
今、農村や漁村に滞在する農泊が地方に外国人旅行客を呼び込む起爆剤になると期待されています。
政府も3月28日、農泊をビジネスとして展開する地域を2020年までに500ヶ所までに増やすことを閣議決定しました。
農泊は新たなインバウンドの柱になるのか?
最新の動きを取材しました。
梅農家 未来農園
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3月23日、カナダから来たピエールさん。今回、妻と一緒に日本へやってきました。
「今回、日本に何をしに来たのか?」
日本の昔ながらの暮らしを体験しに来た。
ピエールさん夫婦が向かったのは和歌山県で農泊が体験できる未来農園。
高垣幸司さん、妻の千代子さんと2人で農泊を営んでいます。
まず高垣幸司さんとピエール夫婦が向かったのはある畑。こちらでは和歌山県の特産物のミカンの収穫を体験できます。
ピエールさん、カナダにはないミカンに大興奮です。
さらに自分たちで耕してミカンの苗を植えました。
ワタシノ。毎年この畑に来るよ。
初めて日本の農作業を体験したピエールさん夫婦。体験はこれだけではありません。
高垣幸司さん、今度は2人を漁船に乗せました。
舟に乗ること焼く15分。ピエールさん、日本の漁業を初めて体験します。
すると、ピエールさんは見事にタイを釣りました。
釣ったタイは高垣幸司さん自らが調理をします。
夕食はタイの煮付けです
あなたが釣った魚よね。
STAY JAPAN
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ピエールさんは「STAY JAPAN」というホームページを見て来日。外国人旅行客が日本で体験できる「農泊先」を探すことができます。
未来農園の料金は農業と漁業の体験込みで1泊2食付きで1人1万3,150円。
年間300人以上が宿泊する盛況ぶりで、そのうち半分は外国人観光客です。
しかし体験、食事、宿泊を夫婦2人だけで手掛けることは負担に感じることもあるといいます。
高垣幸司さんは、
年末からお正月にかけては、すごく忙しい。人に手伝ってもらえないので大変。死ぬ思い出でやっている。
人気が高まる農泊、こうした中、一家庭の負担を軽減させようとする動きも出てきています。
美馬市
徳島県美馬市。山に囲まれたこの地域は高齢化が進んでいます。
お茶を栽培するなど農業が盛んな地域です。
そんな美馬市で農泊で外国人を呼び込むためのは話し合いが行われました。
そこに仕掛け人としてあ立ち上がったのが「STAY JAPAN」を運営す株式会社百戦錬磨の上山康博社長。
今回、従来の常識を変える提案をしました。
「体験」だけに特化、「食事」に特化、「宿泊」だけという形で、それぞれの皆さん方の得意分野に特化していただく。
これまでの農泊は「体験」「食事」、「民泊」を一家庭で抑えていましたが、株式会社百戦錬磨は負担を軽減するため地域全体で分担していくことを提案したのです。
体験は地域の特産物であるお茶の茶摘みを始めとする農業体験。
食事は地域に新たにレストランを建設し地元食材を使った料理を提供する予定。
宿泊場所は昔ながらの民家を外国人に楽しんでもらうため囲炉裏のあるリビングに改装しています。
「宿泊」担当の沖川しず子さんは、
自分一人でしようと思っても絶対無理。地域の人と一緒にやっていきたい。
地域全体で農泊するというアイデア。県もバックアップに動き出しました。
美馬市にある昔ながらの古民家を外国人が泊まれるように整備する考えです。
徳島県の飯泉嘉門知事は、
日本の原風景といわれる純和風、日本的な街並みを活用しない手はない。
農泊は地域経済を活性化させる起爆剤になるといいます。
株式会社百戦錬磨の上山康博社長は、
地方に海外の方がたくさん来て日本の地域の良さを理解し体験していただきたい。地域の活性化はインバウンドが大きなカギをにぎっている。