2~3年前からブームになっている「ちょい飲み」ですが、7月からはハンバーガーショップのファーストキッチンでもアルコール販売を本格的に始めるなど、いま「ちょい飲み」に第二の波が来ています。
進化する「ちょい飲み」ですが、その背景にあるのは実は働き方改革です。
ファーストキッチン株式会社
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ハンバーガーチェーン「ファーストキッチン」が運営する店舗。7月3日の午後5時、店先にある新メニューの看板が登場しました。
樽生お待たせしました。
その新メニューとはアルコール。「ちょい飲み」需要を取り込もうと生ビールやワイン、ハイボールなど5種類のアルコールの販売を関東と関西の一部の店舗で始めました。
価格は単品だと300~500円。しかしハンバーガーのセットに追加で100円をプラスするとソフトドリンクがハイボールに大変身。
さっそく注文をしていた男性は、
「ちょい飲み」に来た。普通に入れてビールも飲めるので。
こうしたニーズを取り込もうと7月11日からはアルコールに合う新メニューを発売。チリソースとソーセージをはさんだ2種類のピリ辛バーガーやスパイスの効いたフライドポテトでお客様の「ちょい飲み」欲を刺激する狙いです。
ファーストキッチンのマーケティング部、柴山絵里子マネージャーは、
仕事の後にちょっとしたご褒美としてご利用いただきたい。
働き方改革
ファーストキッチンが「ちょい飲み」に乗り出した背景のひとつが働き方改革。
労働時間が7ヶ月連続で減少している一方、5月の勤労者世帯の実収入は前年と比べ1.7%減り3ヶ月連続で減少しています。
財布のヒモをいかに緩めるかが外食産業の課題となる中、ファーストキッチンは「ちょい飲み」需要の取り込みに期待を賭けたのです。
今まで当店(ファーストキッチン)を利用したことがないお客様にも来てもらえる。まずアルコールが飲めることを知ってもらいディナータイムは20~30%の売上増にしたい。
ファーストキッチンのチェーン店でのアルコール販売は7月中に関東と関西の約70店舗に拡大する予定です。
ミニストップ株式会社
[blogcard url="http://www.ministop.co.jp/"]
「ちょい飲み」はコンビニでも始まっています。
ミニストップの新業態「CISCA」。アルコールを禁止するところが多いコンビニのイートインですが、ここではあえて「ちょい飲み」を謳っています。
飲酒はイートインではダメなはず。ここはOKなのでいい。
ビールや輸入ワインなど約120種類のアルコールを販売。缶ビールや酎ハイを購入したお客様にはグラスを無料で貸し出します。
また生ビールの提供も始めました。
長居しないし、さっと飲んで、さっと帰る。水分をとって帰る。水分じゃないけれど。
さらに店内で買ったツマミは店員が皿に盛り付けてくれます。ウインナーの場合はボイルをして一口サイズにカットもしてくれます。
3年前にオープンした店舗では最近、ツマミの価格帯を変えたといいます。
ミニストップのCiscaチーム、迎辰也マネージャーは、
以前は生ハム700~800円の品揃えだったが、低価格で小容量のものを品揃えするようになった。
手頃感のあるツマミを増やしたこともあり、売り上げは3年前に比べ1.5倍になり、客数も1.5倍に増えました。
2人で訪れたお客様は缶ビール2本とツマミで合計1,800円。1人900円でかなりのボリュームです。
家に帰る手前で同僚と話をしながら飲むというような飲み方をしている。
居酒屋より金額を半分程度に抑えられることもあり、居酒屋に行っていたサラリーマンがこちらのコンビニを利用しているといいます。
立地を厳選しながらニーズのあるところはこの業態で出していく。
ますます財布のヒモが固まる中、「ちょい飲み」需要はさらなる進化を遂げています。