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[WBS]追跡!新型"火災保険詐欺"被災者につけ込む手口とは[AIG損害保険株式会社]

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今週、山陰地方を襲った大雨による災害の様子です。豪雨や台風による浸水被害は毎年のように起きています。

こうしたときに頼りになるのが強風などによる被害や水害をカバーする火災保険ですが、実はいま全国の消費生活センターにトラブル相談が相次いでいます。

2020年度は2019年度のおよそ2倍に急増しました。誰もが巻き込まれるかもしれない新たな火災保険詐欺の手口を追跡取材しました。

AIG損害保険株式会社

[blogcard url="https://www.aig.co.jp/sonpo"]

2019年、台風15号により多くの家の屋根が飛ばされブルーシートが張られた千葉県鋸南町。

今でも家に戻れず仮設住宅で被災者が数多く残っています。

この被災地で人の弱みに付け込んだ火災保険詐欺が多発していました。

いっぱい電話がかかってきた。うちにも。

「台風の被害を受けて屋根壊れているでしょうから代わりに申請します」と。

目立つのは火災保険申請代行業を名乗る人物からの電話。

実際にはまったく支払われないケースもあり、地元の保険代理店には相談が相次いでいました。

渡保健センターの渡純一会長、

業者がまだ直っていない所を探しに来る。「何とかしてあげましょう」と言って。

そして今、新たな手口の詐欺が登場しているといいます。

AIG損害保険の湯元英利執行役員、

お客様が知らず知らずのうちに保険金詐欺を犯してしまうのが最近の傾向。

普通の人が詐欺とは気づかずに業者とタッグを組まされる新たな手口が急増しているといいます。

見せてくれたのは台風の被害を偽った写真です。

屋根の写真だが、少し変色したり、白くなっている。

台風の被害ではなく経年劣化によるもの。

また、別の写真では…

意図的に傷をつけたのかなと考えられる。

風で物があたると一定方向に傷がつくが行ったり来たりはしない。

最大限不正請求を排除するように努めているが、目をくぐり抜けているケースがまだまだある。

追跡取材を続けているとまさにこのタイプの詐欺にあった人に出会いました。

舞台となったのは2019年に大きな水害が襲った千葉県館山市。

友人から「館山に家があるなら自然災害が多いからきっと保険金がおりる」と。

「別に直さなくても30万~40万円入る」と。

「経年劣化でも大丈夫だ」と業者に言われ、話に乗ってしまった50代のAさん。

男性が埼玉から2人やってきて、屋根に上り写真を撮った。

「こちらのほうで申請するのでお任せください」と。

わずかに確認できる程度の傷を写真に撮った業者はAさんに代わって保険会社に対し台風による被害として40万円を請求。保険会社の審査を通り、Aさんに40万円が振り込まれました。

業者はそのうちの3割を手数料としてAさんから取っていったといいます。

「何も知らずに契約したと思うが、保険会社をだます形に該当するかもしれない。」

怖いです。ドキッとしてしまう。

知らず知らずにうちに詐欺に加担してしまったらどうなるのか弁護士に聞いてみました。

グラディアトル法律事務所の清水祐太郎弁護士。

仮に理解してなくても詐欺罪が成立する可能性がある。

10年以下の懲役になる可能性。

Aさんとしては受け取った保険金を保険会社に返金すべき。

さらに追跡を続けていると悪質業者で働いていたという人に話を聞くことができました。

「何の仕事をしていた?」

火災保険の申請サポートのテレホンアポインター。

去年、火災保険の申請代行業者で働いていたというBさん。

特に千葉県など台風があった地域に電話をかけていたといいます。

お客様に台風の被害がなかったと言われても住んでいる家は築何年かを聞いて、20~30年だったら「経年劣化でも火災保険はおりる」と案内していた。

こうした虚偽の説明を鵜呑みにするのは高齢者が多かったといいます。

この詐欺業者の雰囲気についてBさんは、

経営陣はみんな若くて、アポが取れたらみんなで「良し」「頑張れと」。

保険会社からしたら迷惑でしょうし、ダメなことでしょうが、「お金が欲しい」というお客様の気持ちも分かるのでなんとも言えない。

この業者は今でも神奈川県内で営業を続けています。

このような詐欺に巻き込まれないためにはどうしたらいいのでしょうか。

通常保険会社に請求してもらえば手数料はゼロ。まったくかからないので本来なら保険会社に相談してもらい、請求に努めてもらうのが一番。

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