10月31日に投開票された衆議院選挙では岸田総理大臣が率いる自民党が絶対安定多数の261議席を獲得しました。
この結果を受けて日経平均株価は700円以上上昇しました。
新型コロナで打撃を受けた日本経済は今後回復となるのでしょうか。
自由民主党
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岸田総理。
岸田政権のもとでこの国の未来をつくり上げていってほしいという民意が示されたことを大変ありがたく、また身が引き締まる思いで受け止めております。
苦戦するという見方もあった中で安定した強さを見せた自民党。今回自民とは261議席を獲得し、国会を安定的に運営できる絶対安定多数を確保。一方、野党共闘で挑んだ立憲民主党は公示前から14議席減らし96議席という結果になりました。
伊大知明宏記者。
自民党が絶対安定多数を確保し、マーケットでは政治不安が後退。今日の日経平均株価は750円以上上昇しました。
安定した政権運営への期待から株価は上昇。上げ幅は今年2番目の大きさです。
経済界からは…
経団連の十倉会長。
内外に課題が山積しているので強力で安定した政治体制が築かれたことは経団連として非常に歓迎したい。
一方、コロナ禍で苦しんだ飲食店。時短営業などを度々求めてきた自公政権が信任を得た形ですが…
飲食店を経営するワンダーテーブルの秋元巳智雄社長。
自公政権のほうがある程度、見通せる部分がある。
野党の提言は国民の生活目線が多いので経済面や飲食店の支援面でまだわからない。
いままでの延長で飲食店支援のお願いを今後もしていきたい。
海外の受け止めは…
ワシントン支局の中村寛人記者。
今朝のアメリカの新聞ですが国際面を大きく使って与党が過半数を維持したと伝えています。
ウォール・ストリート・ジャーナルは岸田総理は「長期政権を築き、中国や北朝鮮の脅威に対処するための強固な基盤を得た」と論評しています。
一方の中国…
中国外務省の汪文斌報道官。
われわれは日本側が両国関係の経験と教訓を真摯にくみ取り、行動を持って日中関係の安定的な発展を守り、促すことを希望する。
台湾や新疆ウイグル自治区の人権問題などをめぐり岸田政権の出方を注視しているようです。
政治の安定に歓迎の声が上がる中、専門家からは厳しい指摘も…
ピクテ投信投資顧問のシニア・フェロー、市川眞一氏。
岸田総理が掲げる「成長と分配の好循環」は非常に素晴らしいことだが、それをどうやって実現するかはまだ見えていないので評価のしようがない。
日本経済の成長のため今後、岸田政権が取るべき政策については…
一番大事なことは雇用制度の改革。日本は終身雇用制が前提になっていて。
成長産業に人がシフトしていく。そういう流れを作っていかないと日本で賃金あがって内需的で経済が成長していくシナリオは描けない。
田中瞳キャスター。
「そこに岸田政権が飛び込んでいけるのか?」
総裁選、総選挙で公約とされてなかったことについて新たに急浮上するかというとなかなか厳しいのではないか。
自民党幹部が大勝利と評価する衆院選から一夜明け…
利光泰輔記者。
衆議院選挙から一夜明け、党幹部が続々と党本部に入っていきます。その評定は一様に安堵したように見えます。
一方、懸念も…
岸田総理に笑みを返しつつもどこか浮かない表情の甘利幹事長。
自民党現役幹事長としては初めて小選挙区で敗北しました。比例で復活当選し議席は死守したものの…
大熊智司記者。
自民党の甘利幹事長の選挙事務所前です。ひっそりと静まり返っています。
11月1日、甘利幹事長の選挙事務所を訪れると入り口の扉や窓は固く閉ざされていました。
おきゅうをすえて、甘利さんに。
はっきり謝っちゃえばよかったの最初に。ちゃんと説明責任を果たして。
辞任する意向を固めた甘利幹事長の後任について岸田総理は11月1日におよそ3時間総裁室に籠もり後任に茂木外務大臣を充てる人事を固めました。
「どんな幹事長になりたいか?」
茂木外務大臣。
みんなから親しみを持ってもらえるような幹事長になりたい。
実は今回、大物議員が次々と敗北する事態に、元幹事長で派閥のトップを務めるこの人も…
自民党の石原元幹事長。
本当に大将として申し訳ない。本当に申し訳ございませんでした。
平井前デジタル大臣は小選挙区で敗北に。
小選挙区では敗れたが仕事させてもらうチャンスをいただいた。
