ネット通販世界最大手のアマゾンが7月10日の夕方に始めた有料会員を対象とする年1回の大規模なセール。
この「primeday」と名付けたセール、世界13カ国で一斉で行われるもので、まず最初に日本時間午後6時に日本と中国でスタートしました。さらにインド、ドイツやフランス、イギリスなどヨーロッパ各国、そして大西洋を超えてアメリカ、メキシコと順次始まることになっています。
アマゾンが過去最大の規模で仕掛けるこのセール、舞台裏を取材しました。
アマゾンジャパン株式会社
東京都内のアマゾンジャパン本社。会議室にはスタッフ約100人が集まっていました。
そして午後6時、アマゾンプライムデーが始まりました。
これは有料のプライム会員限定で数十万種類以上の商品を特別価格で販売します。
例えば1万6,200円のホームベーカリーが62%オフの6,210円。約40万円の55型の4Kテレビが38%オフの24万8,000円など、7月10日午後6時から11日午後11時59分までの30時間のセールで5分毎に新たなセール品が登場します。
セール開始直後、アクセスが殺到し一時つながりにくくなることもありましたが、気になる売れ行きは?
全部が100%で、いま77%がカートに入っている。
商品画像の下にあるグレーのラインが在庫率、全てオレンジ色になると完売です。
家電商品を中心にセール開始から10分足らずで完売する商品が相次ぎました。
そこに現れたアマゾンジャパンのジャスパー・チャン社長。
「手応えは?」
始まったばかりだが皆さんすごく頑張っていてお客様のために準備万全。
59%オフを求め・・・購入者を密着!
セール開始の少し前、取材班は都内に住む主婦、藤原茜さんのお宅へ。
このトイレットペーパー、ティッシュ、シャンプーなどをアマゾンで購入した。すぐ届く、欲しいときにすぐ届くのがすごくいい。
藤原さんは4年前にアマゾンの有料会員となり主に生活雑貨を月に数回購入しています。
お目当ての子供のオモチャやキッチン用品を求め今回、アマゾンのセールに初挑戦。
午後6時、友人と一緒に買い物開始です。
友人の柴田靖絵さん、
安いのは洗剤とか、1,890円が649円になって66%オフ。
藤原さんがお目当てだったスープジャーを見つけました。
買います!ポチッ!カートに入りました。参考価格が4,860円、セール価格が1,999円、59%オフ。欲しかったんです。買えた、良かった。
ところが、
お目当てのものがセールじゃないものの方が多かった。
と言う藤原さん、子供のために買いたかった遊具はセール対象外だったため「ついで買い」してしまいました。
年に1回じゃなくて、もう少しやってくれたらいい。
アマゾン・・・期間限定の店舗も・・・
2年前に始めた有料会員向けのセール。売り上げへの期待は高いといいます。
ジャスパー・チャン社長は、
注文数では2016年のプライムデーを2015年と比べると50~60%の成長。
売り上げ以上にアマゾンが狙うのは有料会員の獲得です。
実際、セール目当てで会員になる人は多いといいます。
プライムプログラムに入ることで幅広くいろいろなサービスを使ってもらえる。
そこで今年はこんな仕掛けも、今回、有料会員向けサービスを体験できる期間限定のショールーム「アマゾンプライムポップアップストア」を初めて開きました。
映画や番組の見放題や音楽の聞き放題などさまざまな有料会員向けサービスが体験できます。
日用品や食料品などざまざまな商品を1箱に詰めて290円の手数料で受け取れるサービスを見たお客様は、
これから高齢者が多くなるから便利じゃないのと話していた。
「アマゾンのプライム会員には?」
まだなっていない。どこが便利か見て面白ければ会員になろうかなと。
年に1度のセールで有料会員を増やし充実したサービスを通じてヘビーユーザーになってもらうという狙いがあるのです。
こうして会員のネット通販の利用率を上げることで売上高を伸ばしてきたアマゾン。
しかし、同時に物流量が急激に増えたことによって一部で指定日時に荷物が届かないなどのトラブルが生じたついては、
「遅延の問題は解決済み?」
実際に一部の問題が発生したこともあり、業者と一緒に問題点を出して解決できるところからやってきた。今は解決した。
アマゾン・・・中国でシェア1%!?
一方、この国でも、
中国でもプライムデーがスタートしました。実はこのプライムデー、中国では初めての試みです。
アマゾンチャイナ初の大規模なセール。2,000万点にのぼる商品の一部が対象で最大7割引にもなります。
ところが街の人は、
「天猫(Tモール)」や「淘宝」「京東」を使うけどアマゾンはめったに使わないわ。
アマゾンは一度も使ったことがない。「淘宝」はみんな使っている、使うのは「淘宝」ばかり。
中国でのEC(電子商取引)の市場は40兆円に上りますが実はアマゾンのシェアは1%にも届きません。
その理由は中国企業の存在です。最大手アリババが運営する「天猫(Tモール)」や「淘宝」、「京東」といった中国企業がシェアの大半を占めているのです。
果たしてアマゾンの勝算は?
アマゾンチャイナ広報部の司達部長は、
取り扱うブランド数、商品数は中国のほかのサイトより抜きん出ている。
アマゾンの強みは世界展開する中で培った商品調達力。中国国外のブランドの商品数は1,200万品目と他社を圧倒し日本の化粧品などが人気を集めています。
独自の物流網があるため国外の商品でも割安な価格で提供できるといいます。
さらにセールの時間を他の国より長い46時間に設定。中国での巻き返しを図ります。
アマゾンチャイナのプライム会員数は1年足らずで8倍以上と予想以上のペースで増えている。今回のセールを通して会員数のさらなる増加に弾みをつけたい。
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