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[WBS] コクヨvsプラス!ぺんてる争奪戦!

2019年12月6日

ワールドビジネスサテライト(WBS)

クレヨンや絵の具、使った方も多いのではないでしょうか。

これらを手掛けているのが文房具メーカーのぺんてるです。

いまこのぺんてるを小会社化しようとする業界1位のコクヨとそれを阻止しようとする業界2位のプラスが熾烈な争いを繰り広げています。

ぺんてるの行く末を占う株の買付期限が週明けに迫っています。

ぺんてる株式会社

[blogcard url="https://www.pentel.co.jp/"]

東京オリンピックを翌年に控えた1963年。

高度経済成長真っ只中に生まれたあるロングセラー商品があります。

都内の文房具店「アルファノート」。

50年以上親しまれているもの。それは、

ぺんてるのサインペンです。

お馴染みのサインペン。実は文房具メーカーのぺんてるが手掛けています。

最大の特徴は筆のようにしなやかで万年筆のようになめらかに書けるという点。

数々のヒット作を生み出してきた作詞家、阿久悠氏もぺんてるを愛用。

これまでに100以上の国と地域、累計で22億本以上を販売しています。

ほかにもクレヨンや絵の具など誰もが1度は使ったことのある文房具を数多く手掛けるぺんてる。

じつは今このぺんてるを巡ってある2社が熾烈な争奪戦を繰り広げているのです。

コクヨ vs プラス

ことの発端は先月15日。

キャンパスノートで知られる業界1位のコクヨがぺんてるを小会社化すると発表。

しかしぺんてるはすぐさま反論。

コクヨの一方的かつ強圧的な当社の子会社化方針に対し強く抗議します

コクヨによるぺんてるの敵対的買収計画。

こうした中、先月21日、ノートなどオフィス用の文房具を手掛ける業界2位のプラスもぺんてる株争奪戦に参入。コクヨと真っ向から対立します。

現在、ぺんてる株を37.8%保有しているコクヨ。今後、50%超まで株を取得し小会社化する方針です。

それに対しプラスはぺんてるの独立性を守るため33.4%を上限に株の取得を目指しています。

プラスはいわばホワイトナイト、白馬の騎士となる形に。

コクヨのぺんてる小会社計画に徹底抗戦する構えです。

ぺんてるの魅力

なぜコクヨとプラスにとってぺんてるは魅力的なのか?

その答えは中国・上海にありました。

老舗文具店「百新文具館」では10年ほど前から日本の文房具を多く扱っています。

上海市局の菅野洋平記者、

こちらにはぺんてるのサインペン、そしてボールペン、さらには筆ペンまであらゆるぺんてる商品が売られています。

日本ブランドの中でもぺんてるは特に人気です。

ぺんてるは機能を重視しているイメージ。

1秒で乾くし、1本で900メートルも書くことができる。

中国ブランドに比べると高価格ですがテストの必需品として紹介されるなど優れた機能性と品質の高さが評価されているといいます。

実はぺんてる、売上高の海外比率はおよそ6割を占めます。

対してコクヨの海外比率は1割に満たない状況です。

市場拡大が期待できるベトナムなどアジアの新興国の開拓に力を入れていて、ぺんてるを小会社にすることでさらに海外販売の強化を狙います。

先月15日、コクヨがぺんてるの買収を表明して以降、コクヨの株価は5%以上上昇。マーケットが期待しているのも事実です。

一方、プラスはオフィス向けの文房具が強い反面、一般消費者向けの商品ラインナップが弱点です。

ロングセラー商品が多いぺんてると組むことで収益力の強化を狙います。

ぺんてる株の行方

そして今、焦点をなっているのはぺんてる株の行方です。

上場していないぺんてるの株主はおよそ340人。その大半は従業員やOB、創業家一族です。

ぺんてるは現役社員からOBまでコクヨ派とプラス派に分かれ、それぞれが陣営固めのために水面下で手紙作戦を繰り広げています。

テレビ東京が入手した手紙。

ぺんてるの元社長、水谷寿夫氏の署名があります。

ぺんてるを完全支配するため手段を選ばない強引な動きを始めたと言わざるを得ない。

敵対的な買収の提案に応じることなく、将来にぺんてるの価値を守っていただくようひたすらにお願い申し上げる次第。

ぺんてる株をコクヨではなく、プラスに売却するよう促す内容となっています。

手紙だけではありません。

ぺんてるの和田優社長は株主を直接訪ねて賛同者を集めているといいます。

一方、コクヨにつくことを促す手紙も出回っています。

ぺんてるの元専務、池野章一氏の手紙には、

プラスの昨今のM&Aは乗っ取りに近いブランド軽視の事例もある。

安易に現経営メンバーやプラスの誘いに乗らないようお願い申し上げる。

今回の争奪戦の裏には実は7年前のお家騒動がありました。

当事者の1人がWBSの独占インタビューに応じました。

堀江圭馬さん、ぺんてる創業者の孫で3代目の社長を務めました。

7年前になるが当時円高で非常に状況が苦しい中で役員の若返りを図ろうとしていた。

退任する役員を中心に反対派が結成され私自身が解任される結果となった。

解任後、堀江さんは持っていた株をファンドに売却。

そして今年5月、コクヨがそのファンドからぺんてる株を取得し筆頭株主になったのです。

堀江さんはこの争奪戦をどう見ているのか?

コクヨが良いというよりはやはりプラスが良くない。

傘下に入った後、会社として発展していない。

コクヨとプラスは業界1位と2位で普段から熾烈な販売競争を繰り広げています。

その2社がぺんてる株を奪い合った結果、両社とも大株主となり意思決定が進まなくなる恐れがあります。

コクヨとプラスが33%とか34%を超える株を持っている中、会社のパフォーマンスをどう良くしていくかというのは普通の経営者だとできないことだと思う。

現経営陣がぺんてるの将来やぺんてるの従業員を考えて何が良いと思ってやっているのかをもっと議論するべき。

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