地域の頑張る企業を取り上げる「輝く!ニッポンのキラ星」です。今回は石川県からです。
国会議事堂や富士屋ホテルなどの年代物の椅子の修繕を手掛けた企業を取り上げます。依頼が相次ぐそのヒミツとは。
株式会社エフラボ
[blogcard url="https://f-labo.jp/"]
日本有数の観光地、箱根。
ここに140年余りの歴史を誇る富士屋ホテルがあります。皇族や数多くの著名人に愛されてきました。
富士屋ホテルの経営企画部、大石泰生部長、
2年3ヵ月ほど工事で休んでいてグランドオープンを迎えた。
建具も全て修復した。
お客様それぞれの思い入れがある。
今年7月、耐震改修工事を終えグランドオープン。
大正時代から使っている家具も全て修繕しました。
家具の総数2,000点余り。
一手に引き受けていただくところを選定するとエフラボになった。
全館の家具を一括して改修したのがエフラボという企業。
休館前と新しくなったのを比べて頂いて多くの声は前とあまり変わっていない、安心したというコメントを頂いています。
エフラボは富士屋ホテルのほか、帝国ホテルや軽井沢プリンスホテルなど1,000社以上の椅子の修繕を手掛けています。
石川県の能登半島に位置する七尾市。
能登は元々大工、建具屋、縫製工場が多く、七尾市は建具づくりが盛んな町です。
この町に目をつけたのがエフラボです。
2007年に創業、従業員50人。
売り上げは5億円に上ります。
敷地面積およそ3,000坪を誇る日本最大の椅子の再生工場です。
エフラボの松井正尚代表、
椅子1本1本に思い入れや職人の技術がたくさん込められている。
新品同様によみがえらせて思い出を後世に伝えていくのが椅子再生工場の仕事。
そう語るのは代表の松井さん。元々は金沢で家具工場を経営していましたが事業拡大の際、職人が多くいるこの地域に本社を移転しました。
工場の9割が七尾市の職人。
1日100以上の椅子を再生しています。
修理品は職人のアナログな仕事でないとできない。
そこにIT機械を導入して大量生産できるように。
椅子を張り替える新たな生地。
昔は1つ1つをハサミで裁断していましたが7年前に機械化。
指定の形を入力することで生地の型取りから裁断までを効率的に行うことが可能に。
座面に張替え椅子の1パーツが出来上がりました。ここから先は職人の仕事。
きっちり引っ張らないと型崩れがする。
修理前と同じ形にする。
方向・間隔を均等に、見た目をキレイに。
機械ではできない職人技です。
作っていたのは客席のお尻に当たる部分。
これは日本でも有数の国際展示場の椅子です。
30年使われ傷んだ生地が生まれ変わりました。
数千個の発注を現在、急ピッチで進めています。
元家具職人の横山さん。
家具を扱うということは細かな木材が扱える仕事。
椅子を作るにはありがたい技術を持っている職人。
2012年入社の横山正人さんも元々はここ七尾市の家具職人でした。
7年か8年で会社が潰れた。
やりたかったんですけど職場がなくなってしまった。
エフラボは異業種でも技術を持つ地元のベテラン職人を積極的に中途採用しています。
横山さんは富士屋ホテルの椅子も担当しました。
普通の椅子じゃない。猫脚やろくろの脚。
こんなことするんだって驚いた。
これまで横山さんが培ってきた家具職人の技術が生きたといいます。
さらに2017年からは新卒の採用もスタート。ベテランから若者への技能継承を進めています。
現在工場にはベテラン職人20人と10人の若者が働いています。
どんな難しいオーダーでも簡単にできるような人になりたい。
この会社に必要な人材になりたい。
七尾市は過疎化していく町。
私たちの技術を若い人たちに伝承し、町を活性化させたい。