イケア
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スウェーデン南部のエルムフルト。
人口、約1万6,000人に小さな町です。
町の交通標識を見てみると、あらゆる方向にイケアの関連会社があり町中イケアだらけです。
標識にはイケアのお店だけでなく、イケアのホテルもあります。
ここはイケアが73年前に創業した場所です。
デモクラティック・デザイン・デー
6月8日、年に1度のイベントが開かれました。
ペーテル・アグネフィエルCEOは
エルムフルトでお迎えできて大変嬉しい。私たちの新商品をご覧ください。
まず始まったのは世界40ヵ国のメディアを集めた新商品発表会。
日本のTV局ではWBSがはじめて入りました。
有名デザインーと共同開発した商品がお披露目されます。
展示ブースにも驚きの商品があります。
一見、普通の棚ですが、リモコンのスイッチを入れるとパネル照明が付いて、もちろんパネル照明の扉の奥にも収納ができます。
照明と棚が一体化したアイデア家具だといいます。
壁から出てきたのはベット。
広くない部屋でも大丈夫です。
デモクラティック・デザイン
デザインマネージャーのマーカス・エングマンさんは
デモクラティック・デザインには大事にしている5つの柱がある。デザイン、機能性、品質、持続性、そして低価格だ。
強調したのは商品戦略の柱、デモクラティック・デザイン。
デザイン、機能性、品質、持続性、低価格の5つを満たしたものだけがイケアの商品になるのです。
新商品のテーブルはシンプルなデザインで誰でも変える手頃な価格です。
簡単に組み立てられる機能性に加え、100回以上組み立て直しても壊れない品質と持続性を備えています。
デモクラティック・デザインセンター
続いて案内されたのはデモクラティック・デザインセンター。
バイタリティビジネスリーダーのペル・クロックスステデさんは
ここいがイケアの「心臓部」、デモクラティック・デザインセンターだ。
開発担当者たちが集まり、自由な雰囲気の中でアイデアを出し合います。
ここからイケアは毎年2,000種類以上の商品を世界に送り出しています。
イケアの売上高
イケアの売上高はこの10年、右肩上がりで拡大しています。
しかし、イケアグループのトップ、ペーテル・アグネフィエルCEOは現状に警戒感を示しました。
イケアにとって最大のリスクは現状に満足し進化をやめてしまうこと。イケアの最大の脅威はイケア自身。
最大の脅威はイケア自身と語るペーテル・アグネフィエルCEO。
ネット販売の強化
自らの殻を破る戦略の一つがネット販売の強化です。
イケアは実店舗に重点を置き、日本ではネット販売はほとんど手掛けていません。
しかしネット上にはイケアが公認していない販売代行業者が存在しています。
日本ではネット販売が無いが、今後のネット戦略はどうするか?
ネット販売のための投資やシステム準備は確実に進めている。日本では数ヶ月~2年程度でネット販売を始める。
近く、日本でネット販売の自社サイトを立ち上げると明かしました。
世界でも本格的なネット戦略を展開します。
家具以外への進出
殻を破る戦略のもう一つが家具以外への進出です。
イケアが初めて売り出す自転車。
若者の車離れを意識して開発されました。
アルミ製のフレームは25年保証。
持続性をうたうなど、ここでもイケアらしさを前面に押し出します。
さらに本のような形をした新商品は充電器です。
照明部門商品開発責任者のジャネット・シェルモースさんは
これは本棚に置けば、本のように見える充電器です。
この夏に発売予定の充電器。
日本の家電メーカーと共同開発しました。
電池の充電量も確認できる機能性もあります。
今までの電池充電器はデザインが悪く、誰も部屋に置きたいと思わなかった。
楠目靖さん
家具以外の商品開発を進めるイケア。
そのカギを握る部署に日本人がいました。
イノベーションアンドクリエーティブマネージャーの楠目靖さんです。
楠目靖さんは元家電メーカーのデザイン担当で去年イケアに引き抜かれました。
あなたが話しているのは10年後?15年後のことですか?
イケアを枠を出ることを託されている楠目靖さん。
イケアがどこに向かおうとしているかを聞いてみると
例えば15年後に家の中のキッチンやリビング、ベッドルームがある生活なのか、人工知能やロボットがあった場合、同生活が変わるのか。これからのビジネスとして、どういうものをイケアがやっていくのか。15年後に考え方としては全く違う会社かも知れない。