MUS MUS
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東京駅の目の前にあるレストラン。
このお店の一番の売りが旬の野菜のせいろ蒸し。
野菜そのものの姿と味で絶品だね。
その美味しさにはある秘密が。
近藤けいこナチュラルベジタブル
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三重県鈴鹿市、ここに有機野菜を栽培する女性だけの農園「近藤けいこナチュラルベジタブル」があります。
通称「近藤ファーム」。
10年前にこの農園を始めた近藤啓子さん(56歳)。
全国の有名レストランから毎日注文が入ります。
その一番の特徴は、
今、植えている野菜はこちらの種類。250はあると思う。
なんと今の季節だけで250種類もの野菜を栽培しているのです。
一つの畝の中でも数種類。
畑をこれだけ細かく分けて栽培するのは珍しいといいます。
農園の面積は約2ヘクタール、一般的な農家と変わりません。
ここで年間を通して500種類以上の野菜を栽培しているそうです。
かぼちゃだけで8種類。ナスも色・カタチ、様々です。
細やかな対応
東京のシェフからこんな注文が…。
取り出したのは小さな赤カブ。すると近藤啓子さん、取り出した500円玉と比べます。
それぞれシェフによって使いたい大きさがある。
500円サイズが欲しいという注文だったのです。
そんな細かな注文にも一軒一軒対応します。
指の爪くらいのサイズのオクラを採っていく。
本来は大きくなってから収穫するオクラ。こんなに小さくて味は大丈夫なのでしょうか?
若いので味が凝縮されている。甘みはある。野菜によっていろいろあると思う。それぞれの個性が。キュウリの赤ちゃんです。
種類・色・サイズ、様々な要望に応える近藤ファーム。
この常識破りとも思えるやり方が一体何故可能なのでしょうか?
昔から農業をやっていた人とかJAとか、そういった指導のもとでは同じものを大量にという規格を求められて作っていたと思うけど、私は全くの素人主婦から始めたので、そういうところが潜在的に意識に入ってないのかもしれない。
近藤啓子さん
近藤啓子さんは34年前に嫁いできました。
農業を営んでいた義理の両親が高齢でリタイア。
夫が会社員だったため近藤啓子さんが農地を引き継ぎました。
その時、近藤啓子さんは近所の主婦と一緒に農業をやりたいと考えたそうです。
ここら辺は旦那が会社に勤めて、奥さんが家で専業主婦とか、子供が小さく、その間家にいる人もいるので、その空いた時間を利用して女性でも何かできないかということで始めた。
従業員
午前9時、近所の主婦たちが次々と出勤してきます。
いまは15人の女性が働いています。
最年長は84歳のおばあちゃん。
近藤啓子さんは主婦が働きやすい環境を作ってきました。
子育てや家庭の都合に合わせてみんなでシフトを調整し合うのです。
例えば、
9時から12時まで。月・火・水です。
別の女性は
週に3日から4日くらい。
住田南さん(31歳)。現在3人目を身籠っています。
住田南さん、今日最初の仕事は収穫。しかし、なかなか採ろうとしません。
欲しい大きさのものを探さないといけないので。
土の表面を少し指で堀り、育ち具合を1本1本確認します。
この作業が近藤ファームの特徴です。
小さくて細いニンジンの注文。20本採るのに1時間。
収穫の合間には雑草も取っていきます。農家には欠かせない作業です。
楽しい。土を触ったりするのが好きなので、収穫も楽しいし、ちょうどいいのが見つかった時が嬉しい。宝探しみたい。
ニンジンの収穫を終えた住田南さん、次の仕事へ。
すると、
ちょっと休憩したい?
休憩を勧めてくれたのは鈴鹿に嫁いできたイスラエル出身の女性。
椅子持ってきて、ここで仕事する?
ここでは子育てを経験した先輩主婦たちが自然に気遣ってくれるといいます。
子供が熱を出すこともあるけど、嫌な顔をするどころか子供の心配をしてくれる。みんなですけど、ここの人たち。
洗い場だけを専門に担当する女性もいます。
全部、この表の皮をむいてしまうとダメ。多少残して葉は繊細なので水にはつけないように根本だけ洗う。ちょっと神経使います。
野菜を大切に扱う姿勢が全国のシェフから信頼を得ているのです。
現在、野菜は86軒のレストランに出荷されています。
2015年の売り上げは約3,000万円。
創業した時の10倍に増えました。
午後4時、住田南さんは保育園に3歳の長男と1歳半の長女を迎えに行きます。
ここからはママとしての時間。
住田南さんは東京で鈴鹿出身の夫と出会い結婚。現在は夫の実家で義理の両親と暮らしています。
鈴鹿に来て、奥さんになって、子供が生まれて、親になって、家にいればそれだけ。子供の親で、夫の奥さんで、義理の両親の嫁で、その存在だけで私がいなくなってしまう。青空の下で野菜を見るだけでリフレッシュするので、ここの人たちに囲まれているのが、すごくエネルギーいなっていると思う。
新作野菜
10月中旬、冬に向けた種まきが行われていました。
この日撒かれたのは13種類の冬野菜の種。
近藤ファームでは毎年新たな野菜に挑戦し、商品を増やしてきました。
おいしい野菜を見つけるため、海外にまで出かけることもあるといいます。
この日、畑の一角に向かった近藤啓子さん。
これが今年の新作のカルドンです。
今年初めて植えた一見すると巨大なセロリのような野菜。その名も「カルドン」。
日本では珍しいイタリア原産の野菜です。
一体、どんな味がするのでしょうか?
珍しい野菜は必ずスタッフの主婦たちがそれぞれ家で調理します。
どうやって食べたら美味しいか調べるためです。
このカルドン、生で食べると独特の苦みがあります。
近藤啓子さんはいろんな調味料で炒めてみました。
ゴマ油よりバターだとまろやかな味になる感じ。
翌日、あの住田南さんもカルドンを使った料理を持ってきました。
オムレツとグラタンです。
入っているのはジャガイモとカルドン。あとウインナーが少し、十六ささぎ。
カルドンの苦みをオムレツやグラタンにすることで和らげたいと考えたそうです。
歯ごたえがあっておいしい。アクとかエグミがない、消えている。初めて食べられることが分かった。畑で見た時はどうやって食べるんだろうと思った。
これはシェフにお薦めできる。
主婦たちが本当に美味しいと思った野菜だけを出荷するのが近藤ファーム。
納得しなければ栽培をやめることもあるそうです。
カルドンは合格。出荷の準備が整いました。
助け合い
そんなある日、
体調が悪い。今日は午前中休みます。
朝、オーナーの近藤啓子さんが体調を崩してしましました。
すると、
ヘルプに来ました。
やって来たのは安藤典子さん。連絡を受け近藤啓子さんのピンチヒッターとして駆け付けました。
助けに来ちゃった。
安藤典子さんは普段、土曜日だけの勤務です。
午後になると元気になった近藤啓子さんが仕事に戻ってきました。
たまにここぞという時にやるんです。
ありがたいです。ここがやっていけるのは皆さんのおかげ。
とんでもございません。良かった、来て。
近藤ファームは女性たちが力を合わせ互いに補い合うことで人気の農園となりました。
近藤啓子さんの夢はますます広がっていきます。
これからの夢は農家カフェとか加工品の方にも広げていって雇用でたくさんの人が集まってもらえるような場所づくりを考えている。みんなが元気に働いてくれるとパワーをもらって私たちも元気になれる。
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