
ロシアのウクライナ侵攻の影響を大きく受けているのがトウモロコシなど飼料用穀物の高騰です。日本は飼料の国内生産の比率はわずか25%でなかでもトウモロコシはほぼ全てを輸入に頼ってきました。不安定な供給や価格の高騰を背景にいまトウモロコシを国内で生産しようとする動きが加速しています。
輸入飼料高騰でコスト変わらず!?パルシステムが国産飼料増
首都圏で食品の宅配などを手がけるパルシステムが5月27日に開いた発表会。
パルシステム連合会
島田朝亜彰執行役員

畜産の飼料はロシアがウクライナに侵攻した関係で小麦、トウモロコシ、大豆が高騰している。
パルシステムが発表したのが自社商品に使われる家畜に飼料の国産比率の引き上げ。飼料の供給が不安定になっても生産できるようにするためです。
豚に与える国産の飼料用のコメについてこれまで3割だった比率を4割に。
またこれまで2割ほどだった国産に飼料の割合を9割以上に引き上げた鶏の卵を新たに発売しました。
飼料用の輸入穀物が高騰していることから国産飼料の比率を高くしてもトータルのコストは変わらずに生産が可能だといいます。
田中瞳キャスター

こちらがパルシステムが開発している国産飼料の割合を増やした卵です。
黄身の色がオレンジというよりも明るい黄色ですね。
通常食べている卵とそんなに変化はないです。
さらにパルシステムが目指しているのは現在37%となっている日本の食料自給率の向上です。
例えば10頭の豚が国内で生産されても育てるために使われた飼料の6割が輸入飼料だった場合、自給率としてカウントされるのは4割だけです。
そのため国産の飼料の比率を上げ、食料自給率を高めることを目指しています。
田中瞳キャスター
飼料などを輸入に頼る危険性は?

パルシステム連合会
島田朝亜彰執行役員

穀物、エサ、肥料は戦略物資になりつつある。
農家や畜産農家、消費者に理科してもらい、買い支えてもらえる仕組みをつくらなければいけない。
コメ農家がトウモロコシ栽培
輸入飼料の価格高騰を追い風にいま国産化への期待が高まっています。
宮城県大崎市、ひとめぼれなどのブランド米誕生の地です。
ここで半世紀以上コメを作り続けている鈴木正一さん、ある悩みがありました。
鈴木正一さん

コメの値段が下がっている。
収入もだいぶ減っている。
需要の低下で生産量を減らしたため現在は田んぼが余っている状態に。
さらに肥料や原油の高騰も加わり作っても赤字になってしまうといいます。
こうした中、今年から新たに栽培を始めたものが飼料用のトウモロコシです。
鈴木正一さん

収入が増えるからぜひ成功したい。
実は今年4月からJA全農と地元の農協JA古川が手を組み、余っている田んぼを活用するための実証実験。
これまではコメからの転作品目として大豆や麦が栽培されてきました。
今回、なぜ飼料用トウモロコシなのでしょうか。
JA古川
加藤勝さん

他の作物に比べて労働時間は非常に短いのかなと。
面積を拡大するにはトウモロコシも有効。
トウモロコシは種をまく以外、ほぼ手間がかからないため新たな人手をほとんど必要としません。
またトウモロコシの実を収穫した後、残った茎や葉は土に混ぜ込むだけで肥料になります。すると翌年、大豆の生育に役立つといいます。
現在、作付面積は92ヘクタール。JA古川では2年後に倍の作付けを目指しています。
この実証実験の旗振り役の全農は…
JA全農 米穀部
小里司さん

これだけ価格が高騰すると国内で生産するのは意義がある。
これだけの規模感でやっているのでいい結果がでるのでは。