今しばらく期待に応えるために仕事せよと天が決めたと思う。
この人も…
自民党の桜田五輪担当大臣(当時)。
れんぽうさんの言う通り検討…
立憲民主党の蓮舫氏。
れんほうです。
いしまき市、いしのまき市で…
度重なる言い間違いでオリンピック担当大臣を辞任した桜田氏も小選挙区で敗北。
このような結果になってしまったこと謹んでおわび申し上げたい。
結果に関していろいろな理由があるが、全て私の責任に発するもの。
大変ご尽力いただいた皆様に心からおわび申し上げたい。
さらに緊急事態宣言中に銀座のクラブ通いが発覚した元自民党の松本純氏も落選しました。
有権者の皆さまの非常に厳しい判断を頂戴した。
真摯に受け止めたい。
ベテラン勢が苦戦する中…
初当選した自民党の土田慎氏(31歳)。
足立区、日本、次の世代のために全力で働いてまいります。
ありがとうございます。
平成2年生まれ、31歳の若さで初当選した自民党の土田慎氏。
11月1日に事務所を訪ねると…
ありがとうございます。
支援者へのお礼の電話に追われていました。
街宣車の運転と名司会ぶりを…
支援者。
任せろよ、俺たちに。
中小企業のサポートや高齢者の労働支援などを手掛けたいとする土田氏。ただ、若者世代にツケを回す財政運営には厳しい目を持っています。
いくらでも赤字国債を発行して日銀が印刷して返せばいいという議論は将来に対する責任逃避。
将来に責任があるからこそ嫌われて反発があるかもしれないがコツコツ地道に必要なことに取り組む姿勢が大事。
この人にも厳しい目が…
私が言うのも僭越だが小選挙区で落選されて。
自民党全体として振り返ってこれから変えていかないといけない。
「誰がいい、幹事長には?」
それはパスでお願いします。
世代交代も多く見られた今回の衆院選。ただデータで見ると実は当選者の平均年齢は55.5歳で前回より上昇。女性候補の割合も減りました。
一方、番狂わせは野党でも。
立憲民主党副代表の辻元清美氏が硬い地盤を持つ大阪10区で落選。比例復活もできませんでした。
維新の大きな力があるということで大きな風を感じた。
辻元氏に勝利したのは日本維新の会の新人、池下卓氏(46歳)。
「辻元氏から以前『眼中にない』とも?」
眼中にないんやったら目にもの見せようかなという気持ち。
それをエネルギーにして戦ってきた。
公示前の3倍以上の議席を得て大躍進となった維新。
大阪府の議員定数の削減や私立高校の授業料実質無償化など規制改革の実績が評価されたかたちです。
有権者。
吉村さんが頑張っているから大阪根性で応援してあげたいというだけ。
コロナで吉村さんの手腕を応援したので今回は維新に入れた。
日本維新の会の吉村副代表。
改革を少しずつ重ねてきた。ここが評価されているんだと思う。
自民党が本気でビビるような野党をつくっていく必要があると思っている。
そんな中、窮地に立つのが立憲民主党です。共産党を含め野党5党で選挙区調整などを行いましたが立憲は議席を14減らしました。
枝野代表は11月1日に立憲の最大の支持母体である労働組合の団体、連合を訪問。
御礼と議席数、思った通りの議席でなかったのは間違いありません。
それについて申し訳ありませんということでおわび申し上げた。
共産党と全面的に協力をする戦略を取った枝野氏に党の内外から厳しい声が…
共産党と手を組む立憲が気持ち悪いというのが国民の総意ということ。
党幹部を総入れ替えしないと展望はない。
野党共闘で得た票より逃げた票の方がかなり大きい。
「責任の取り方として辞任というのがあるが?」
何人かと相談して、あすの執行役員会までに何らかの考え方を示せると思う。
長年共産党とは対立関係にある連合。10月に連合として初めての女性の会長に選出された芳野氏は…
連合として共産党との連携は到底受け入れられない。
連合組合員の票が行き場を失ったことがあったのではないかと思う。
今回の戦い方については改めて指摘させてもらって党の中でしっかりと統括してもらいたいというお願いをしている。
労働者の処遇改善などを求めている連合。連合と立憲民主党の隙間風を意識してか、岸田総理は11月1日にこう強調しました。
企業による賃上げを強力に促していく。
さらに私自ら新しい資本主義実現会議の場で労使の代表と向き合い、賃上げに向けた議論を主導していく。
「支援を見直す考えは?」
協定を結べるか努力を続けたい。今後の動向を見ながらの判断になる。