アメリカのEV(電気自動車)の大手、テスラの車です。
この車、価格は1,000万円前後からと高級車。
テスラはこの高級車市場をいわば独占する形で急成長を遂げてきました。
ところが9月、ドイツの高級車ブランド、メルセデス・ベンツがEV専用ブランド「EQ」の第一弾となる車を発表しました。
そして、日本時間の9月18日、今度はアウディが初めて量産するEVを世界に向けて発表しました。
ドイツの自動車大手が相次いで高級EVの市場に進出することで競争が一層激しさを増していますが、テスラを含むEV市場の勢力図にも変化が起きそうです。
アウディジャパン株式会社
[blogcard url="https://www.audi.co.jp/jp/web/ja.html"]
アメリカ西部、カリフォルニア州。
電気自動車大手、テスラの本拠地があるこの場所をアウディは新たなEVの発表の場として選びました。
世界から集まったおよそ600のメディアが向かった先は大型の客船。
小林洋達記者、
いま私たちは船に乗ってサンフランシスコ湾を渡ってアウディの電気自動車の発表会会場に向かっています。この大規模な演出はテスラへの宣戦布告でしょうか?
船に乗ること1時間、すっかり暗くなった船の上空ではたくさんの光るドローンがアウディのロゴを作る演出。
発表会の会場の壁には巨大なプロジェクションマッピングと、とても1台の車の発表会とは思えない力の入れようです。
発表会
そして日本時間の午後0時半、発表会が始まりました。
アウディのアブラハム・ショット暫定社長、
高級路線でEVをリードする車がいよいよ登場する。
アウディを新たな未来に導く車だ。
アウディの作るEVがどれだけの車か世界にはっきりと示す。
e-tron
アウディ初の量産型EV「e-tron」です。
e-tronはフル充電の状態で航続距離が400キロメートル以上。
モーターを前輪用に1つ、後輪用に1つ搭載し、アウディが得意とする4輪駆動となっています。
テスラを上回る最大150キロワットの急速充電が可能で、これを使えばおよそ30分で充電が完了するといいます。
また先週、レクサスが採用を発表したサイドミラーの代わりにカメラを使う電子ミラーを採用しています。
このe-tronは日本では2019年後半の発売となりますが、本国ドイツでは年内に発売され、価格は7万9,900ユーロ、日本円でおよそ1,000万円となります。
アウディの技術開発の責任者はテレビ東京の単独インタビューに応じ、高級EVの市場でテスラを追撃することへの自信を示しました。
ウルリッヒ・ウィルドマン氏、
e-tronのデザインやインテリアは100%アウディの車に仕上がっている。
100年にわたり高級車を造ってきたので市場の競争では優位性がある。
アウディがEVにシフトするきっかけの1つが2015年に発覚した親会社、フォルクスワーゲンの排ガス不正事件です。
6月にはアウディの社長を務めていたシュタートラー氏も排ガス不正に関与した疑いで逮捕されました。
車の電動化を推進して排ガス規制をクリアすることはアウディにとっていわば背水の陣の戦いとなっていて、2025年までに20の電動モデルを市場に投入する計画です。
EVはCO2の削減を達成するための戦略のひとつだ。
今後プラグインハイブリッド車とEVの開発を続けることで2025年には年間販売台数の3分の1がこれらの電動車になると予想している。
ドイツの高級車メーカーがEVへのシフトを進めることで今後、高級EV市場は急速に拡大していきそうです、