アーチェリーをめぐり日本製の復活に挑むある町工場を取材しました。
株式会社西川精機製作所
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いまアーチェリーへの関心が高まっています。
都内のアーチェリーショップ「渋谷アーチェリー世田谷店」を訪れてみると…
渋谷アーチェリーの山本悠太さん。
「どこでできるのか」「やってみたい」という声が目立つようになってきた。
新たに競技を始めようと店を訪れる人もいるといいます。
そんな中、こちらの店内に並べられていたのは…
WIN&WINという韓国のメーカー。
こちらはホイットというアメリカのメーカー。
陳列された製品の多くが韓国製とアメリカ製でした。
日本では韓国メーカー製が約6~7割のシェアを保っている。
アメリカ製で約3割。
2004年のアテネオリンピックで銀メダルを獲得した山本博選手の弓は日本のヤマハ製。かつて国内では日本製の弓が多く使われていました。
しかしその後、競技人口の停滞などを背景に国内企業が相次いで撤退。日本製は市場から姿を消しました。
そんな中、再びアーチェリーの国産品を復活させる動きが…
すごいじゃないですか。
日本人選手の活躍を見守るこちらの男性。その傍らに1つの弓がありました。
西川精機製作所の西川喜久さん。
十数年ぶりに日本製を復活させた1号機。
こちらは西川さんの会社が手掛け、去年発売した日本製の弓です。
西川さんはおよそ10年前、初めてアーチェーリーに触れ夢中になりました。
しかし、自分の弓を購入しようとした際、国産の弓がないことに驚いたといいます。
自分の弓具をと思った時には市場に日本製がなかった。
そこはものすごく複雑だった。
僕らはそういう仕事をしているので、なんとか頑張ればつくれるのでは。
実は西川さん、江戸川区の下町で金属加工を行う工場を経営しています。
50年以上に渡って培ってきた技術を生かし、アーチェーリー製品の開発に乗り出しました。
その技術が生かされたのは矢を飛ばすためのパーツとハンドルを繋ぐ部分。こちらの凹んだ金属部分にあたります。
矢を放つ際にここでブレが生じると矢にも振動が伝わってしまい狙った場所から外れる可能性があるのです。
矢を放つ際の接合部の振動を限りなく少なくする。
振動をゼロに近づけるという振動を起こさせない仕組み。
金属加工の技術を使い接合部の隙間をなくすことによって衝撃を減らし、命中率のアップに貢献するかたちに。
度重なる改良を重ね、去年完成品「Sakura SH-02 H25」の発売に至りました。
国内メーカーの撤退から十数年後、町工場から復活した国産アーチェリー。
かつて多くを日本製が占めていた国内市場でシェア拡大を目指したいと意気込んでいます。
弓具を多くに人に知っていただき「日本の技術ここにあり」と示したい。
日本の選手が日本の道具を使って世界のひのき舞台で研鑽する。
そこがモノづくりの矜持だと思う。