座っただけで首から足まで揉みほぐしてくれるマッサージチェア。
モノがなかった時代にアイデアで勝負して世界初の量産化に成功したロングセラー商品の秘密に迫ります。
マッサージチェア
マリリン・モンローが来日し、社会現象となった1954年。世界初の商品が発売されました。
それが、
こちらがフジ医療器の商品。マッサージチェア市場ではフジ医療器の商品が大きなシェアを占める。
もみ心地を販売員のビックカメラ有楽町店の杢師里奈さんに頼んでリポートしてもらうと、
気持ちいいです。
発売から63年で累計460万台を売るフジ医療器のマッサージチェア。そのロングセラーのヒミツとは?
株式会社フジ医療器
大阪・太子町にあるフジ医療器の主力工場。
入口で出迎えてくれたのは水口隆司さんと、
これが世界で初めて量産化に成功した初号機。
63年前に発売されたマッサージチェアの第1号機。スイッチを入れると動く、まだ現役です。ハンドルを回すとモミ玉が上下します。
藤本信夫氏
この画期的な商品をゼロから作り上げたのが創業者の藤本信夫氏。
戦後の復興期、藤本氏は銭湯に掃除用のブラシなどを売って生計を立てていました。そんなある日、銭湯のお客様からある言葉を聞きました。
風呂上がりに肩をもんでくれる機械があったらいいのに。
藤本氏は肩を揉む機能が付いたイスを作れば売れると確信しました。
しかし、まだまだ物資が不足していた時代。手に入るのは車のハンドルや野球ボールなど機械を作るには覚束ないモノばかり。
だが藤本氏はこれらをうまく使いました。
軟式野球ボールが弾力性も含め人の手に近いということで試作機に取り込んだ。クルマのハンドルを椅子の横に設置し動かした。
こうした試作を重ねた末、1954年に世界初の量産型マッサージチェアが完成しました。
早速、銭湯に掛け合いまずお客様に気持ち良さを知ってもらうため無料で置かせてもらったといいます。
その数年後には10円を入れると3分間動くタイプが登場。銭湯での定番となっていきました。
そして1995年には世界で初めてももやふくらはぎなど下半身をマッサージする機能が追加されました。
マッサージチェアマイスター
フジ医療器ではこうした商品開発を担う重要な役職があります。
マッサージチェアに腰を下ろす藤代光明さん、
お尻から腰にいく時の「保持」が今何秒?
1秒。もうちょっと1.5秒くらいで。
実は藤代さんはフジ医療器に2人しかいないマッサージチェアマイスターの1人。
チェアのもみ加減を体感し一番気持ちいいと感じられるように力を加えるタイミングを0.1秒刻みで調整します。
機械のデータ上で作っても部位によって気持ちいいタイミングが変わるので。
気持ち良さを追求した最新モデルが「AS-1100(52万7,040円)」。
背中のもみ玉を動かすのに4つのモーターが組み込まれ、もみのバリエーションは85種類に上ります。
進化を続ける元祖マッサージチェア。そのロングセラーの極意とは?
ロングセラーの極意とは?
実際に感じたものを機械に落とし込む「感じニアリング」を大事に。
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