
外国為替市場では10月11日に円相場は一時1ドル145円台後半まで下落しました。こうした中、政府の水際対策が大幅に緩和され、大勢の外国人旅行客が日本を訪れています。円安を背景にインバウンド消費はどこまで回復するのでしょうか。
円安でインバウンド復活
観光地には早くも外国人客
10月11日も進んだ円安。円相場は一時1ドル145円80銭台まで下落し、政府・日銀による円買いの為替介入の直前につけた1ドル145円90銭に迫りました。
鈴木財務大臣

今後、為替に過度な変動があったら適切な対応をとるという考えに変わりない。
急激な円安が進む中、政府は10月11日に新型コロナ対策として実施していた入国時の水際対策を大幅に緩和しました。1日あたり5万人としていた入国制限を撤廃し、個人旅行も解禁されました。
東京・浅草には早速、外国人旅行客の姿が。
ドイツ人

6時間前に到着した。きょうが旅行の初日。
東京、京都、大阪に行く予定。
スペイン人

円安なのはすごくラッキーだった。
友人も円安を理由に日本への旅行を計画している。
アメリカ人

1ドル140円くらいですよね。
よりたくさんお金を使えるのでいい。
年初に1ドル115円台だった円相場は現在145円台まで円安が進んでいます。今年に入ってからおよそ21%の下落で、ドルベースで見ると年初より21%お得に買い物ができるのです。
韓国人が多く訪れるという福岡市の免税店「JTC福岡免税店」からも期待の声が…
JTC福岡免税店
パク・ミンウ店長

スタッフを増やしたり、お菓子の仕入れを増やしたりしている。
今後コロナ前並みにお客様が来ることを期待している。
コロナ前の2019年には外国人観光客は3,000万人を突破し、中国人観光客などによる爆買いを支えに消費額はおよそ4兆8,000億円に上りました。
政府は10月11日に観光立国に向けた会議を開催。円安を追い風に観光需要の回復を目指す方針を確認しました。
岸田総理

インバウンド消費については円安の効果も生かし、速やかに5兆円超を達成することを目指し、総合経済対策に向けて、集中的な政策パッケージをまとめてください。
インバウンド消費5兆円の目標を掲げた政府ですが、専門家は来年1年間のインバウンドによる消費は2兆1,000億円にとどまると試算しています。
回復が遅れる理由は…
野村総合研究所
エグゼクティブ・エコノミスト
木内登英氏

中国側のゼロコロナ政策の影響が大きい。
中国からの観光客の戻りが弱いと全体の観光客の戻りも弱くなってしまう。
全国旅行支援スタート
実質0円プランも登場
北海道・函館名物の朝市。
お客さん

最高!浜松から来た。
こうした観光地で訪日外国人とともに期待されているのが10月11日から始まった全国旅行支援です。
国内旅行代金の40%が割引されるキャンペーンで、交通付きでは1泊8,000円、旅行先で使えるクーポンは平日3,000円がもらえます。
ヤフートラベルやJR東海ツアーズなど旅行会社の予約サイトは10月11日に一時接続しにくい状況に。各社が集客を競う中、こんなプランを打ち出した企業も…
宿泊予約サイト
オーテル
富士茜音さん

値段を少し安くすることで実質ゼロ円で宿泊できるプランを作成した。
観光地などで仕事をするワーケーションに特化した宿泊予約サイトでは実質ゼロ円プランを企画。
栃木県日光にある鬼怒川のホテルの平日4泊5日、通常2万7,280円を今回2万円で販売。全国旅行支援で代金の40%、8,000円が割り引かれ、平日の4泊で1万2,000円分のクーポンがもらえるため実質ゼロ円になるというものです。
平日に仕事で連泊するというワーケーションの特性を生かしたこのプランをきっかけにサイトの利用者を増やしたい考えです。
宿泊予約サイト
オーテル
富士茜音さん

どこの施設も同じようにお得になる中で、どう目立っていくか。
ホテルにとっても完全に新しい需要にリーチできるのではないか。
全国旅行支援スタート
紅葉季節に期待と不安
一方、旅行支援と水際対策の緩和で期待と不安を抱える観光地も。
京都の観光名所、嵐山。秋の紅葉シーズンを前に観光需要の復活へ大きな期待を寄せています。
土産物店

観光客は増えている。修学旅行・一般の人・外国人もぜひぜひ元気な嵐山に戻ってほしい。
旅行支援は修学旅行にも適用され、平日は3,000円のクーポンが配布されます。
売店

すごく活気づいてきた、これから紅葉なので11・12月はすごく忙しくなると思う。
土産物を売る地元の店ではコロナ前の賑わいが戻ることを期待しています。
しかし、住民からは…
京都市民

以前はバスもいっぱいで食事に行っても並ばなければいけなかった。
あれに戻るのはちょっといや。
コロナ前に京都で問題になっていたのは観光客が押し寄せるオーバーツーリズム。訪日外国人など多くの観光客が訪れていた京都ではバスに市民が乗り切れないといったケースも続出しました。こうした負担を再び強いられるのではないかと住民からは不安の声が上がっていました。
この課題に対し、京都市は観光協会とともにライブカメラの映像や混雑具合を予測した地図などを公開し、観光客が分散する取り組みを進めています。
京都市
門川大作市長

混雑状況を予測・見える化する。本当に混雑しているところは10ヵ所もない。
そこから分散する取り組みを全力で進めてきた。しっかりいかしていきたい。