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[WBS] 「企業子宝率」で何が見える?

2016年4月5日

ワールドビジネスサテライト(WBS)

企業子宝率

企業子宝率は男女問わず1人の従業員が在勤中に持てる子供の数です。

新たなワークライフバランスの指標として注目を集めています。

オリックス株式会社

[blogcard url="http://www.orix.co.jp/grp/"]

オリックスグループでは女性正社員の約3割がワーキングマザーです。

育児休業やベビーシッターの補助など手厚い育児支援を行っています。

自らもワーキングマザーの人事部の脇真由美課長は言います。

「これい以上の制度はない」というくらい整っていると思う。会社でワーキングマザーがたくさん歩いている。たくさん仕事をしているのは「すごい環境だ」と言われる。

しかし企業子宝率で見るとオリックスグループは全国平均の1.30を下回る1.19です。

財務部の矢野晴香さんは時短制度を利用して保育園のお迎えにいきます。
現在は上司や同僚に恵まれていますが、大企業なので人事異動などで環境が変わる不安は拭えないそうです。

会社の特に男性の方々の意識が一番大事だと思う。

渥美由喜主任研究員

株式会社東レ経営研究所の渥美由喜主任研究員。

[blogcard url="http://www.tbr.co.jp/"]

企業子宝率を考案したのは渥美由喜主任研究員です。

大企業は制度が整っていて子育てがしやすいと言われているが、一方で長時間労働で子育てしながら働きづらい環境。制度よりも風土がはるかに社員の行動を左右する。なかなか風土は見えにくい。風土を定量化する指標として子宝率を開発した。

株式会社NTN袋井製作所

[blogcard url="http://www.ntn.co.jp/japan/index.html"]

静岡県袋井市にある株式会社NTN袋井製作所。
自動車のドライブシャフトを製造している従業員259人の中小会社です。

この会社の企業子宝率は全国平均の1.30を大きく上回る2.15です。

子育てする社員の満足度が高い理由は中島淑岳社長にあります。

中島淑岳社長は毎日2回、社内を見回り社員の顔色を見て回ります。

顔色を見ています。その人たちがしんどそうかどうか。

社員に何か不安があれば、すぐに解消することが大事だといいます。

株式会社NTN袋井製作所でも最初から育児がしやすい職場だったわけではありません。

10年前、会社の設立と同時に入社した夏目和美さん。
妊娠して誰に相談するか悩んだ時に目に入ったのが同じフロアに居る中島淑岳社長。

社長室のドアをたたいて話をしに行くのは勇気がいるが、いつも近くにいるので相談しやすい。

夏目和美さんは会社と相談しながら育児休養や時短制度を一から作っていきました。

従業員数と企業子宝率の関係

大企業のほうが子育てがしやすいイメージがありますが、従業員数500人以上の企業の平均値はは全国平均1.30を下回る1.22なんです。
企業子宝率は従業員数が少なくなると上昇して10~29人の企業では1.38と全国平均を上回ります。

中小企業は人に会社・制度を合わせます。大企業は制度に人を合わせようとする。

株式会社いちまるホーミング

[blogcard url="http://ichimaruhoming.jp/"]

静岡県焼津市にある株式会社いちまるホーミング。
住宅リフォームを手がける会社です。

この会社の企業子宝率は2.17と非常に高い数字です。

従業員20人と小さい企業ですが5年間で売り上げが倍増しました。

松村吉樹社長はその原動力を女性社員と言います。

建築業は人が来ない。私の会社では女性が主力になる。

会社の好業績を牽引している精鋭チームは女性だけのチームです。

所属している女性社員全員が中途入社です。
その多くが子育てと仕事の両立のために株式会社いちまるホーミングに転職しました。

誰かが子どものこことで学校から呼び出されると「大変だね、早く帰ってあげな」と言える。

2人の子どもをもつシングルマザーの営業部の糟屋実華さんは7年前に清掃の仕事を辞めて転職してきました。
糟屋実華さんの強みは訪れるお客様の目線に立てることです。

子育て世代のお母さんはざっくばらんに話してくれる。盛り上がってしまうこともある。

糟屋実華さんは昨年、念願のマイホームを建てました。
仕事と育児を両立して、充実した日々を送っています。

そんな糟屋実華さんたちの姿を見て入社を決めた女性もいるそうです。

企業を通して見た少子化の現場、制度とともに風土の改善が求められているのかもしれません。

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