ランチの激戦区で人気を集める店があります。
その味を支えているのは意外な人たちでした。
マンゴツリーキッチン「パッタイ」
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東京駅の駅ナカ。そこにお客様の絶えない人気のお店があります。
それはタイの焼きそばです。
しかし、その美味しさを支えていたのは日本の農家でした。
店の名前は「パッタイ」。
パッタイ
パッタイとは米の麺で作るタイの焼きそばのこと。タマゴやもやし、ニラなどと一緒に炒めます。
1皿780円。
タイ料理ですが日本人の舌にも合うマイルドな甘辛さ。
しかし、一番の人気の秘密がこの麺にあります。
新しい食感。
すごいモチモチでおいしい。
統括シェフの天野中さん、
これが米麺。うちの会社独自で作っている生麺。
株式会社自然芋そば
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麺を作っているのはタイではなく米どころ新潟県上越市。
ここは地元の製麺所です。
早速その麺を作っていました。
米そのものを水と一緒に石臼で挽きます。こうして出来るのが濃厚な米汁。
それを蒸してシート状にします。
カットすると麺になります。
自然芋そばの松村正浩さんは、
タイ製の機械でタイと同じような製法で作っている。
普通、うどんやそばは粉から練って作りますが、米そのものから作ることでなめらかになるといいます。
その原料となる米は、
越のかおり。
越のかおり
「越のかおり」は新潟・上越で作られるブランド米です。
その越のかおりを作っているコメ農家の所山正隆さん。
実はこの米、もともとごはん用として開発されましたがある欠点がありました。
炊いた直後はいいが、30分たつと固くなって食べられない。
普通のコシヒカリと比べると越のかおりは白っぽいのが分かります。
白い芯のように見えるのはアミロースというデンプンの成分の一つ。コシヒカリの2倍近く含まれています。
アミロースが多いとタイ米などでいわれる「パラパラ感」が強い。
アミロースが多いと粘り気が少なくなります。そのため固いごはんになるのです。
しかし、この弱点が麺になると一変します。
粘り気が少ないので茹でても溶けずに丁度よいモチモチ感になります。
この店を運営する会社は現在、系列の19店舗でこの麺を使った料理を出しています。
実は越のかおりは一時生産を止めていましたが、取り引きが始まったことで復活。
ここ数年で生産量は10倍に。
ありがたい。年々、米の需要が減ってきている。これから農場経営していくための一つの目標になるのではないか。
タイ料理とタッグを組んで復活した日本の米。
その美味しさがさらなる行列を呼びます。