新ロシア派武装勢力が占領するウクライナの一部の地域で9月23日、ロシアへの編入の賛否を問う住民投票が始まりました。ロシアによる完全な統制下にあり、賛成票が多数を占めるのは確実な情勢です。27日の投票終了後に即日開票され、その後、プーチン大統領が一方的な併合を宣言する見通しです。
ロシア編入を問う「住民投票」
ウクライナ 親露派支配地域で始まる
投票した男性

賛成。それ以外にない。
投票用紙に書き込んで透明な箱に入れる男性。
投票した男性

ロシアが私たちを受け入れることを望む。
ウクライナ南部のザポリージャ州とヘルソン州、そして新ロシア派が一方的に独立を宣言した東部のドネツク州とルハンシク州の一部地域で23日にロシアへの編入の是非を問う住民投票が始まりました。
新ロシア派のリーダーは住民にこう訴えます。
新ロシア派リーダー

今回の住民投票は歴史的な節目になる。よい結果を革新しているからだけでなくロシアとの統一によって私たちは故郷に帰る。
ただ新ロシア派ではない住民からは…
ヘルソン州の市民

私は住民投票に断固反対。ヘルソン州はウクライナ領だ。
ヘルソン州の市民

私の街は完全にウクライナに属している。
私たちの土地にロシア人の居場所はない。
投票は27日まで行われ、28日にも暫定結果が公表される見通しです。
プーチン大統領は結果を支持するとすでに表明していて、ロシアによるウクライナ領の併合は2014年3月の南部クリミア半島以来となり、国際的に厳しい批判を受けることになります。
届き始めた召集令状
IT関連の男性にも…
ロシアの戦況に影響を与える動きはほかにも。ロシア極東の街に集まる多くの男性。プーチン大統領が21日に発令した部分的動員令によって集められた人たちです。
集合場所ではあちらこちらで別れを惜しむ姿が。なかには目に涙を浮かべる人も…
ロシア
プーチン大統領

軍に勤務していたことがあり、経験を持つ者を優先する。
招集されるのは一定期間、軍での経験がある予備役で学生は含まれないとしています。動員されるのは30万人規模に上る見込みです。
こちらの男性のもとにも…
召集令状が来た男性

きょう午後3時に軍に来るように通達があった。
これが通達書類だ。
しかし…
召集令状が来た男性

兵役に就いたことも軍の経験もない。
男性はロシア最大手の銀行でIT関連の仕事をしているといいます。軍の経験が全くない人も招集の対象になっている可能性があります。
カザフスタンとの国境近くの街ではロシア国外へ脱出するためか、車が長蛇の列をなしていました。
ウクライナのゼレンスキー大統領も「ロシアが軍隊の崩壊を認めたようなものだ。戦争がロシア国民の家庭の中に入り込んだ」と指摘しました。