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[WBS]【イノベンチャーズ列伝】どこでも「映画館」!

ワールドビジネスサテライト(WBS)

世の中を変えようとするベンチャー企業に焦点を当てるイノベンチャーズ列伝。

ヒット作が相次ぎ、活況に見える映画業界ですが映画館の数は地方を中心にこの10年でおよそ2割減少しています。

こうした中、映画を身近に楽しめる場所を増やそうと立ち上がったベンチャーがありました。

どんな場所でも映画館に、映画の新たな楽しみ方を作り出すベンチャーとは?

株式会社スノーピークビジネスソリューションズ

[blogcard url="http://snowpeak-bs.co.jp/"]

相内優香キャスター、

こちらのビルで映画が上映されるということなんです。

ここは映画館ではないですね。結構、人が集まっています。

ここは4月にオープンしたキャンプがテーマのシェアオフィス「Camping office osoto」。

およそ30人のお客様が集まりました。

上映を始めます。

照明を落とし…

この日上映をしたのはインドを舞台とした映画「賢者たちの食卓」。

毎日10万食を無料で提供する寺院のドキュメンタリーです。

観客はスクリーンに釘付けです。

1時間ほどの上映で料金は1,500円。

映画館との違いは?

途中でカレーのにおいがしてくる。

なんとこの上映会、映画の後、舞台であるインドにかけてカレーを食べながら映画を振り返る交流会付きだったのです。

見て帰る普通の映画と違い思ったことを共有できるのはいい。

主催者も手応えを感じていました。

主催者のスノーピークビジネスソリューションズの飯田圭さんは、

この場所を知ってもらいたい。普段来ない人が来てくれる。

popcorn

[blogcard url="https://popcorn.theater/"]

ポップコーン、今回映画を上映するために利用したサービスです。

現在は旧作を中心におよそ130の作品が登録されています。

例えばアスペルガー症候群を題材としたスウェーデン映画や1960年台の怪獣映画などシネコンではお目にかかれない作品が並びます。

それらをインターネットで配信。

あとはプロジェクターなどの設備があればどこでも上映できます。

通常、個人上映では主催者は高い場合で30万円ほどの上映料を権利元に支払います。

このためチケットが十分に売れないと赤字になります。

ポップコーンでは売れたチケットの枚数に応じて権利元へ上映料を払う仕組みです。

主催者は初期費用の負担が少なく利益を確保しやすいのです。

ポップコーンへの手数料と権利元への上映料は合わせて800円ほど。

これに場所代などを上乗せした金額がお客様から集めるチケット代になります。

株式会社ポップコーンシアター

このサービスを生んだベンチャーを訪ねました。

ポップコーンシアター、大高健志共同代表。

美大出身の大高氏は元々映画やアートなどが中心のクラウドファンディングサイトを運営していました。

ビジネスと文化の両軸が必要だがお金がついてこない。そこを解消したい。

そしてクラウドファンディングに手応えを感じ始めていたおよそ3年前、転機が訪れます。

ある日、クラウドファンディングで映画を作った監督たちと飲んでいた大高氏。

完成おめでとう!

ありがとう。おかげで良いものができた。

しかし、酔ってくると意外な弱音が…

やっぱり続けられないかもな…

なんで?これからじゃないか!

上映してくれる映画館が減っていてね。収入が…

そんなぁ…

せっかく映画を作れてもこのままじゃダメだ。

そんな時、大高氏の前に現れたのが現在の共同代表、ナカムラケンタ氏です。

ナカムラ氏は以前から全国の求人を乗せるサイトを運営し、よく地方を訪ねていました。

その中で…

いろいろな地域に行くと、昔は映画館があった、昔は人通りがすごかったと聞く。

そういう人たちには映画の上映会は求められている。

地方の映画ニーズの高まりを感じたナカムラ氏は大高氏にこう持ち掛けました。

地方で映画を仕掛けてみないか?

何言ってるんだ。地方こそ映画館が減っているじゃないか。

違う違う。カフェとかで上映するんだよ。

映画を上映して人を集めたいという声が地方では多く聞こえていた。

何とかそういうところで上映できる仕組みを作れないかな。

そうか、映画以外で利益を出せるなら上映できる場所はいくらでもありそうだ。

やってみよう!失敗しても意味のあるチャレンジだ。

そして2017年、どこでも映画を上映できるサービス「popcorn」をスタート。

会員数はおよそ4,000人。

カフェは宿泊施設などさまざまな場所で600回以上の上映会が行われました。

映画をみんなで見る体験が盛り上がっている実感はある。

観客が伝える側に回れる仕組みとして広がるとポップコーンは広がるし、映画人口の裾野も広がっていくのでは。

観客だった人を伝える側に。

大高氏は最近、上映会を開くノウハウを伝える講習会を始めました。

地方はイベントの機会がない。そういう所に楽しいことを持って行きたい。

地方にミニシアターが復活して、周辺にポップコーンシアターができ、連動して「新作はミニシアター、旧作はポップコーンシアター」という形で盛り上げていって、映画文化を日常にしていくのがゴール。

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