創業100年を超える老舗の和菓子店が業界の常識を覆すお菓子を生み出しました。
その開発のきっかけには意外な事情がありました。
フルーツ餅
大阪府吹田市、住宅が立ち並ぶ一画に行列ができていました。
お客様たちはシャッターが開くやいなや店の中へ。
お目当ては、
メロン4つ。
ただのフルーツ…ではない、一口サイズのフルーツを餅皮で包んだ、その名も「フルーツ餅」です。
たっぷりと含まれた果汁が売りのフルーツ餅。
一口食べると、
おいしい!食べた瞬間、めっちゃ果汁が出てくる。
驚くほどジューシーな餅。
その誕生の秘密に迫ります。
松竹堂
[blogcard url="https://www.fruitmoti-shoutikudou.jp/"]
創業128年の老舗、松竹堂。
元来、最中やどら焼きが人気の和菓子店です。
こちらで32年前から販売しているのが彩り鮮やかなフルーツ餅(1個250円~)。
使うのは旬の果物で、今の時期はパイナップル、ぶどう、メロン、洋梨、キウイ、柿などが並びます。
生みの親は4代目店主の松本勝隆さん(61歳)。
果汁
開発当初、フルーツ餅の最大の売りである果汁に悩まされたといいます。
果汁で餅がとけていく。餅は水分に弱い。
フルーツ餅の皮はとても薄く、果汁が触れただけで簡単に崩れてしまいます。
そこで考案したのが水分をギリギリまで減らした独自の白あんです。
まず白あんで果物を包みます。それを今度は餅皮で包みます。
こうすることで白あんがスポンジの役割を果たし、果汁が直接、餅皮に付きません。
また白あんの糖分も減らしていて果汁が加わることで丁度よい甘さに、果物本来の味が楽しめます。
くだものカワタ
こだわりは果物にも。
仕入れに訪れた松本さん、しきりに果物を触っていました。
完熟する前のものを探している。
毎日、果物の熟れ具合を確かめ、完熟の一歩手前になったものを使用しています。
お客様が食べる、丁度その頃に果物が完熟を迎えるための工夫です。
誕生のきっかけ
フルーツ餅誕生のきっかけは意外なことでした。
長男と次男、見ての通りケーキばかり食べていた。和菓子には見向きもせず、ケーキ屋になる恐れがあるかなと。やはり和菓子屋として店を継いでほしかった。
ケーキに見劣りしない華やかな和菓子を作ることで和菓子業界に興味を持たせようと考えたのです。
その長男の松本勝成さん(37歳)は現在は5代目を目指して修行中。
フルーツ餅はほかの和菓子屋で見ない色が使われていて興味が湧いた。
「後継者対策の作戦は成功した?」
大成功かもしれない。
お客様と息子の両方を虜にしたフルーツ餅。今後、どのように受け継がれていくのでしょうか?