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[WBS]オミクロン株急拡大で…医療ひっ迫対策に"コンテナ"活用[株式会社デベロップ]

ワールドビジネスサテライト(WBS)

コロナの感染が急拡大する中、いま医療のひっ迫をどう防ぐかが大きな課題となっています。

その対策に一役買いそうなのがこちらの黒いコンテナです。一体どのように活用するのか取材しました。

コンテナがコロナ病床に!?走る!レスキューホテル

道路を走る大きな車両。四角い箱のようなものが見えますが牽引されているのは黒いコンテナです。

到着した先には同じコンテナがずらりと並んでいます。

よく見るとドアが付いています。

開けてみると中にはダブルベッド、そしてテレビに冷蔵庫。

さらに浴槽付きのユニットバスまで。

実はこのコンテナ、ホテルなんです。その名もレスキューホテル。

開発したのはトランクルームなどを運営するデベロップの岡村健史社長。

タイヤが付いている。

タイヤがあることによってコンテナを動かすことができる。

災害が起きた時、これからはレスキューホテルがいつでもどこでもすぐに駆けつける。

このコンテナ型ホテル、普段はビジネスホテルとして営業していますが、非常時にはレスキューホテルとして必要とされる現場に向かい臨時の宿泊施設として活用できるのです。

今このレスキューホテルが新型コロナ対策に生かせるとして注目を集めています。

年明けから感染者数が急増している栃木県。

県の職員たちはオミクロン株が急拡大する中、医療体制のひっ迫を防ぐための対策に全力を上げていました。

これまで軽症者を収容するホテルなどの確保に奔走してきましたが…

栃木県 医療政策課、福田研一課長。

昨年の秋以降、人の動きが活発化して、ホテルも予約が入り確保するのが非常に難しい。

そこで県が採用したのがあのコンテナ型のホテルでした。

病院の受け入れやレスキューホテルを活用した臨時医療施設が一体となって次の波に立ち向かい、乗り越えていきたい。

レスキューホテルの設置場所として選ばれたのはこの空き地。

これは広くていい。

県はここを医師が診察したり、患者が入院できる臨時の医療施設にする計画です。

既存の店舗から縦列に運び込んで30室のお客様が泊まるスペースをつくりたい。

運び込んで電気と上下水道をつなげば数時間で稼働することが可能。

レスキューホテルは現在、全国の44ヵ所に合わせて1,475室あります。

自治体からの要請に合わせて近隣の拠点から必要な数のコンテナホテルを移動させる体制を整えています。

栃木県の要請を受け、今回移動させるのはこちら。隣接している茨城県で営業しているホテルのコンテナです。

この日、コンテナホテルを移動する作業が始まりました。

ジャッキを外して、車両に連結させるまでにかかる時間はおよそ30分。

いよいよ出発です。

今回、栃木県が要請したのは126室。うち60室を県外の拠点から移動させます。

出発から1時間後、栃木県南部の現場に到着。次々に運び込まれます。

空き地だった場所はあっという間にコンテナで一杯に。

プロパンガスに水道管、そして電気の配線を繋げば完成です。

1月中旬移行、運用を始める予定です。

非常時の活用に期待!コンテナ型レスキューホテル

岡村さんがレスキューホテルのアイデアを思いついたきっかけは東日本大震災。仮設住宅の建設に時間がかかり長い間、体育館で避難生活を余儀なくされた人々。

その姿を被災地で目の当たりにし、何かできないかと考えたのです。

災害に遭った時こそ、まず暖かい環境を維持したい。

「これなら快適に休めます」という環境づくりをしたいとホテルをつくった。

災害への備えとしてもレスキューホテルの活用が始まっています。

2年前、豪雨災害に見舞われた熊本県八代市。

球磨川が氾濫し、500以上の建物が全壊。多くの人々が住む家を失いました。

そこで八代市は次なる災害に備え、レスキューホテルを非難施設として活用する協定を結んだのです。

災害が起きた場合はデベロップが市にコンテナホテルを有料で貸し出します。それを移動式の避難施設として活用する計画です。

現在、こうした災害時の協定を結ぶ自治体は78にのぼります。

想像できないような災害がいつ起こるかわからない。

いつでもどこでもすぐに駆けつけられるサービスを強く展開していきたい。

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