小野寺元防衛大臣に聞く!
ロシアとどう向き合うべきか?
企業に広がる脱ロシアの動きですが再度確認していきます。
アメリカのアップルやスウェーデンのH&Mなどはロシアのウクライナ進攻を深く懸念している、暴力に苦しむ人々と共にあるなどの声明を出し、自社製品のロシアでの販売の一時停止を打ち出しています。

そして、続いてい日本企業です。WBSはロシアで事業を展開する日本企業に緊急アンケート調査を行いました。その回答の一部を紹介します。

まずトヨタ自動車は一刻も早く平和で安全な世界が戻ること願う。広く校正な視野で事態を見極め、供給問題からロシアの工場の稼働を当面の間停止としています。
そしてユニクロを展開するファーストリテイリングは事業は継続、今後は状況を見て判断。
さらにソニーグループは映画事業でロシアでの新作の公開の中止を決めています。今後については状況を確認して対応としています。

改めて日本企業の声明を見てみると企業としてロシアの行動を非難する対応は取られていません。状況確認にとどまっています。今後、日本企業はロシアとどう向き合うべきだと考えるか?
元防衛大臣の小野寺五典氏。
今回、国と国の関係もあるので全面に出るのはまずは国の姿勢だと思う。日本政府はG7の中で早いうちにロシアに厳しい対応を取り、いまも足並みをそろえて対応している。国際社会からは評価されていると思う。
企業に関しては始まってすぐなのでいろんな状況を見て独自の判断をすることが大事。政治の方向からこうしなさいというよりは企業の判断に任せる。
SWIFTの停止などさまざまな決済が難しくなっている、部品の供給が大変になっている、実際の企業活動事態も大変になっている部分もあると思うので、そちらの状況を聞きながら経産省含めてどういう支援をしていくかも大事。

サハリン資源開発の今後は?
日本は液化天然ガス(LNG)のおよそ8%をロシアから輸入している。イギリスの石油大手シェルがロシアの石油・ガス開発事業サハリン2から撤退表明をしたが、この事業には三井物産、三菱商事など日本から参加して、日本に輸出することになっているが、このあたりはどう判断すれば?

LNGの輸入をしているドイツもまだ稼働していない「ノルド・ストリーム2」は止めたが、「ノルド・ストリーム1」は動いている。エネルギーの問題については自国の国益を考えて賢く対応している。今回のSWIFTから排除する金融機関に対しても、その決済ができないような対応は取っていません。
日本が先走って気がついたらG7の中で日本が経済的に一番失敗したということにならないように制裁は大事だが返り血はある。G7と足並みをそろえながら考えていくべきだと思う。
EUやアメリカはロシアの航空機の領空内飛行を禁止しているが?

禁止するとロシアも自分の領空を飛ばさないということになる。日本の航空路はヨーロッパに行くにしてもアメリカに行くにしてもロシアの上を飛ぶことが多い。それを無視できなくなると相当の遠回りをすることになる。一回で行けたのがどこかで給油が必要になったり、コストも時間もかかるようになる。日本から行けなくなるだけでなく、今後オミクロンが収まっても世界からインバウンドも来れなくなる。
EUはエリア内で飛べればいいのでロシアを飛ぶ必要はない、アメリカには大西洋から行ける。
先走ると日本が一番困る事態もあるので賢い制裁をしっかりしたほうがいいと思う。
北方領土交渉どう進める
北方領土交渉は今回ロシアに強い態度で臨むと交渉に影響が出ると見られるが?
今までロシアと融和的に交渉して結果的には何も返ってこなかった。ロシアはそういうスタンスだと今回ではっきり見るべきだと思う。
いまウクライナの中のクリミアがロシアにより不法占拠され、東部も不法占拠されているが、日本は70年前に北方領土をロシアの力によって不法占拠されている。
これを機会にG7や国際社会にしっかり伝えることによって日本もそういう問題があったと初めて世界が気付いて、今度は世界の声を後押しにして北方領土の問題を解決に結びつけるいいチャンスだと思う。
「核共有」議論進めるべきか?
いま核兵器の共有について議論が始まっているがどう考えているか?

いま日本は核の傘でしっかりアメリカと組んで同盟関係を支え合っている。そこは一番に確認すること。
今回ウクライナが核で脅かされている。ウクライナが核の傘に入っていないからということだと思うので、日本でこういう議論が起きるとすれば責任はロシアにあると思う。ロシアが核の発言をしなければ日本国内で核のシェアリングのような議論も起きないと思う。
ロシアに早くこのようなことを止めて欲しいと思う。