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[WBS] 仁義なき自販機戦争!飲料メーカーあいのりのワケ!

2017年3月22日

ワールドビジネスサテライト(WBS)

キリンビバレッジ株式会社

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ダイドードリンコ株式会社のスタッフ。手際よく自動販売機に飲料を補充していますが、その商品は、

今入れているのはキリンの「午後の紅茶」

パッケージもキリンビバレッジ株式会社の午後の紅茶とメッツコーラに切り替えます。

ダイドードリンコ株式会社の主力商品はコーヒー「世界一のバリスタ」。ラインアップにないコーラ系の飲料と紅茶カテゴリーで売り上げ1位の「午後の紅茶」を販売することで顧客の取り込みを狙います。

一方、キリンビバレッジ株式会社のスタッフが自動販売機に補充しようとしている商品はダイドードリンコ株式会社のコーヒー「世界一のバリスタ」です。

キリンビバレッジ株式会社とダイドードリンコ株式会社はお互いの主力商品を自社の自動販売機で売り始めたのです。

自動販売機の台数でシェア5位のキリンビバレッジ株式会社としてはこの分野に強いダイドードリンコ株式会社と組むことで売上を増やしたい考えです。

キリンビバレッジバリューベンダー株式会社の竹田光昭近畿圏支店長は、

ダイドーのコーヒーが加わることで自動販売機の場所によって売上アップにつながる。自動販売機売り上げがプラスになればいい。

キリンの自販機戦略とは?

実は業界全体以上に自動販売機の販売数量のV字回復を見せているのがキリンビバレッジ株式会社です。

自動販売機で商品を売る戦略とはどんなものなのか?

担当の東京キリンビバレッジサービス株式会社の西村宗春さんに同行しました。

すると早速、

渋谷は外国人が多いので変わった色のもの、この色が結構人気。

珍しさから外国人に人気の自動販売機。外国人のお客様を確実に取り込むため目に止まりやすい商品を置いています。

またライブはイスなどが多いエリアには若者が好むエナジードリンクを重視するなど、場所によって商品のラインアップを変えています。

自動販売機をどこに置くのかもポイントがあるといいます。

足を止めた西村宗春さん。その先には渋谷の再開発エリアが。

飲料会社としては自動販売機を設置したい場所の一つ。缶コーヒーだと甘いものが売れたりする。

休憩の時間が決まっている工事の現場は一定の売上が見込めるので狙い目だといいます。

繁華街から離れた住宅地。

ああいう角地の場所、オフィスの前などが狙い目。自動販売機が認識されやすい、オフィスで働く人がちょうど表に出て買う場所。

キリンビバレッジバリューベンダー株式会社

こうした自動販売機の戦略を考えているのはキリンビバレッジバリューベンダー株式会社という自動販売機のマーケティングの専門の会社です。キリンビバレッジ株式会社が2015年に立ち上げた会社でダイドードリンコ株式会社との相互販売もこの会社が主導で行っています。

そして特に力を入れているのが、キリンビバレッジバリューベンダー株式会社の営業企画部、村山浩義部長によると、

自動販売機の限定商品の開発に力を入れている。

自動販売機専用のものは容量が少ないのが特徴です。

自動販売機のお客様に手に取ってもらいやすい容量と価格を抑えた商品を開発した。

また自動販売機でしか買えない味も。4月に販売するというコーヒー「ファイア クオリティロースト」は甘みとミルク感にこだわったという一品。コンビニやスーパーの商品との差別化を図ります。

ここまで力を入れるワケは?

自動販売機は定価販売も比較的多く非常に収益性が高い。自社ブランドを安定的に24時間、年中無休で売っていられる。

『王者』は中高生の味方!

定価で販売でき収益性の高い自動販売機。もちろん、他のライバルも戦略を打ち出しています。

2015年5月、当時のサントリー食品インターナショナル株式会社の鳥井信宏社長は、

2020年に国内でナンバーワンになれないかなと。

自動販売機の台数で2位のサントリーは2015年7月にJT(日本たばこ産業株式会社)の小会社の飲料事業を買収。自動販売機の台数は合わせて76万台と1位の日本コカ・コーラ株式会社を追い上げています。

全国に約98万台の自動販売機を持つ「王者」日本コカ・コーラ株式会社は商品を1本買うごとにスタンプが貯まるというアプリ「コークオン」を使ったサービスが好調で380万ダウンロードを3月に達成。

さらに自動販売機をあまり使わないお客様を取り込もうと新たなサービスを始めました。

日本コカ・コーラ株式会社のベンディング事業部、永井宏明さんは、

中学生、高校生がアプリを使ってコカ・コーラを買うとスタンプが2倍たまる。

中学生と高校生がコカ・コーラやコカ・コーラゼロなど対象商品を買うとスタンプが2倍になります。

「なぜ中高生限定?」

自動販売機をよく使うのは缶コーヒーを飲む30~50代の男性。

自動販売機で買う楽しさやお得感を提案して若いお客様を取り込もうとしているのです。

実際にアプリを使っている高校生に聞いてみると、

うれしい。助かる。1週間に3~4回使っている。

さらに4月6日、同じく中高生にコカ・コーラなどが無料になるチケットを2枚プレゼントするキャンペーンを開始(先着30万人)。そのうちの1枚は友人にプレゼントできる仕組みで利用者を口コミで増やしたい考えです。

楽しいサービスを提供し中学生、高校生に自動販売機を利用してもらいたい。

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