国連の食糧支援機関であるWFP(世界食料計画)の活動。
新型コロナの影響などで世界中で深刻化する飢餓との戦いが評価され今年「ノーベル平和賞」を受賞しました。
その活動は紛争や災害の現場だけでなく日本でも広がっています。

国際連合世界食糧計画
飛行機に次々に運び込まれる食料。


飛行機が目的地の上空に差し掛かると空から食料を落とします。

WFPの食糧支援活動のひとつです。

WFPは国連の食糧支援を行う機関として1961年に設立。

世界の紛争地や被災地を中心に88ヵ国でおよそ1億人に食料を届けています。

その最前線で働く日本人がいます。三澤康志さん(58歳)。

いま南スーダンの首都ジュバにいます。

南スーダンは2011年の独立後も内戦が続き、国民の3分の2が飢餓に陥る恐れがあるといわれています。


過酷な環境や苦労したことは結構ある。

2013年12月に内乱が起きて事務所が略奪されて大変なことに。

4~5ヵ月テンス住まい。

さらに頻発する洪水も悩みのタネ。水陸両用車で支援先に向かうこともあります。

そんな彼らに・・・

ノーベル賞委員会のレイスアンデルセン委員長、
2020年のノーベル平和賞はWFP(世界食糧計画)に決まった。

みんなで写真を撮って喜んだ。

WFPの知名度が上がったのがうれしい。

友人にWFPで働いていると言ったら「プロレスの団体ですか」と聞かれた。

と語る三澤さん。
ノーベル平和賞をきっかけに日本人にも知ってほしいことがあるといいます。

日本の食品ロスの大きさ。

世界には食糧不足で苦しんでいる人がたくさんいる。

少しでも食料を大事にしてほしい。

株式会社日本フードエコロジーセンター
日本の食品ロスの実態をリサイクル工場に見に行くと・・・

捨てられた米などが家畜のエサに加工する機械に投入されていきます。

日本で廃棄される食品ゴミはWFPが世界で支援している食料のおよそ1.5倍にのぼります。

日本フードエコロジーセンターの髙橋巧一社長、
今日が賞味期限なので今でも食べられる。

しかし、このようにリサイクルされる食品ゴミはごく一部だといいます。
税金を使って焼却炉で燃やしている食品廃棄物が圧倒的に多い。

有限会社ビッグイシュー日本

日本のWFPはこうした改題の解決にも取り組んでいます。

先月までゼロハンガーチャレンジというキャンペーンを実施。

SNSに余った野菜を漬物にしたなどの食品ロス削減につながる内容を投稿すると協力企業からWFPの活動に寄付される仕組みです。

そのWFPのキャンペーンはお店にも広がっています。

東京・目黒区の閉店間際のベーカリー「満寿屋商店 東京本店」。
小麦やチーズなど北海道産素材にこだわった人気店ですが・・・

満寿屋商店の高濱千尋さん、
選ぶ楽しみを残したいのでパンを可能な限り焼いている。

どうしてもパンが残ってしまう。

この日はこれだけのパンが残りました。

すると、
夜のパン屋です。

「夜のパン屋」と名乗る男性がパンを受け取ります。
どきに持っていくのか?
するとある店の前でカバンを開け、パンを取り出し始めました。

これは書店の軒先で営業する「夜のパン屋さん」。

食品ロス削減に賛同するベーカリーから売れ残った商品を買い取り、割安な価格で販売しします。

WFPのゼロハンガーチャレンジのパートナーとして先月オープンしました。

廃棄されるのは作った人にも申し訳ない。

おいしいパンが食べられて参加できるのが素敵。

この日は開店から1時間でパンは完売。

今後、店舗を増やしていく考えだといいます。
夜のパン屋さんの枝元なほみさん、
小さい商いだが大量消費・大量廃棄の世の中を変える小さい一歩になったらいい。

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