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[WBS]中国共産党100年の変貌!毛沢東 鄧小平…盛衰の歴史[中国共産党]

2021年7月1日

ワールドビジネスサテライト(WBS)

7月1日、中国共産党の結党100周年を記念する式典が開かれました。

式典で習近平国家主席は世界第2位となった経済発展などをアピールし、共産党の一党独裁を正当化しました。

今後、中国と世界を取り巻く関係はどうなるのでしょうか。

中国共産党

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天安門広場に詰めかけた7万人もの共産党員。

習近平国家主席、

すべての中国共産党に熱烈な祝意を。

1921年7月、上海の住宅で立ち上がったのが中国共産党。

1949年、蒋介石率いる国民党との内戦に勝利し、中華人民共和国を建国します。

経済発展を目指す中、強引に進めた大躍進政策による飢餓と文化大革命の混乱で数千万人が命を落としたとされています。

風向きが変わったのは共産党結党からちょうど50年目の1971年。中華民国に代わり国連加盟が認められ、ここから国際舞台で存在感を高めます。

ニクソン大統領が電撃訪中し、アメリカと国交回復への道筋をつけると日本とも国交正常化を実現します。

1976年、毛沢東の死後、中国共産党を率いたのは鄧小平です。

改革開放路線で市場経済を導入、後に世界の工場となる道を切り開きました。

しかし、1989年6月4日。天安門事件が起こります。

7月1日、式典が行われた天安門周辺で多くの血が流れました。

国際社会からの批判は続きましたが、2001年にWTO(世界貿易機関)へ加盟し、本格的な経済成長が始まります。

そして、北京オリンピック。

2桁の経済成長を続け、2010年、ついにGDP(国内総生産)が名目で日本を抜き、世界第2位の経済大国になりました。

そして、2012年。最高指導者となったのが今の習近平国家主席です。

巨大経済圏構想「一帯一路」を進める一方、軍事費も増やし、アメリカとの対立も目立つようになりました。

偉大で輝かしく、正しき中国共産党、万歳。

1時間に及んだ習近平国家主席の演説。

元外交官で国際情勢に詳しい専門家が注目したのは、その服装でした。

キヤノングローバル戦略研究室の宮家邦彦研究主幹、

人民服を着ているのは習氏だけ。

私が中国共産党の後継者として引き続き統治するという強い意志の表れ。

その習氏が強調したのは対立が深まる国々への牽制の言葉です。

中国人民はいかなる外来勢力もわれわれを圧迫するのを絶対に許さない。

そんな妄想を企てるものがいるなら、必ずや14億人の人民が血肉で繋いだ鋼鉄の長城で血だらけになるだろう。

アメリカなどによる中国包囲網を意識して強い言葉を発した習氏、その意味は…

複雑な国際情勢をもたらす新たな矛盾、新たな課題を深く理解しているが、あえて戦うんだと。

非常に勇ましい言い方を引き続きしているのは今までのやり方は間違っていないという強いアピール。

さらに香港の民主派の弾圧など国際社会が反発する中、演説終盤に習氏が触れたのは台湾問題でした。

「台湾独立」の陰謀を断固として打ち砕く。

いかなる者も中国人民の国家主権と領土保全を守る強固な決心と意思、巨大な力を見くびるな。

中国共産党の創立100年をめぐって各国はどんな反応を示しているのでしょうか。海外の3つの支局と順番に中継を繋いでいきます。

最初は経済や安全保障と行った分野で中国と対立が続くアメリカです。ワシントン支局の中村寛人さん、

午前9時を過ぎたワシントンのホワイトハウス前です。中国共産党や習主席の演説について国内のメディアはその評価を記事として掲載しています。

バイデン政権が中国に対して覇権争いや人権問題などで厳しい姿勢を示す中、アメリカの有力紙、ウォール・ストリート・ジャーナルは中国共産党について「中国国内と海外での評価の色合いに差が出ている」と指摘しています。

一方、ワシントン・ポストは習主席の演説の中身を伝えた上で中国政府の台湾や香港への対応を念頭に「習主席の強引なやり方は北京の国際的なイメージを低下させる主な要因だ」などと冷ややかに書き綴っています。バイデン政権は中国をと唯一の競争相手と位置づけていて、あらゆる政策において中国を意識していますが、ホワイトハウスは現時点では公式な見解を発表していません。

