
茨城県警の夜間パトロールの様子ですが、回っていたのは実は太陽光発電所です。いま日本各地で太陽光発電所での盗難が増えているといいます。茨城県だけでも去年のその数400件以上。いま一体現場で何が起きているのでしょうか、取材しました。
狙われる銅ケーブル!太陽光発電所の盗難対策
茨城県鉾田市にある太陽光発電所。2年前、盗難被害に遭いました。
つくば電気通信
稲葉駿さん

見えますか、ここにあるケーブルが全部盗まれた。
盗まれたのは発電した電気を送るケーブル。通常、伝導性に優れた銅線が使われています。
銅の価格は大量の銅を必要とするEV(電気自動車)の急速な普及などで2年ほど前から高騰。3月にはウクライナ危機による供給懸念から最高値を更新しました。
そのため転売を目的とした盗難が増えているというのです。
つくば電気通信
稲葉駿さん

銅単価が高騰してか盗難被害は増えている。ここの被害額は約1,000万円。
茨城県内で太陽光発電を手掛けるつくば電気通信ではおよそ40ヵ所のうち6ヵ所で同様の被害に遭ったといいます。
盗難を防ぐためこの発電所では新たに別のケーブルを用意しました。
つくば電気通信
稲葉駿さん

アルミケーブルを導入した。
アルミは銅に比べて伝導性は劣りますが、より多く束ねて太くすることで同じ程度の性能を確保できるといいます。
一方、価格は銅の3分の1程度。転売しても利益は少ないので盗まれにくくなると考えます。
新たな防犯システムの開発を手掛ける企業も。
全国で太陽光発電事業を行うafterFIT(アフターフィット)。社長の谷本さんは増加するケーブル盗難に危機感を抱いていました。
アフターフィット
谷本貫造社長

盗難があると発電所が全部止まってしまう。せっかく発電しても売電できない。
売ることができない状況になり多大な損失が出る。
どうやって広い発電所を守っていくのかが課題。
この日、ある実証実験が行われていました。
アフターフィット
谷本貫造社長

今から侵入者の実証実験をやってみましょう。
都内の本社と繋いでいたのは北関東の山奥にある太陽光発電所。
現れたのは不審者役の男性。ゲートを乗り越えて発電所に侵入します。
すると本社に…
アフターフィット 社員

今、電話がかかってきました。
音声案内
「発電所の人感センサーが反応しました」

アフターフィット 社員

じゃあ、スタートします。
パソコン上で捜査開始。
次の瞬間、発電所で動きだしたのはドローン。発電所の保守点検で使用していたドローンを防犯監視にも使えないか試していたのです。
市販のドローンに独自のシステムを搭載。不審者が侵入した場所に自動で飛んでいきます。
本社ではドローンが捉えた映像をリアルタイムで確認できます。
侵入者を見つけたら手動に切り替え、ドローンを捜査。
アフターフィット
谷本貫造社長

警告の音声を流してみましょう。
ドローン
「ここは立ち入り禁止です。速やかに退去してください。」

音声で侵入者に警告することもできるのです。
アフターフィット
谷本貫造社長

逃げてる、逃げてる。
これまでも防犯システムはありましたが増加するケーブル盗難を防ぐためドローンの機能を強化する考えです。
アフターフィット
谷本貫造社長

発電所に24時間、人を常駐させる。コストを考えたときになかなか難しい。
ドローンを自動で飛ばしていく。
センサーと組み合わせ、犯人を見つけるセキュリティーにする。
それでは夜はどうなのか。
暗闇でも侵入者を見つけられるのか、ドローンの実験が続いていました。
アフターフィット
奥村英樹さん

日中は完全無人で飛ばせることは分かっている。
実際に夜に必要な視認性や安全性を確認していく。
現在、夜間のドローン飛行に必要な立ち会いを遠隔操作に変えられないか、国の許可を得るためにアフターフィットはテスト飛行を重ねています。
ドローン

「ここは立ち入り禁止です。」
ドローンが暗闇の中で侵入者を見つけました。
ドローンに搭載された赤外線カメラにはっきりと姿が映っています。
アフターフィット
谷本貫造社長

セキュリティーと日常のメンテナンス。これをドローンで実現させ、低コスト化を目指している。