シャープ株式会社
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11月1日、午後4時。
にこやかな表情で会見場に現れたのは鴻海精密工業から送り込まれた戴正呉社長。
戴正呉社長は改めてシャープ株式会社再建への想いを流暢な日本語で語りました。
創業者の「誠意と創意」、まねされる商品を作りたい。また昔のように栄光あるシャープに戻したい。
シャープ株式会社が発表した9月中間決算、営業損益は2015年の赤字からなんとか7,900万円の黒字へと転換しました。
さらに通期でも257億円の営業黒字になる見通しだといいます。営業黒字は実に3年ぶりのことです。
人員削減などリストラ効果に加え、鴻海精密工業との提携で製造コストの削減が寄与した格好です。
これからもシャープは鴻海がサポートしないといけない。
ディスプレイ技術
2016年4月、シャープ株式会社の買収に向け正式に動き出した鴻海精密工業。
鴻海精密工業が喉から手が出るほど欲していたのはシャープ株式会社が持つ液晶などディスプレイ技術でした。
特に次世代のディスプレイと目されている曲がるディスプレイ「有機EL」には出資額3,880億円のうち2,000億円の投資を計画。
新たな成長分野として期待を寄せていました。
ところがここに来て水面下である動きも。
株式会社ジャパンディスプレイ
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複数の関係者によるとシャープ株式会社を取り合った株式会社産業革新機構が出資しているパネルメーカー、株式会社ジャパンディスプレイに協業を申し込んでいたことがWBSの取材で明らかになりました。
そこにはある危機感があると専門家は指摘します。
みずほ証券株式会社の中根康夫シニアリストは、
OLED(有機EL)は韓国勢(サムソンなど)に比べると後塵を拝している。液晶で素晴らしい技術を持っているが故にOLED(有機EL)の取り組みが遅れている。時間を取り戻すのは難しい。
戴正呉社長
「先行するメーカーがある中で他のメーカーと組み量産したいか?」
試作しないと将来は分からない。シャープの資金状況から見ると、やはり慎重に考えないといけない。手を組み先はこれから考えます。
従来とは一転、有機ELに対し慎重な姿勢を見せました。
みずほ証券株式会社の中根康夫シニアリストは、
韓国勢より遅れている中で投資を決めるのは難しい。トーンダウンしてきたのは鴻海がシャープに入り分かったきた証拠。ある意味健全な動き。