日本はなかなか物価が上がらなかった国なので皆さん不安だと思いますが、物価高の大きな要因となっているのが円安です。10月21日も円安に歯止めがかからず円相場は一時1ドル151円台後半となり、32年ぶりの円安水準を更新しました。急激に進むこうした円安による値上げというのは自転車など生活に身近なものにも広がりを見せ始めています。
止まらない円安 32年ぶり151円台
10月21日に東京・新橋にオープンしたスポーツ用自転車の専門店「ワイズロード新橋店」。
この店ではアメリカやイタリアなどの人気ブランドの自転車を多く扱っています。
ワイ・インターナショナル
鳥居恵一郎社長

こちらのクロスバイク、1割~2割上がっている。
もともと4万5,000円くらいだったが6万円や7万円。
いわるゆママチャリの代わりに購入するお客さんが多いという初心者用のクロスバイク。それも手の届きにくい価格になりつつあるのです。
販売量で世界No.1だというアメリカ製のトレックの自転車は…
ワイ・インターナショナル
鳥居恵一郎社長

大変に為替の影響を受けていて、もともと2021モデルだと40万円くらい。
去年のモデルに比べて2割高いおよそ50万円になりました。
10年以上ロードバイクを愛用しているというお客さんは…
お客さん

本当に10年前とかと比べるとずいぶん高くなったなという感じ。
ちょっと様子見。
宮崎文子記者
150円だとどうか?

ワイ・インターナショナル
鳥居恵一郎社長

かなりきつい。120円台ぐらいが適正かなと。
そのうちアメリカの方が反動があるだろう。150円台が定着しないでほしい。
さらにもっと身近な商品にも値上げの波が…
テイクアウトのコーヒーを1ドルで販売している名古屋市内のコーヒー店「加藤珈琲店」。
店では前日の円相場の終値をコーヒーの値段にしていて、10月21日についに150円になりました。
加藤珈琲店
池田龍太郎店長

コーヒーは国際相場商品なので為替で値段が変わる特性を持っているが、今年3月の1ドル=115円になった時と比べると半年で35円の円安。
そして午後7時半ごろ…
大熊智司記者

じわじわと円安が進んでいた円相場ですが、ついに1ドル151円台に下落しました。
その後も円安は加速、午後9時半ごろには152円に迫りました。
円安で外貨預金が活況に
一方、円安の流れを受けて活況となっているのが外貨預金です。
新生銀行
マスリテール推進室長
柴田直幸さん

9月の外貨預金の売り買い量は昨年の約9倍の取引になっている。
9月~10月で始めた人も月平均の7倍くらい。
こちらの銀行では円安が進み始めた4月以降、外貨預金を始める人が増加。9月には1ヵ月の平均の7倍にも増えています。
10月21日にも相談窓口には外貨の運用について相談に来たお客さんの姿が。こちらの女性は先月から外貨の資産運用を始めました。
お客さん(40代)

運用しているのは米ドル。少し得をすればいいかなと思う。
外貨による定期預金の年間の利息は4%。100万円を預ければ単純計算で1年間で3万円ほど増えますが、円高になれば逆に試算が減るリスクがあるのです。
それでもお客さんが増えている現状について銀呼応の担当者は…
新生銀行
マスリテール推進室長
柴田直幸さん

為替は一時、円高になっても先々円安に振れることもあるし、日本の金利が上がらないことから長くこの状況が続くと考えるお客様が多い。