日本で1年間で売れる衣服の数はおよそ13億着と1990年以降ほぼ横ばいです。
ところが供給量を見てみると2倍以上に増えていて28億着にもなっています。
その差、15億着が余剰在庫、つまり売れ残りということになり、ブランドイメージを保つために廃棄処分されるものも少なくありません。
こうした状況を食い止めようと「改名」をキーワードに新しい取り組みを始めた企業があります。
株式会社FINE(ファイン)
[blogcard url="https://c-fine.jp/"]
のどかな奈良市の郊外。
その一角にある工場を覗くと、中には洋服がズラリと並んでいました。
実はここにある洋服、さまざまなアパレルメーカーの売れ残り品を買い取ったもの。
ファインの津田一志COOは、
洗濯ネームの付け替え作業をやっている。
会社名が分かると、どこのブランドか分かるので、うちの会社名に変えている。
ブランド名や企業名が書いてあるタグを切り外し、別のタグに付け替えていました。
もとのブランドが分からない状態にして「リネーム」というブランドに改名して販売するのです。
Rename(リネーム)
[blogcard url="https://www.rename.jp/"]
在庫で販売した先で大幅に値下げされるとブランドイメージに良くない影響が出る。
それをいかに防ぎながら在庫を有効活用するか。
例えば人気のショップで取り扱っているイタリア製のワンピースは4割引。
百貨店でも展開するブランドのニットは7割以上の値引きとかなりお買い得です。
仕入れた量やサイズなどで価格は変わりますが、多くは定価の3割から7割の価格で販売しているといいます。
衣料品の在庫を買い取り、さまざまなルートで販売するビジネスをきっかけに2016年にリネームはスタートしました。
わずか2年ほどでおよそ25万点を販売し、ブランドは急成長しています。
企業の在庫問題を解決したかった、廃棄の現状も知った。
廃棄したことが世に出ること自体、ブランド毀損につながるという考えも
ブランド名が無くなることによって高品質の商品を安く購入できること以外にこんなメリットも。
若者向けのブランドは年上は手に取らないが、年上が着て似合うものは絶対ある。
そういった機会が増える。
今後も商品ラインナップや販路を拡大し、消費者に知ってもらう機会を増やしたい考えです。
適切に消費者がものを選ばないと在庫の問題は解決していかない。
少しでも伝わるような活動をしていきたい。