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[WBS]職域接種を支える!200年前の”技術”と町工場[ツインバード工業株式会社]

ワールドビジネスサテライト(WBS)

新型コロナワクチンの職域接種が始まってから間もなく1ヵ月になりますが、ワクチンの保管に最も使われているのがこちらの冷凍庫です。

この冷凍庫に使われているのは埋もれたままになっていた200年前の技術だといいます。古い技術に光を当てた中堅企業のモノづくりを追いました。

ツインバード工業株式会社

ツインバード工業株式会社
ツインバードは、1951年にものづくりのまち新潟県燕三条に創業した家電メーカーです。

7月5日、東京・足立区にあるタクシー大手、日本交通の千住営業所。

事務所の2階で行われていたのは、

腕はしびれていないですか?

大丈夫です。

新型コロナワクチンの職域接種です。対象となるのはタクシーの乗務員やその家族、およそ1万人。

不安な状態で乗務に当たるのも怖いので、こういう形で接種できるのはありがたい。

職域接種で使われているのがアメリカ・モデルナ製ワクチン。

ワクチンを保管しているのがこの小さな冷凍庫です。

1台に最大2,400回分のワクチンが入り、マイナス20度で6ヵ月間保存できます。

実はこの冷凍庫、あるメーカーが厚生労働省の依頼を受けて作ったモデルナ製ワクチン専用冷凍庫なのです。

そのメーカーとは新潟県燕市にあるツインバード工業。

冷蔵庫や調理機器などを製造する中堅の家電メーカーです。

厚生労働省から製造の依頼を受けたのは去年の夏でした。

ツインバード工業の野水重明社長、

厚生労働省の皆さんの「国民の命を守るためにやっている」という言葉に非常に感銘を受けて。

それであれば「私たちもやってみよう」と。

すぐに4億円をかけて生産ラインを増設。

今年4月までに1万台を製造し、職域接種のスタートに間に合わせたのです。

非常に軽量、コンパクトで極めて精密な温度制御ができる。

消費電力は40ワット。車のシガーソケットからも電源を取ることができます。

振動にも強く、運搬することが可能です。

ツインバードが開発したこの冷凍庫、実は200年前に発明された空気の膨張を利用する技術が使われています。

それはスターリングエンジンと呼ばれる技術で19世紀初頭、スコットランドのロバート・スターリングが発明しました。

これは100年近く前、日本で研究用に使われたスターリングエンジン。

右側は空気を加熱するシリンダーで、右側が水で冷却するシリンダー。

双方のシリンダー内に閉じ込められている空気をそれぞれ加熱・冷却することで空気が膨張と収縮を繰り返し、ピストンを動かすことでエネルギーを生み出します。

仕組みがシンプルで熱効率に優れているという利点がありましたが、より大きなパワーが得られるガソリンエンジンの登場によって普及することはありませんでした。

ツインバードは独自の技術を獲得するためこのスターリングエンジンに注目。

そして1998年、この技術を使った冷却装置「スターリングクーラー」の開発に乗り出し、5年後に世界で初めて量産化に成功したのです。

その実力は・・・

スイッチを押すとわずか2分31秒でモデルナ製ワクチンを保存するマイナス20度に到達。

そして6分半ほどでマイナス100度に。

このスターリングクーラー、マイナス273度の絶対零度まで冷却できます。

少ない電力でこの冷却性能を支えているのがリニアモーター。1秒間におよそ80回という高速でピストンを動かすことで急速冷凍できるのです。

そのスターリングクーラーは意外なところで使われています。

それは国際宇宙ステーションの実験棟「きぼう」。

消費電力が少ないスターリングクーラーの技術がJAXAに評価され、2013年から使われています。

潤滑油を使わないので宇宙空間でどのような位置でも正確に温度を制御することができるので宇宙開発にも適している。

実はスターリングクーラーの部品作りは金属加工を得意とする地元、燕三条地域の中小企業が担っています。

ハシモトの橋本健治専務、

世の中の皆さんのためになっていると思うと個人的にもうれしい。

200年前に発明された原理が日本のモノづくりの技で製品化され、いまワクチン専用の冷凍庫として職域接種を影で支えているのです。

海外に目を向けるとワクチン接種が進んでいない国や地域があるので、この技術を使って役に立ちたい。

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