
Z世代が政治を変える!?
選挙に"世代交代"の兆し
若者の聖地、東京・渋谷。
番組スタッフ
選挙に行ったことは?

大学生(23)

親から「行っときなさい」という感じで。
あまり行く気はなかったが言われて行った。
深刻な若者の政治離れ。その背景にあるのが…
社会人(28)

選挙の経験は28年ない。
選挙に行っても何も変わらない。
一方、海の向こうのアメリカでは…
先月の中間選挙で1995年以降に生まれたZ世代議員が誕生。そして…
ユース・ボートのメンバー

私たちは投票や地域社会について真剣に考えている。皆もそうでしょう?
これまで無関心だった若者たちが動き出しました。
民主党
ジョン・フェッターマン氏

ペンシルベニア州の上院議員に決まった?
若者の支持を集める民主党が上院で勝利。共和党の圧勝という下馬評を覆したのです。
民主党
バイデン大統領

この国の若者に特に感謝したい。歴史的な数の投票をしてくれた。
なぜ若者が政治を動かしたのか、このあと迫ります。
佐々木明子キャスター
ここからはアメリカの中間選挙で影響力を発揮した若者についてニューヨークの手塚記者と伝えていきます。

手塚明日香記者

私はいまマンハッタンの中心地、タイムズスクエアに来ています。
クリスマスが近づいているということもあって、かなり観光客の人たちの姿が増えてきました。
マンハッタン中心地の人手はかなりコロナ前に近づいている感じがします。
佐々木明子キャスター
手塚さんも中間選挙の取材で大忙しだったと思いますが、今回の結果はどういうふうに受け止めていますか?

手塚明日香記者

アメリカのZ世代は特に環境問題や社会問題に関心が高い人が多くなっています。
そして、そのZ世代の7割ほどがリベラルな考え方の民主党に票を投じたということが言われていて、このことが今回、民主党の善戦に大きく影響したということが言われています。
そして、7日には今回のZ世代の投票行動を受けて企業も社会問題に対応していかなければならないんだということが報じられいて、今回示した若者の影響力がアメリカ社会、そして経済にも多く波及していきそうです。
佐々木明子キャスター
今回、苦戦した共和党はZ世代の取り込みに追われそうですね?

手塚明日香記者

先日、ジョージア州の上院決選投票で敗れた共和党のウォーカー氏は選挙戦の中で「若者に社会を変える権利はない、文句があるならこの国から出ていけばいいんだ」と、かなり強気の発言をしていて、Z世代の取り込みを図るどころか苛立ちを示しているような場面もありました。
さらに選挙後、共和党内の一部から有権者の最低年齢を18歳より上に引き上げて、そうすることで有権者の中の若者の割合を減らしてはどうか、こういった声も上がっているようです。
共和党内で危機感を募らせているということが分かります。
佐々木明子キャスター
今回ほどZ世代が注目を集めた選挙はなかったわけですが、それだけ存在感が高まっているということですよね?

田中瞳キャスター

これまでの中間選挙の30歳未満の投票率はずっと20%前後で推移していましたが、2018年のトランプ大統領の時代に急に上がっていて、今回も27%と過去30年で2番目の投票率となりました。
佐々木明子キャスター
この数字をどう見ますか?

原田亮介キャスター

この数字は低いように見えますが、Z世代の人口に占める比率は日本の場合は13%、アメリカは20%。
特に接戦になった場合はこの人たちがどこに投票するかで変える力を持っている。
佐々木明子キャスター
日本では若者の選挙離れが続いていますが、そうした中、アメリカの若者がなぜ今回、政治を動かしたのでしょうか、ある取り組みを取材しました。

アメリカ 勝敗分けた若者表の裏側
ペンシルベニア州フィラデルフィア、かつて独立宣言が行われ、アメリカの政治を大きく変えた街です。
中間選挙から3週間が経ったこの日、ある高校を訪ねると…
高校生

みんな拍手!
中間選挙では10代から20代の有権者の27%が投票した。
ペンシルベニア州の上院選挙ではトランプ前大統領が支持した共和党候補に対し、民主党の候補が接戦の末に勝利。
勝敗を分けたのは7割が民主党を支持したという若者票でした。
今回、30歳未満の投票率は27%。決して高いとはいえませんが、僅差の選挙戦で大きな影響力を発揮したのです。
高校生

もし若者の半分が投票したら、どんなに影響力があるか想像して。
投票率がまだ低いのに結果を左右したなんてすごくやる気が出た。
実はこの高校生たち、若者に投票を呼びかけてきた「ユース・ボート」という団体のメンバー。多くは18歳未満で選挙権はありませんが、若者の投票率の低さに危機感を感じ、活動してきました。
ユース・ボートのメンバー

私たちは投票や地域社会について真剣に考えている。皆もそうでしょう?
自分たちの思いを実現するためには投票が必要だと訴え…
ユース・ボートのメンバー

郵便投票に必要なのが、みんなの友達「ポストくん」!
州内にある高校を訪問し、同世代の若者に選挙の仕組みを伝えるなど政治参加に必要な知識を高めようと働きかけてきたのです。
高校生

政治教育のシステムを考え直さなきゃ!
私たちの活動はうまくいっているけど、生徒がやっているのは本当はおかしい。
全国できちんとした教育が必要。
まだ投票権のない17歳の生徒。18歳で迎える次回の選挙に向け、早くも有権者登録を行うことに。
高校生

今、申請中…
見て!登録できたよ!
すごくいい気分!
こうした活動の結果、この高校ではほぼ全ての生徒が有権者登録を行ったといいます。
高校生

私のコミュニティーの権利を守ってくれる候補に投票できればいいと思っています。
政治に関心を持ち始めた生徒たちのため、この団体を立ち上げたのが教師のトーマス・クインさん。
PAユース・ボート 創設者
トーマス・クインさん

