヵ月で20%も増えているとうことですから何となくアメリカの景気後退の予兆にも見えます。

ニューヨーク支局
手塚明日香記者

今回取材した質屋のオーナーはこの数ヶ月の在庫の増え方が2008年のリーマンショック後の景気後退の時と非常に似ていると話していたのが印象的でした。
6月のFOMC(連邦公開市場委員会)でFRBは通常の3倍となる0.75%の利上げを行う可能性が高いとみられていましたが、今回の消費者物価指数が市場予想を上回ったことで1.0%の利上げの可能性も出てきたと市場関係者は話しています。
FRBの積極的な利上げを受けアメリカでは住宅ローン金利の上昇に伴い、住宅販売も減少しています。
積極的な金融引き締めが消費者心理の悪化を招きつつあるようで、今後アメリカ経済全体に重大な影響を及ぼす可能性もありそうです。