大阪市内にあるとある飲食店。
店内から一組のお客様が…
満席で入れなかった。
店内を覗くとご覧のように満席。
週末は予約がないと入れないほど人気です。
乾杯。
お客様の目当てはこのワイン。
わざわざ来て飲みたい店。
ほかでは飲めない味。
実はこの店のワイン、意外な場所で作っていました。
株式会社パピーユ
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大阪市中央区にある島之内フジマル醸造所。
こちらの店、週末は1日70人ほどが訪れる人気ぶりです。
本格的なイタリア料理も人気ですが、お客様のお目当てはこのワイン。
赤ワインと白ワイン、それぞれ1杯500円です。
おいしい。
フルーティ。
このワインを作っているのは店の1階。
ここは世界的にも珍しい都市型ワイナリーなのです。
仕掛け人は醸造家の藤丸智史さん。
通常、ワイナリーはブドウ畑の近くにありますが、ワインをもっと多くの人に楽しんでもらいたいと思い、5年ほど前にこの店をオープンしました。
ワイナリーは田舎にあるが、僕らはブドウを都会に持ってきてお客様が来やすい場所で楽しんでもらう。
ブドウを畑から運ぶのは大変ですが、室温などを郊外のワイナリーと同じ条件にすることで都市型ワイナリーを実現しました。
年間およそ3万本のワインを生産しています。
柏原ぶどう
この日、藤丸さんが向かったのは店から車で40分ほどの距離にあるブドウ畑。
ここでワインの原料となるブドウを栽培しています。
大阪はかつては日本一のブドウの生産地でワインが作られていました。
しかし、農家の高齢化などで耕作放棄地が増えました。
そこで藤丸さんは、その土地を譲り受けブドウの栽培法を一から学びました。
ワインの原料となるブドウを栽培することにしたのです。
ワイン産地なのにブドウ畑を引き継いでいけないのはワイン業界の人間として恥ずかしい。農家の人に感謝をして畑を次の世代に引き継いでいく。
清澄白河フジマル醸造所
3年前、藤丸さんは都内にも都市型ワイナリーを作りました。
東京都江東区にある清澄白河フジマル醸造所。
大阪のお店と同様、週末にはワインを求める多くのお客様が訪れています。
こちらの店では、山梨や山形などからブドウを運びワインを作っています。
買って帰るお客様も少なくないといいます。
藤丸さんはこれからも日本のブドウ畑を守り、ワインを作っていきたいといいます。
ブドウ畑がないとワインがつくれない。ブドウ畑が残ってワインづくりができて、みんな笑顔になってもらう。