
いまマーケットで起きているリアルな事柄をお伝えするMarketリアル。
今回取り上げるのは岸田政権が子育て世代の支援や保育士の待遇改善などを掲げる中で注目し始めたポピンズホールディングスです。

全国で保育サービスを手掛けるポピンズ、実は去年12月に東証一部に上場。
国連が提唱するSDGsに沿った事業に資金を使うSDGs-IPOの国内初の事例とされました。
その株価は上場後は5,000円近くまで値上がりしましたが、その後夏以降は乱調な動きとなっています。

今後どんな戦略に打って出るのか親子2代の女性経営者を取材しました。

株式会社ポピンズホールディングス
[blogcard url="https://www.poppins.co.jp/hldgs/"]
東京・渋谷区。

マンションの一画にポピンズが運営する認可保育園「ポピンズナーサリースクール恵比寿南」。通うのは0歳から6歳までの園児およそ100人。

このクラスは沖縄の美ら海水族館とオンラインで映像をつないで魚について勉強中です。

ポピンズナーサリースクール恵比寿南の折原麻衣子施設長。
コロナ禍でオンラインを通して何かできないかと始めて保護者と子供の意見を取り入れながら楽しんで取り組めるよう活動を進めている。

GO AWAY せーの!

こちらの遊びながら英語のレッスン。

ポピンズはこうした保育施設を全国で320ヵ所以上運営しています。

ポピンズの売り上げを見てみるとおよそ8割が保育施設の運営。残りの1割程度が在宅での保育や介護サービスです。また大手企業など700社以上と法人契約を結んでいることも強みです。

そして2020年12月、東証1部上場を果たし、国内初のSDGs-IPOとして大きな注目を集めました。


その狙いを聞くため本社を訪ねました。

出迎えたのは2代目経営者の轟麻衣子社長。

ポピンズは母親の中村紀子会長が35年前に創業。その後継者として娘の轟氏が3年前に社長に就任しました。


「女性2代の経営者の上場は珍しい?」
稀有ですね。

われわれが初なのではないかと投資家にも指摘された。

事業にようやく光が当たり始めた。

もっと公の器として問題を解決していきたい。そのひとつの手段が上場だった。

中村会長にも聞いてみると…

働く女性の推進や社会課題の解決といったものでやってきたことがSDGsのど真ん中にある。

それが私たちの経営方針であった。時代がついてきたなと。

その言葉通り、上場の初値は2,600円台でしたが5月には5,000円目前にまで上昇しました。しかし、新型コロナの影響が想定以上となり8月に通期の見通しを下方修正、株価は一時3,000円を下回る水準まで下落しました。

アップダウンはあるが、私たちの中では順調に推移していて、公開価格より上がっているので中長期で見ている。

その自信の裏にあるのは長い海外での経験です。
12歳でイギリスに留学。25年間を海外で過ごしてきました。

金融のメリルリンチやシャネルなどでビジネスの経験を積んできたのです。

海外では当たり前の選択肢としてあるベビーシッター、ナニー、在宅介護など私はそれを見てきているし、子育ての当事者でもある。

働く女性の支援が上場企業として成長できるかを丁寧に説明する。

これがラストチャンスだと思っている。

轟社長が自信を見せる今後のポピンズの成長の柱。それが訪問型ベビーシッターサービスです。

ベビーシッターのことを「ナニー」と呼び、ナニーはイギリスで訪問型保育サービスの専門家として国家資格に認定されています。


加藤典子さんは26年のキャリアを持つベテランのナニーです。

こちらのお宅では子供が生まれたときからお世話を続けています。

1時間あたりの費用は3,520円で3時間から派遣が可能。これとは別に月ごとの会費などがかかります。

子供が主体性を伸ばすのをどうサポートするかを特に気を付けて世話をしている。

ポピンズではこのナニーに特別な研修制度を設けています。

それがスーパーナニー。

基礎研修の後、本場のイギリスで導入されている赤ちゃん型ロボット使った訓練や、訪問先に見立てたマンションの部屋での実地訓練を重ね、厳格な審査の後に認定します。ポピンズではこのスーパーナニーの養成に力を入れています。

クオリティの高いベビーシッターサービスの提供でビジネスとしての利益率を高めていく狙いです。

「ポピンズのナニーは料金が高いのでは?」
実はそうではない。

"安かろう悪かろう"は命を預かる世界では危険。

安心安全を担保するためにはしっかりとした採用や研修が必要。

それを担保するからこそコストがかかる。

現在6,000人の従業員がいますが、女性の再就職も多く、管理職に占める女性の割合はおよそ8割に及びます。

今回の上場により、人材もさらに多様化したといいます。
いままでは保育の会社という位置づけだったが上場したことによって東証1部上場の企業ということで今までは検討してもらえなかった分野からも応募してくる。

そんなポピンズに政策の追い風が。

ベビーシッターの派遣には国からの助成金も適用されるようになりました。

女性経営者の目線で働く女性をサポートする新たなサービスを目指すといいます。
国が保育や介護サービスを後押ししてくれる時代がようやくきた。

国が後押しをしてくれることで人の意識や文化が変わる。

働く女性を支援をするサービス。

その切れ目のないサービスを展開するのが私たちの使命。
