いまや世界100カ国以上で使われているカッター。刃をポキポキと折ることで切れ味を保つ形ですが、実は日本人が発明したモノです。
オルファカッター
1958年、東京タワーが完成。高度成長期へと突入していく時代、その翌年に生まれたロングセラーがあります。
いまや欠かせない文房具の一つとなったオルファカッターです。
その種類はなんと100以上あります。
ロータリーカッターは布など柔らかい素材を滑らずにスルスルって切れます。
キリヌークはスクラップ用カッター。新聞などを切って上の1枚しか切れない優れものです。
さらに壁紙職人の必需品にもなっています。鋭い切れ味が壁紙の繋ぎ目をピッタリ合わせるのに必要だといいます。
楽雅壁の池永孝史社長は、
30年使っている。体の一部。
発売から58年、国内カッター市場でシェア6割のトップシェアを誇るロングセラーのヒミツとは?
オルファ株式会社
オルファカッターを製造・販売するオルファ。
このカッターを発明したのは創業者の岡田良男氏です。
若かりし岡田氏が印刷業者に勤めていた時のこと、紙を切る作業で使っていたカミソリの替刃に不便さを感じていました。素手で持つと危ない上に切れ味がすぐに悪くなるからです。
使いやすい物があれば・・・。
そこで閃いたのが戦後、進駐軍から貰った板チョコです。
これや!
谷手覚取締役は、
板チョコのようにポキポキと刃が折れれば非常に便利でないかと。
これをヒントに岡田氏は3年以上もの間、持ち手の大きさや刃のサイズなど試行錯誤を重ね、10個以上のプロトタイプを制作しました。
そして1959年、世界で初めて刃が折れるカッターを発売。
商品名は「折る刃」から「オルファカッター」と名付けました。
折れる刃と、刃に最も力が入りやすい59度の刃先の角度はのちにカッター業界で標準サイズとなりました。
新商品の開発
1970年代、オルファはカッターの発売を拡大。
ところが、
海外の大手工具メーカーが日本のカッター市場に参入した。当時は会社の中でも混乱したと聞いている。
競合他社の相次ぐ参入で売上は低迷。
しかし、この逆境を乗り越えようと新商品の開発を加速していきました。
その商品開発で創業以来続けている方法がありました。
商品企画本部の増田稔マネージャーは、
ここはあと1ミリ深くしたほうがええな。
カッターの持ち手を作っているようですが、
図面から入らずに商品に使う材料を使い手作業でモデリング(組み立て)していく。
開発者が試作品職人に直接商品のアイデアを伝えます。図面作りを省きすぐに試作品を作ることで商品開発のペースが早まりより多くの商品が生み出せました。
カッター一筋58年、ロングセラーの極意とは?
ロングセラーの極意とは?
他社に負けない商品幅、新発想のものを親しみある商品に。
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