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[WBS] 電子国家エストニア!保険証も買い物もIDで!

2018年1月16日

ワールドビジネスサテライト(WBS)

日本の総理大臣として初めてバルト三国などヨーロッパ6カ国を歴訪中の安倍総理はこれまでエストニア、ラトビア、リトアニア、ブルガリアを訪問して、先程5カ国目となるセルビアに到着しました。

核・ミサイル開発を進める北朝鮮への圧力強化など外交面での連携を図る一方で経済連携も強化したいとしています。

そな安倍総理が最初に訪れたエストニアは近年、IT立国として注目を集めています。

電子国家で政府と国民はどう変わったのか?

エストニアの「今」を取材しました。

エストニア

安倍晋三総理が今回のヨーロッパ歴訪で最初に訪問したエストニア。

首都タリンは世界遺産にも指定された美しい街です。

首脳会合には楽天の三木谷浩史社長など日本のIT企業トップも同席。

その理由を安倍総理は、

エストニアはIT・サイバー分野でヨーロッパ、世界トップクラスの技術を誇る国。多くの日本企業が注目している。

国全体のIT化を進めるエストニアは世界最先端の電子国家として知られています。

電子国家

首都タリンに住むある夫婦を訪ねました。

出迎えてくれたのはマウエル由紀子さん。2017年、エストニア人のラグナルさんと結婚してエストニアに移住してきたばかりですが、すぐに日本との違いを実感したといいます。

国際結婚した時、日本では市役所で何時間も待たされ、ようやく手続きが終わった。エストニアでは5~10分で手続きが終わり、後はインターネットで申請できて楽だった。

さまざまな手続きを楽にしているのがエストニア生徒のサイト「エスティー」。

住所変更や納税、選挙の投票から年金の管理、医療記録の閲覧まであらゆる手続きがパソコンやスマホでいつでも、どこからもできます。

日本では有給休暇を使って市役所へ行き手続きをしなければならなかった。エストニアでは自宅のインターネットで空いた時間に簡単にできる。すごくいい国だなと思う。

IDカード

利用は簡単です。政府が発行する個人IDカードを端末に差し込み、4桁の暗証番号でサイトにログイン。手続きは認証コードで行います。

IDカードは免許証や保険証などとしても使える身分証明書で15歳以上のエストニア人はほぞ全員が持っています。

タリン市民は、

このカードは素晴らしい。何でもできるし、いつも使っている。

カードのおかげで生活は快適でスピーディーになった。

このカードは小売り店などでは商品が割引されるポイントカードとしても使うことができます。

100円くらい安く購入できた。

一方、すべての個人情報を1つのカードとサイトに管理されることに不安なないのでしょうか?

ラグナルさんは、

日本に住んだが、はんこよりエストニアの2つの暗証番号システムの方が安全だと思う。

行政

IDカードとエスティーの導入でエストニアではなんと行政サービスの99%が電子化されています。

その結果、行政の現場は?

豊島晋作記者、

街の区役所にやって来ました。平日の午後ですが利用している人はまったくいません。そして受付の後ろ側には日本の市役所で見かけるような大漁の書類などは一切ありません。

区役所を利用する市民は激減し、かつては30人以上いた窓口の職員は今はわずか3人。

区役所全体のコストも4分の1以下に削減されました。

ただ本当に紙は無いのか?

「バインダーの中の紙はなんですか?」

タリン市ムスタメ区のタルモ・リチャルド・クランプ副区長は、

実は知りません、昔から置いてあるだけです。

パソコンを持たない低所得層への対応や、結婚、離婚、不動産取引の3つの手続きを除き紙はほとんど使われていません。

エストニアでは国全体のデジタル化で毎月、積み上げるとエッフェル塔と同じ高さの紙を節約しているといいます。

安倍総理が首脳会合に臨んだエストニア政府の閣議室も普段はデジタル機器のみが持ち込まれ書類を一切使わずに議論が行われています。

さらに、

日本の国会にあたるエストニア議会に来ています。いま審議中ですが議員たちは自由にパソコンやスマホ、そしてタブレット端末などを使っています。

日本の国会では原則認められていないパソコンなどの使用は完全に自由です。

法案など書類は全てデジタル化されていて、審議はオンラインでも見られるため議論への参加や投票の時以外は出席する必要もないといいます。

エストニア議会のアンナ・スーリング議員は、

議会での議論はスマホやタブレットで確認できます。法案などの情報をタブレットで探すのは非常に楽です。

東京海上日動火災保険株式会社

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エストニアのIT技術を生かそうとしているのが日本の保険大手、東京海上日動。

電話会議の相手はエストニアに拠点を持つIT企業「プラネットウェイ」。

東京海上日動の担当者は、

実用化に向けて進めていきたいが、できますか?

プラネットウェイの担当者は、

問題ない。

東京海上日動はプラネットウェイの技術を使い保険金の支払手続きを円滑化する計画です。

現在、事故にあった場合、保険金の支払いには病院や保険会社などとの書類のやり取りが必要で、支払いまでに平均2ヶ月以上かかります。

今後はプラネットウェイの情報を安全に送る技術で病院と保険会社が電子化された医療情報を直接やり取り。

保険金の支払いは1ヶ月ほど早くなるといいます。

東京海上日動のIT企画部、明道仙丈さんは、

従来も電子化は検討していたが病院と安全にデータを交換するのが難しかった。今回、エストニアの技術でできる。

日本の保険業界にとっては大きな変化ですが、エストニアの技術者からはこんな声も…。

日本にこのシステムがないことに驚いた。日本は発展しているイメージだったから。

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