ロンドン支局の中村航記者、

こちらイギリスです。イギリスで関心が高いのはイギリスと中国の間で約束でもある香港についての問題です。

共産党の創立を記念する7月1日というのは1997年に香港をイギリスが中国へと返還した人同じ日です。

イギリスのラード外相はツイッターで施行から1年経った国家安全維持法を念頭に「香港の繁栄は根本的な自由と法の支配によるもの、イギリスは市民への責任から逃げない」と共産党の圧力を恐れて、香港からイギリスに逃げてくる人を受け入れる姿勢を改めて示しました。

もう一つ、デイリー・テレグラフという新聞です。共産党の帽子をかぶった赤い竜が世界地図の柄をした誕生日ケーキを燃やし尽くすというものです。中国の暴力的なまでの影響力の強さを示しています。

一方でドイツやフランスといったEU(ヨーロッパ連合)のリーダーたちはこれといったコメントをしていません。中国との経済的な結び付きが強いヨーロッパの立場が滲んで見えます。

北京支局の佐藤真人記者、

7月1日の取材で最も注目をしたのはおよそ7万人という大勢の人間がマスクをせずに天安門広場に集まったことです。その背景には政府の厳格な管理があります。

こちら、私のワクチンの接種の証明書ですが、中国製のワクチンの接種が完了した人のみが会場入りを認められました。

ところが会場では厳格な管理の一方、報道陣も参加した人もマスクを外すことを求められました。特製のマスクが現場で配られましたが、結局使われることはありませんでした。マスク無しでも大規模な行事を行えるということを世界に強くアピールする表れと感じました。

こうして開かれた式典ですが、習近平氏にとっては通過点でしかありません。来年2月の北京オリンピック、そして秋には5年に1度の党大会が控えています。北京オリンピックでコロナからの復活と経済発展を改めて国際社会に示すとともに、党大会で異例の3期目に入ることで長期政権を揺るがないものにする思惑があると見られています。

しかし、足元では中国を共産党が統治する正当性の源である経済発展に影響を及ぼしかねないある異変が若者たちの間で起きています。

腹を出して寝転がる姿。横になったままのおしゃべり。こちらは食事の様子。中国の動画投稿サイトには今、こうした若者の姿が溢れ、社会現象となっています。彼らは「タンピン族」、タンピンとは"寝そべり"という意味で、つまり「寝そべり族」の若者たちです。

寝そべり族の価値観は何もかもが最低限でいいということ。仕事も最低限、消費も最低限、将来への向上心もほとんどありません。

そんな寝そべり族の1人を訪ねました。中国・内陸部に暮らす周さん(23歳)。今年、大学を卒業したばかりで両親と3人暮らし。

2~3日に1回、スマホのアプリで探す日雇いの仕事に出掛けます。1ヵ月の収入は日本円にして2万円から3万円程度。

最低限の暮らしをするワケは…

高級車やいい服など誰だって欲しいと思う。

でも考えないようにしている。悩みが増えるだけだから。

経済成長した中国ではマンションや車などの価格も上がっています。周さんは手に入らないものは望まなくなったといいます。仕事のない日は映画を見たり、ゲームをしたり、両親からも干渉されず自由に過ごしています。

法律に違反しない限り、僕たちに誰も何も言えないよね。

こうした若者の価値観は長らく中国の経済成長を支えてきた現場に影響を及ぼしています。

上海から車でおよそ2時間、浙江省湖州市にある町工場。

東南アジアや中東向けに洗濯機のモーターを製造しています。

父親とともにこの工場を経営する孫華さん、今ある悩みがあります。

今年は20人の工員を募集したかったけど今は十数人しか募集できていない。

人手不足だという孫さん。特に若者が集まらず、集まったとしても40代から50代。

孫さんが見せてくれたのは求人票です。閑散期の給与は日本円にしておよそ5万円と5年前の1.5倍にまで増やしましたが、

昔の工員は深夜2~3時まで残業をして仕事があればやる。

争って仕事をしたと先代の父から聞いた。今は午後8時までの残業も嫌、休みたいと言う。

仕事観が大きく変わった。

工場労働が敬遠される一方で、人気を集めるのが食事のデリバリーなどのサービス業。社会保障が整備されていないことなどが問題となっていますが、

工場は働きづらい、残業もある。長時間勤務の割に給料が安く自由もない。

前は靴工場で働いていたが管理が厳しくて給料が低くて退屈だった。

若者たちが強調するのは自由を優先したということ。

中国では宅配サービス業の労働者が2019年に1,000万人を突破。新型コロナ以降も需要の増加に伴い働く人は増え続けています。

今の若者は工場労働は有っても無くてもいいと思っている。

これは社会の進歩がもたらした悩みだ。

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