六花亭製菓株式会社
六花亭とは1933年創業の北海道を代表するお菓子メーカー。
超ロングセラー、看板商品の「マルセイバターサンド」や甘酸っぱい「ストロベリーチョコ」など、お土産で貰ったことあるって人もいると思います。
そんな六花亭の儲かる秘密を探るべく本社へ。
すると北海道のカメラマンから意外な言葉が・・・。
初めてです。本社の撮影は来たことないです。
27年業界やってるけど本社は初めてです。
どうやらお店の撮影はしたことあるけど本社となると滅多に許可が下りないらしい。
ご丁寧に出迎えてくれたのは、
前社長です。
2年前まで六花亭の2代目社長で、今は食文化研究所の所長を務める小田豊さん。
でも何で、今回取材を受けてくれたのですか?
糸井さんに言われたら・・・出ないと番組にならないじゃないですか。
以前、糸井さんと一緒にお仕事をする機会があり、それ以来の仲良しだとか。
その糸井さんのお願いってことで、特別に取材をOKして頂いたわけです。
製品開発会議
小田さんのご厚意により今回限りってことで六花亭で一番重要だという製品開発会議を見せていただくことに。
集まったのは製品開発部のメンバー、湯浅取締役、石田取締役、馬渕相談役。
「商品の開発は基本的に小田さんが決める?」
決める。
六花亭のお菓子づくりは社長を退いた今でも小田さんが全責任を負っています。
まずは「マルセイバターケーキ」から、でもこれってすでに大人気商品なんですが・・・。
どんなに定番商品になっても人気にあぐらをかかず常に改良をし続けているとか。
あ~いい感じだ。
なかなか好感触。でも、
焼き色入っちゃったんだ。
えぇ。
もう一息だな。
はい・・・。
今まで蒸していたバターケーキの生地、大胆にチェンジして焼いて作ったらしい。
ところが、
「焼き色というのは?」
焼きすぎてはダメ!
改良品の方には若干、茶色いところが・・・。
もうひと息だね。
六花亭のお菓子には食感、のどごし、香り、この3つのバランスが最も重要なんだとか。
「お菓子自体のデザインはどうなんですか、凝ったデザインはやらない?」
ダメです。素顔に自信がないから化粧するんです。
すっぴん勝負!
急所を突いたお言葉。
その通り、地道な積み重ねが六花亭の真髄なんですね。
こうした試行錯誤を繰り返しながら商品を進化させていくのです。
大体食べ物は最近まずくなったねって言われるのが普通で、「美味しくなった!」という人はいない。
まずくなったと言われないようにするためには、こういうこと(現行品の改良)をつづけなくちゃいけないんですよ。
社内誌
そしてお昼休み、食堂では従業員さんが何か熱心に読んでいます。
六輪っていう社内誌。
六花亭の社内報「六輪」、実に10ページ以上、それが驚くことに毎日発行されています。
誌面には社内の清掃に「百均で見つけた歯ブラシ逆さL字型です。気になる端っこにバツグン!」とこうしたらいいなどという従業員一人一人が気付いた情報が載っています。
六花亭には1人1日1情報制度というものがあり、従業員が毎日1ネタ231文字以内で提出しています。
そのレポートが山積みに・・・。
「社員からのレポートは1日にどれだけ集まるのですか?」
今日は761枚。
「761枚全部チェックする?」
はい。
毎日700枚以上届く情報から担当者が80枚ほどを選び出し。特に気になったものにはコメントを書き足すってヒマな人がいたもんだ・・・。
え?はい、社長です。
えっ社長!ですよね、貫禄が違いますもの!
六花亭の社内報は毎日、佐藤哲也社長自らの手で、
「全部見るのにけっこう時間掛からないですか?」
4時間半から5時間くらい。
「5時間?そんなに!?」
この社長チョイスの情報が六輪の誌面を飾り毎朝全従業員に配られるんです。
現場の問題点・不満が上がってくることもありますから、改善策を打つ材料にももちろんなります。
六花亭の従業員は、
私たちのことも分かって頂けるんでいい会社だなと思います。
従業員で初対面の人でも普段、新聞(六輪)でその人の書いたことを読んでいるので、なんとなく初めて会った気がしない。すぐ打ち解けられる。
商品づくりや従業員とのコミュニケーションを徹底的に追求している六花亭。
現在、その年間売上は200億円。
六花亭はおやつ屋でがっちり!
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