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[WBS]世界で木材価格が高騰!家が建てられない!?[株式会社オープンハウス]

2021年4月27日

ワールドビジネスサテライト(WBS)

新型コロナウイルスの感染拡大によって思わぬ影響が広がっています。それが「ウッドショック」と呼ばれている問題です。

グラフをご覧下さい。こちらは国際的な木材の価格を示したものです。

この1年で5倍も価格が跳ね上がっていて、かつてない異常事態といわれています。

世界的なこのウッドショックによって影響を受けるのが大量の木材を使う住宅です。今後、日本の住宅価格の上昇につながるのでしょうか。

株式会社オープンハウス

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都内の住宅地。売出し中の新築物件です。

中に入ると…

オープンハウスの戸和寛文さん、

角の柱、窓のまわり、天井、床も全て木で造られている。

一棟でかなりの木材を使っている。

木材をふんだんに取り入れた造りになっています。

コロナによるライフスタイルの変化とともに注文住宅の契約も増え、この会社ではお客様の数は去年に比べ1.5倍になりました。

好調に見える住宅販売、しかし先行きを揺るがしかねない問題が起きているといいます。

全て外国産でアメリカのものを使っている。

外国産剤が高くなっていて輸入量が品薄になっている。

今月完成したこの物件の木材は全て海外産ですが、今年に入り輸入量が減少。木材の価格が3割ほど上昇したというのです。

このため6月以降に着工する新築物件については使う木材の種類を変更することを視野に入れています。

木材の調達に苦しむ住宅メーカー。中小の事業者を中心に着工時期の遅れなどをめぐって顧客とトラブルになるケースが相次いでいるといいます。

ウッドショックの震源地はアメリカです。

ニューヨーク支局の宇井五郎記者、

ワクチン接種が進むアメリカは新築住宅事情も活況です。そのため木材の価格が上がっています。

アメリカで起きている木材価格の高騰。引き金となったのは新型コロナの感染拡大です。

リモートワークが普及し、郊外への移住や一戸建てを建てる需要が高まり、新築やリノベーションの需要が急増しました。

新築住宅の販売件数は新型コロナの感染拡大前を上回っています。

さらにワクチン接種の広がりによる景気回復への期待感も木材価格高騰の一因といわれています。

こうしたウッドショックは過去にも2度起きていました。

1990年台以降、環境問題をめぐりアメリカなどで森林伐採の規制が進み、木材の供給不足に。

また2度目はリーマン・ショックが起きる直前です。好景気で住宅の建設ラッシュとなり木材の価格が上昇しました。

いつもはこの倉庫いっぱいなんですが、今はこんな状態になっています。

そして今回は新型コロナの影響。

世界中の木材がアメリカに集まり、日本にも影響を及ぼしているのです。

住宅に使う木材の7割を海外産に頼ってきた日本。輸入量が減少したことでいま国産の木材に注目が集まっています。

鈴木嘉人記者、

こちら東京都で唯一の原木を集めた市場です。いま競りがちょうど始まっています。

毎月2回開かれている木材の競り。

この日、競りに掛けられていたのは地元で伐採されたおよそ700立方メートル分の木材です。

スギが半分、ヒノキが3割を占めます。

1万5,000円、1万8,000円、2万円。

競い合うように木材が落札されていきます。

一見、活況のようにも見えますがある問題が…

採算度外視で買っている感じ。

輸入材が買えないから仕方なく国産材に集まっている。

びっくりするくらいの値段。

国産木材の価格は今年に入り上昇傾向。1立方メートル当たりの単価はこの3ヵ月で1.5倍以上となっています。

なかには今月上旬からさらに3割近く値上がりした木材も…

それでも輸入木材が品薄のため引き合いが殺到しているといいます。

沖倉製材所の沖倉喜彦社長、

設計事務所も普通に家造りしていたが、全く材料がそろわずに着工をどうしようかという中で「与えられた物件を建てなければ」とみんな懸命にやっている。

日本に影響を及ぼし始めているウッドショック。国産の木材を安定的に確保しようと今月、業界団体「日本木造分譲住宅協会」が発足しました。

ただ木材不足はしばらく続く見通しです。

これから何ヵ月続くのか、何年も続くのかまったく分からない。

協会を通して国産材を発注することでお客様に早く建物を提供することを目指す。

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