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[WBS] 実は便利…「液体ミルク」!なぜ国産ミルクなかった?なぜ解禁?

2019年2月6日

ワールドビジネスサテライト(WBS)

乳児用粉ミルクの国内での販売額は少子化の中でも女性の社会進出などを背景にして拡大を続けています。

その乳幼児用ミルクの市場に来月にも登場するのが国産の液体ミルクです。

その便利さからいま注目を集めている液体ミルクですが、果たして普及するのでしょうか?

液体ミルク

都内で3ヶ月の赤ちゃんを育てる23歳の新米ママさん。

基本的には母乳で育てていますが、夜中などに利用しているのが液体ミルクです。

粉ミルクだと夜中の眠いなか作るのが大変。

ミルクをあげなきゃいけないときは大体すごい泣いている。

作っている間ずっと泣きっ放しだけど火を使って危ないから抱くこともできない。

液体ミルクはヨーロッパを中心に広く普及していますが、これまで国内では品質や製造方法などの基準がなかったため製造されていませんでした。

そのため、こちらの新米ママが利用しているのも大手通販サイトで買った1本500円ほどの海外製品です。

日常使いには割高ですが、いざというときに頼りになっているといいます。

粉ミルクが広く普及していて、国産を求める声が少なかった液体ミルク。

しかし、日本に何度も襲いかかる災害でその認識が変わり始めました。

被災地では粉ミルクを溶かすためのお湯が手に入りにくいのです。

熊本地震の被災者は、

水が出なかったのでミルクを作るのに困った。

ガスも使えなかったし、電気も1週間停電していた。

2016年の熊本地震ではフィンランドから支援物資として届けられ、多くの乳児たちを救っていました。

こうした動きに政府は去年8月、省令を改正し、国内での液体ミルクの製造・販売を解禁しました。

江崎グリコ株式会社

[blogcard url="https://www.glico.com/jp/"]

こうした中、粉ミルクで国内5位の江崎グリコは2月6日、ベビー用品事業の強化策を発表。

その柱となるのが…

江崎グリコの江崎勝久社長は、

液体ミルクを主要な商品にしていく。

グリコは先月、厚生労働省から液体ミルクの製造承認を取得。

来月にも液体ミルクを発売する見通しです。

国産の液体ミルクとはどういうものなのか?

液体ミルクは粉ミルク同様に脱脂粉乳や油などから作られます。

実際に飲んでみると…

宮崎明里記者は、

粉ミルクに近い味ですが、甘さが控えめでスッキリした味わいです。

最大の特徴はその白さ。

実は海外製品は加熱殺菌をする際、中の成分が焦げるため茶色がかったものが多いのですが、グリコは日本の消費者が受け入れやすいよう白さにこだわりました。

江崎グリコの商品開発研究所、永富宏さん、

これがグリコの液体ミルクの白さを作り出した機械。

超高温の瞬間殺菌を採用し、瞬間で済むのが白さにつながっている。

さらに光や酸素を通さないアルミ箔を貼った特殊な紙パック容器を採用することで品質を保ったまま6ヶ月間、常温で保存できるといいます。

常温で何ヶ月ももつのと、いろいろな栄養素が入っていて、細かく決められた省令の範囲内で作るのは至難の業。

一方、粉ミルクでシェアトップに立つ明治も液体ミルクへの参入を発表。

必要な許可が取れ次第、発売する構えです。

スチール缶の容器を使うことで賞味期限1年を実現しました。

ただ、各社の液体ミルクは粉ミルクに比べ割高になる見込みです。

本当に日本で普及するのでしょうか?

難しいがわれわれがお客様に効能を理解してもらう。

きっかけは災害備蓄でも用途拡大で市場は広がるだろう。

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