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[WBS][ロングセラー研究所] 一六タルト

2018年8月14日

ワールドビジネスサテライト(WBS)

400年以上の歴史を持つ松山城に、日本最古の温泉といわれる道後温泉。

多くの観光客が訪れる愛媛県松山市。

そんな松山で必ず目にするのは「タルト」の文字。

松山の繁華街で地元の人に聞くと、

小さい時からあるから馴染みがある。

祖父母が買ってきてくれたり、栗入りとかもある。

1947年にときの松山藩主、松平定行によって長崎から伝えられた南蛮菓子のタルト。

洋菓子のタルトとは全く違うロールケーキ状のご当地菓子なんです。

現在、100社を超える企業が生産をしています。

松山空港の土産物店。

多くのお客様がタルトを手に取っていきます。

なかでも人気なのが…

一六タルトを買った。

もらって食べたことがあっておいしかった。

愛媛を旅行したときに食べさせてもらっておいしかった。

明治創業の老舗、一六本舗が作る一六タルト。

「の」の字が特徴的なご当地土産の秘密に迫ります。

株式会社一六本舗

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タルトのメーカーの代表格「一六本舗」。

工場を訪ねると、まず案内されたのは…

製造部統括の廣瀬和史さん、

タルトのゆず餡を作っている。

タルトの特徴のひとつがゆず風味の餡、

一六本舗では他社に先駆けて生のユズを使い始めました。

細かく刻んだユズの皮を仕上げに入れて餡の完成です。

餡と相性の良い生地は長いオーブンでおよそ10分、強火でサッと焼き上げます。

ポイントは焼き上がった後の行程。

生地がプレスされています。

余分な空気を抜くことで安定した生地ができる。

実はこの工程は偶然の産物。

タルト職人が誤って生地を落としたところ気泡が均一になるのを発見しました。

この一手間を加えることで餡と相性の良い生地になります。

その生地は明治から変わらず職人が一つずつ手で巻いていきます。

最後はカットする行程。

食べやすいように切って販売したのは一六本舗が最初だったといいます。

伝統菓子でありながら改良を続けてきたことが多くの支持につながりました。

転機

そんな一六本舗ですが戦前は醤油餅が主力商品でした。

転機となったのは一六本舗も被害を受けた大空襲です。

玉置剛副社長は、

松山が戦火に遭う前はタルトで有名な菓子店が2つあった。

その2つの菓子店も戦火で廃業になった。

戦後、いち早く再建した一六本舗にある日、

こちらの店で私を置いてもらえないでしょうか?

やって来たのは廃業した有名店で働いていた腕利きのタルト職人でした。

3代目店主の玉置一郎氏はこの職人を迎えてタルトで店と町を復興させようと決めたのです。

松山でいち早くラジオ広告を導入したり新しいことにどんどんチャレンジした。

松山の人や、松山に来た人に広めることができた。

100年以上、ゆず風味一筋でしたがコンビニスイーツを意識して4年前から新たな味を投入するなど今もチャレンジを続けています。

さらに愛媛県以外の販路拡大も。

タルトだけでなく若い世代も念頭に和の素材を使ったシュークリームなどのスイーツを販売しているのです。

外商部の阿部太一さん、

年代問わず食べてもらえるおいしい商品をお客様に届けたい。

100年以上続くロングセラーがこれからも愛されるための秘訣とは?

ロングセラーの秘訣

今の一六タルトがベストか常に考える。

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