実は若者も政治に関心を持っている。
若者の投票行動は無視できない。
投票数は驚くほどのポテンシャルがあるし、注目すべきです。
アメリカでZ世代が政治の歴史を変える?
そして、日本では…この後、さらに迫ります。
アメリカ"Z世代の衝撃"は続く?
アメリカの中間選挙で勝敗を左右した若者票。投票を支援してきた高校生たちは今後さらにZ世代の影響力が強まると期待を寄せます。
ユース・ボートのメンバー

特に人工妊娠中絶などの問題について若者は今、政治に参加し始めている。
若者はこうした問題と政治がつながっていて、自分たちが投票しなければならないと気付き始めている。
ユース・ボートのメンバー

私たちの世代はアクセスできる情報量が多く、政治や社会を変える「力」を持っている。
社会や環境への意識が高いとされるZ世代。政治学者はこの世代がアメリカを変えていく可能性があると分析します。
ドレクセル大学
ウィリアムズ・ローゼンバーグ教授

若者は圧倒的に民主党に投票する傾向がある。
選挙が接戦となったときには勝敗に大きく影響を与える。
彼らはこれまでの若者と比べても長い期間、民主党を支持するのではないか。
佐々木明子キャスター
今回、自分たちの行動が政治を変えたという若者の成功体験が大きかもしれません。
こうしたZ世代が今後、選挙の構図を変えていきそうですね?

手塚明日香記者

若い頃は民主党を支持していた人も、年を取るとどんどん共和党に鞍替えしていく傾向がこれまでは見られていました。
ただ、今の若者は新しい時代の問題である中絶や環境、人種や性差別などそういった問題に関心が高くなっているため、こうした課題と向き合っている民主党について今後歳を取っても支持をしていく可能性が高いのではないかということが指摘されています。
そしてこうした流れは大統領選にも今後影響してくるかもしれません。
佐々木明子キャスター
共和党にとっては厳しい時代になるということですか?

原田亮介キャスター

そうとは言い切れないところもある。
選挙区の区割りは各州の州議会が権限を持っていることが多い。
そこで共和党が自党に有利なように割り当ててきたこともあるので、そこがどう変わってくるか。
「シルバー民主主義」克服は?
佐々木明子キャスター
ここまで、アメリカの若者の現状をお伝えしてきました。
そうなると気になるのは日本の若者の政治離れです。現状はどうなっているのでしょうか?

田中瞳キャスター

過去5回の国政選挙で30歳未満の若者世代の投票率は低迷が続いています。
さらに少子高齢化で若者人口が少ないため、今年の参議院選挙の投票数では若者が8.5%、そして60歳以上はおよそ48%と世代間で大きな差が生まれています。
このため高齢世代の意見が政治的な影響力を持つ「シルバー民主主義」とも言われます。
佐々木明子キャスター
これは圧倒的な数字の差ですが、こうなると若者の投票率の低さ、こうした現実も影響しているのかと思ってしまいますが、実際に若者の声を聞いてみました。

若者の不満…必要なのは?
大学生(21)

最近、増税がある。国民への負担が大きすぎる。
高校生(16)

もともと住んでいたところが待機児童がすごく多くて、待機児童数に関する政策は気になる。
大学生(18)

政治家が子育てとか知らないのかなと思うことがある。
年上の男性議員が多いから、まだ若い女性の意見を取り入れられていない。
いろいろと不満がある一方で政策への関心もあるようです。
では、どうすれば若者が選挙に行くと思うかと聞くとZ世代らしい考えも…
社会人(22)

ネットを使えば投票率が上がるんじゃないか。
大学生(18)

そもそも選挙があるということを知らない友達もいたので、今の時代ならインフルエンサーとかに広めてもらう。
高校生(16)

総理に対する不満を言える場所が若者はYouTubeやSNSのコメント欄。
若者の意見をもうちょっと取り入れる工夫が欲しい。
そんな中、こちらの大学生は…
ivote
荒川凛太郎さん

アメリカの中間選挙で「若者の投票行動」が結果が変わった要因として挙げられているのに感銘を受けている。
こう語るのは日本の若者に投票を呼びかける学生団体「ivote」の荒川さん。
中学校や高校で模擬選挙を行うなど選挙に関心を持ってもらう活動をしてきました。
日本で若者の投票率を上げるために何が必要と思うか聞いてみると…
ivote
荒川凛太郎さん

一つ目は選挙制度。同性代の人が選挙に出られるように政治資金について見直したりする必要がある。
二つ目が教育改革が必要と考えている。
私たちは主権者教育を通して、生活に身近な問題が政治に関わっていることを伝えるような授業をしている。
そういった草の根運動を広げていくことが重要。
若者のための選挙とは?
佐々木明子キャスター
日本の若者の投票率がなかなか上がらないという問題ですが、Z世代も増税や出産という問題など決して政治に無関心というわけではないということが伝わりました。
となるとどうしたら若者世代の投票率を上げることができるのか?

原田亮介キャスター

いま話しにありましたが、ネット投票は一案ですし、あるいはアイデアとしては色んな考え方があります。
一つは子育て世代のドメイン投票。子どもの数に応じて票数を増やすやり方。
それと100歳を基準にして余命投票。20歳の人は80票、80歳の人は20票。
それ以外に年代ごとの有権者数に応じて議席を割り振る選挙区制を年代別に作る。
ただ日本は厳密に1票の平等性を憲法で定めているので現実的ではない。
佐々木明子キャスター
これができたらいいなという話でしたが、無理だとしたらどうしたらいいですか?

原田亮介キャスター

学校で選挙や政治について考える機会を増やす。
若者たちの関心を高めることが地道だけど王道じゃないか。