こちらのTシャツ、5月7日に発売されたばかりの1着1万円する高級Tシャツです。
どれもオシャレなデザインですが高価格の理由はデザイン性だけではありません。いま世界が注目する日本のベンチャー企業の最先端技術が詰まっています。
株式会社そごう・西武
[blogcard url="https://www.sogo-seibu.jp/"]
渋谷にある西武渋谷店。
流行に敏感な女性向けの洋服が並ぶフロアには…
そごう・西武の高橋礼さん、
きょうから発売の「BRING Tシャツ」。
パリコレに参加した経験を持つ若手クリエイターなどがデザインしたこちらのTシャツ。
オシャレですね。かわいい。
こだわりはデザインだけではありません。UVカットや速乾性など高機能なTシャツに仕上げました。
生地はコットンですよね?
これはポリエステル100%。
ポリエステルにしてはシャキシャキ感やツルツル感がないから、限りなくコットンに近い気がする。
言われないと分からない。
触り心地はすごくいいですね。
実際に着てみると…
住田瑠菜記者、
伸縮性が少しあるみたいでピッタリとしたフィット感もあるのでリラックスして着るのにもとっても良さそうです。
価格はTシャツとしてはかなり高価格となる1万800円。
しかし、さらに驚きの事実が。
衣料品を回収して、そこからポリエステルの糸を作り直して、新しく生まれ変わらせたTシャツ。
実はこちら、古着から作られたリサイクルTシャツ。この百貨店では初の試みです。
何か人と違うものを持ちたいとか、背景に価値がある物を持ちたいというお客様が多いので、そういう人にとっては価値のあるファッションアイテムになる。
日本環境設計株式会社
[blogcard url="http://www.jeplan.co.jp/ja/"]
そのBRING Tシャツを作っているのが東京・千代田区にあるベンチャー企業「日本環境設計」。
世界でも類を見ない古着からポリエステルを再生する技術を持っています。
日本環境設計の中村崇之さん、
店頭からいらなくなった洋服をお客様から回収している。
そういったものをもう一度原料まで戻せば、そこから糸、生地、最終製品にして、もう一度市場に戻せる。
全国の提携している百貨店などに古着の回収ボックスを設置。
集めた古着は細かく裁断し、特殊な溶液に漬け、溶け出たポリエステルだけを抽出。それを精製して再びポリエステルの樹脂を製造します。
石油由来製品と同等の品質で樹脂を作ることができるのが大きな特徴。
実は国内では年間200万トンも廃棄処分されているという衣料品。
そこに目をつけたのが2007年にわずか3人で創業した日本環境設計でした。
まず古着から綿だけを取り出し、それを醗酵させてバイオエタノールに生まれ変わらせる技術を開発しました。
燃えてる。
出来上がったエタノールは工場のボイラー燃料として供給されるなど事業化にも成功。
その後に挑戦したのが古着からポリエステルをリサイクルする技術でした。
繊維の市場でいるとポリエステルが5~6割を占めている。
ポリエステルをリサイクルできないとリサイクルと言い切れないのでポリエステルのリサイクルに着手した。
古着からポリエステル以外の繊維や染料、顔料などを取り除き、Tシャツを製造する技術を確立するまで実に3年かかったといいます。
世界が注目する日本環境設計のこの技術。去年、フランス・リヨンに進出することも決まり、早ければ2021年に現地に工場が建設される予定だといいます。
世界中に工場を造って古着がリサイクルでもう一度服に戻る。
それが何回も繰り返される。そういう世界を目指している。