ビジネス関連 モーニングサテライト

[モーニングサテライト]欧州の環境重視はどこまで?クルマの生産から販売も…[ビー・エム・ダブリュー株式会社]

モーニングサテライト

ヨーロッパではEV(電気自動車)へのシフトが加速していますが、すでにその先を見据えた動きも見られます。

生産から販売に至るまで環境を意識して車の在り方を大きく変えつつあるヨーロッパ。

その最新動向を取材しました。

ビー・エム・ダブリュー株式会社

[blogcard url="https://www.bmw.co.jp/ja/index.html"]

イギリス・ロンドン。

今週からある環境規制が強化されました。

ロンドン支局の中村航記者。

排気ガスが多い車が課金されるというエリアが一気に広まりました。この幹線道路の向こう側、目印となるのは緑色の看板です。

2019年にロンドンで導入された環境規制「ULEZ」。

これは排ガスをめぐって基準を満たさない車が入ると課金されるというもので、適用範囲がこれまでのロンドン中心部から住宅が多い地域を含むエリアまで、広さにしておよそ20倍になりました。

イギリスでは2030年にガソリン車の新車販売が禁止されます。

またEU(ヨーロッパ連合)は2035年にはハイブリッド車も含むガソリン車の販売も禁止する方針です。

ヨーロッパのメーカーにとって環境はまさに死活問題。

電気自動車へのシフトのみならず次を見据える動きが進んでいます。

9月、ヨーロッパ最大の自動車ショー「IAAモーターショー」でBMWが発表したのは…

BMWのオリバー・ツィプセCEO。

世界で最も持続可能な車メーカーになる野望を体現した車だ。

完全に循環する形で設計されている。

コンセプトカー「i ビジョン サーキュラー」。2040年の投入を目指す未来の車です。

特徴は100%リサイクル可能な素材を使っていること。車体には塗料を使わず、電池は再生可能な全固体電池を使います。

つまり100%再生可能というプラスアルファを提案しているわけです。

中小メーカーももちろん環境車の戦略を重視しています。

小型の電気自動車を製造する新興メーカー「XEV」。特徴的なのはバッテリーの仕組みです。

XEVのサイモン・クレッチマープロジェクトマネージャー。

車自体と電池の交換システムを開発した。特に都市部の利用者を想定している。

この自動販売機のような箱に充電済の電池が入っています。充電が切れそうなとき、このボックスが置かれたガソリンスタンドに行けばフル充電の電池に交換可能。ガソリンスタンドの役割が完全に変わることを想定しています。

利用者が交換するのでなく、私たちやパートナーが交換をすることで電池交換をサービスとして提供する。

環境先進国スウェーデンの自動車メーカー「ボルボ」は車の構造から販売方法に至るまで環境を念頭に入れた戦略を取り入れます。

ベルギーのボルボの電気自動車工場です。新しい電気自動車の生産がここで始まったというので製造ラインを見せてくれることになりました。

今月、ここで生産を始めたのがボルボにとって初めてのEV専用車「C40リチャージ」です。

航続距離は420キロ。日本でもまもなく販売を開始する予定です。

資源保全の観点から本皮を使わないレザーフリーを採用しました。

ボルボ・カーの内装担当者、レッカ・ミーナさん。

表面の素材は100%リサイクルできるポリエステル。

カーペットなどはペットボトルからのリサイクルで車1台で71本のペットボトルを利用している。

こうして完全に本皮をなくした。

環境車にシフトするボルボは販売の方法についても環境を意識しています。

ボルボ・カーのマリア・ダグマンさん。

面倒を省いて価格の透明性を高くするため「オンライン販売」で定額払いの「サブスクリプション」で売る。

オンライン販売と短い期間でも解約可能な定額払い「サブスクリプション」です。

自動車メーカーにとってこれまでにも増して若い世代の取り込みが重要になっていますが、ボルボは環境問題に関心が高い若い世代にフィットする販売方法を取り入れ、顧客の開拓を狙います。

そして今後、EVはオンライン販売のみにする計画です。2030年に新車販売を全てEVにする予定のため店では新車を売らないという方向転換になります。

より多くのお客様をターゲットにできて売り上げも伸びる。

今までボルボを買いたがらなかった人にもリーチできるかもしれない。

顧客が本当に求めていることだ。完全EVメーカーになる良い機会だ。

-ビジネス関連, モーニングサテライト
-,